GA4有料版の特徴を徹底解説!無料版との違いとは【GA講座】

2022.03.22

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2020年10月にGoogle アナリティクス の新しいバーションとして発表されたGA4ですが、2021年10月にはGA4の有料版についても発表されています。

この記事ではGA4無料版と有料版の機能やサービス比較を行い、有料版への切り替えをおすすめする企業について説明します。

GA4有料版の特徴を徹底解説!無料版との違いとは

2020年10月にGoogle アナリティクスの新しいバーションとして発表されたGA4ですが、2021年10月にはGA4の有料版についても発表されています。この記事ではGA4無料版と有料版の機能やサービス比較をおこない、有料版への切り替えをおすすめする企業について説明します。

Google アナリティクス 4とは
Google アナリティクス 4(以下、GA4)は、Google アナリティクスの新しいプロパティの名称です。GA4は、これまで利用されてきたユニバーサルアナリティクスプロパティでは対応が難しいようなWebサイトやアプリケーションにも適用できるアナリティクスツールとして設計され、2020年10月に正式公開された新しいバージョンのGoogle アナリティクスです。

Google アナリティクスの有料版とは
Google アナリティクスの有料版は、エンタープライズ向けの製品として、「Google アナリティクス360(GA360)」という名称で、ユニバーサルアナリティクスプロパティを対象に提供されています(2022年3月時点)。Google アナリティクスは無料で使い始めることができるものの、企業によっては無料で利用できる範囲の機能ではビジネス上の用途として足りない場合があり、有料版であるGA360を契約しています。

新たに発表されたGoogle アナリティクス 4の有料版とは

2021年10月のGoogle公式ブログでは「新しいGA360」としてGA4の有料版が発表されました。公式ブログでは3つの点で有料版の特徴が紹介されています。

参照:https://www.blog.google/products/marketingplatform/360/introducing-new-analytics-360/

1.組織のニーズに沿う柔軟性をもったツール
2.成長企業に向けた拡張可能なソリューション
3.エンタープライズレベルでのパフォーマンスとサポート

この3つの点について、以下で詳細を説明していきます。

組織のニーズに沿う柔軟性をもったツール

「サブプロパティ」で個々のサービス成果を把握し「ロールアッププロパティ」で横断した成果を把握
グローバルでサービスを展開する企業では、国や地域ごとに部門が分かれ、その中でWebサイトやアプリケーションを運営している場合があります。また、企業によっては同じ国や地域の中でも複数のサービス部門でWebサイトやアプリケーションを運営していることがあります。そのような場合、サービスごとのWebサイトやアプリケーションのデータ解析に加え、サービスをまたいだ国や地域横断での成果を把握することが必要となります。

有料版のGA4では、Webサイトやアプリケーション個別のデータをレポートするプロパティと、個々のプロパティを横断したレポートを確認できるプロパティが用意できます。メインとなるプロパティを分けて個々のサービスに対応するプロパティを「サブプロパティ」、複数のプロパティを束ねたプロパティを「ロールアッププロパティ」と言います。

個々のサービスの成果を把握する場合や、Google 広告やGoogle マーケティンププラットフォームのプロダクトと連携してデータを広告施策に利用する場合は「サブプロパティ」を利用します(図1)。サービスや国・地域を横断したデータで成果を把握したい場合は「ロールアッププロパティ」を利用します(図2)。

この機能によって、複数の国や地域をまたいで事業をおこなっている企業や、複数のサービスでGoogle アナリティクスを利用している企業は、個々のサービスのデータやサービスを横断したデータに必要に応じてアクセスし利用することができます。

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(図1:GA4をサブプロパティに分割)

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(図2:GA4をロールアッププロパティに統合)

アカウントごとの権限や閲覧できるレポート範囲を設定する機能が追加される予定
企業によっては、関係するパートナー企業が多数あり、パートナーによってアクセスできるレポートや利用できる機能を制限したい場合があるかもしれません。有料版のGA4では、アカウントごとに利用できる機能の権限を変えて設定ができます。また、アカウントごとに閲覧できるレポートの範囲を設定する機能も用意される予定です。例えば、ある代理店パートナーに対しては特定のキャンペーンに限ったレポートだけを閲覧できるよう権限を設定することができます。

成長企業に向けた拡張可能なソリューション

取得できるデータ上限の引き上げ
Google アナリティクスを有料版にすると、ビジネスの成長やニーズに合わせて機能の拡張が可能になります。例えば、カスタムディメンション、オーディエンス、コンバージョンタイプのようなカスタマイズして取得できるデータの上限を引き上げることができます。これによって、取得したデータを分析する切り口が増え、施策に反映させる方法を増やすことができます。

全量データを使った探索分析
GA4には、取得したデータの成果をレポート画面上で深堀分析できる「探索」の機能があります。この「探索」機能を利用するうえで、対象となるデータ量が多大になると、サンプリングされたデータで推測された結果が返される場合があります。GA4の有料版では、このようなサンプリングを発生させず、全量データを使った「探索」を利用することができます。

BigQueryへ日次エクスポートできるデータ量の増加
GA4で取得したデータをGoogle クラウドプラットフォームのデータウェアハウスであるBigQueryに出力して可視化や分析をおこなう方法もありますが、無料版ではデータ量の上限が1日あたり100万イベントに設定されています。一方、有料版ではデータ量の上限が1日あたり数十億イベントまで引き上げられます。

GA4機能の上限引き上げについてはヘルプページの以下の表にまとめられています。

(表1:GA4無料版と有料版の機能比較)

参照元:https://support.google.com/analytics/answer/11202874?hl=ja

エンタープライズレベルでのパフォーマンスとサポート

SLA(Service Legal Agreement)の設定
Google アナリティクスを有料版にすると、多くの製品機能に関してSLA(Service Legal Agreement)が設定されます。SLAが含まれる機能として、データ収集、レポート作成、データ処理、アトリビューション、BigQueryのデイリーエクスポートが含まれています。

アカウント設定の変更を監視
Google アナリティクスを複数の関係者で利用する場合、アカウント設定に加えられた変更を把握する必要が生じます。GA4有料版では変更履歴が細かく記録され、確認することができます。例えばGoogle 広告のアカウントをGA4に連携したときや新しいコンバージョンが作成されたときのような設定変更が記録され、確認できるようになります。

Google アナリティクス ヘルプページの公開
GA4有料版について、Google アナリティクス ヘルプページも公開されています。GA4有料版に関する機能や最新の情報に関してはこのページを参照することをおすすめします。

参照:[GA4] Google アナリティクス 360(Google アナリティクス 4 プロパティ) - アナリティクス ヘルプ

GA4有料版に追加された機能

ユニバーサルアナリティクスプロパティを対象とした既存のGA360(2022年3月時点)に備わっている機能がGA4有料版(新しいGA360)にも追加されています。具体的には、Salesforce Marketing CloudとGA4を連携するためには、GA4有料版を契約する必要があります。既にユニバーサルアナリティクスでGA360を契約してSalesforce Marketing CloudとGoogleアナリティクスを連携して利用している場合や、今後の連携を検討している場合はGA4有料版を契約する必要があることを覚えておきましょう。

ちなみに、これまでGA360でなければ連携ができなかった一部のGoogleマーケティングプラットフォームのプロダクト(DV360、SA360)とは、無料のGA4でも連携ができるようになっています。(2022/5/17情報追記)

GA4有料版への切り替えをおすすめする企業は?

ここまでGA4の有料版の特徴を紹介してきましたが、それを踏まえてどのような企業がおすすめなのでしょうか。4つの例をあげます。

1.収集しているデータ量が膨大なWebサイトやアプリを運営している企業(特にBigQueryにデータを出力して利用している企業)
2.複数の国・地域や複数のWebサイトやアプリを展開している企業
3.多くのパートナー企業・関係者とGoogle アナリティクスを利用している企業
4.Salesforce Marketing CloudとGA4を連携して最大限マーケティング施策にデータを利用したい企業

GA4有料版(新しいGA360)の導入に興味がある場合は、Google公式セールスパートナーである当社までお問い合わせください。

 

▼関連資料

Google アナリティクス 4のご紹介

この記事の著者

島田 拓来

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリティクス、tableau®設計構築。SEO領域のディレクター業務を経てアナリストに。Google アナリティクス、Adobe アナリティクスのデータ活用のほか、ダッシュボード構築のプロジェクトが得意。

趣味:料理、料理動画を見ること

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリテ...

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