【広告LP制作の最前線】 LPO・生成AI・ユーザー分析のトレンド

2025.06.30

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広告運用を成功に導くために欠かせない要素、それがランディングページ(以下、LP)です。前回の記事では、LP制作を外注する際の選定ポイントを中心にお伝えしました。

本記事では、Hakuhodo DY ONEが実践する、最新の広告コンバージョン(以下、CV)獲得に特化したLP制作・LPO(ランディングページ最適化)の動向をご紹介します。特に、AI技術やLPOツールを駆使したユーザー理解と情報設計のテクニックから、より効果的なLP制作の方法をお伝えします。LP制作担当者の皆様にとって、必見の内容です。

▼前回記事はこちら

 
 

LP制作におけるユーザー分析の重要性

ユーザー分析が必要な理由

LP制作において、ユーザー分析は欠かせないステップの一つです。ユーザーがどんな悩みを持っているか、どのようなニーズからアクセスしているのかを理解することで、より効果的なコンテンツやデザインを構築することができます。たとえば、ターゲットユーザーの年齢層や関心事を把握することで、訴求ポイントを明確にし、共感を呼ぶコンテンツを作ることができます。結果として、コンバージョン率(CVR)やリードの向上につながります。
ターゲットの解像度が低いLPとターゲットの解像度が高いファーストビューのイメージを比較してみましょう。

例)シワ改善効果のある保湿クリーム(左:比較A 右:比較B) 

219848991419_01※製品、値段は架空のものです 

(図1:獲得LP比較イメージ )

仮にあなたが40代で年齢肌を気にしはじめた方だとした場合、図1の比較Aと比較B、どちらに興味が湧くでしょうか?

比較Aは、ブランドイメージや世界観を重視したデザインで、商品の安心感や高級感を伝えることに長けていますが、具体的な悩みや課題が明確に描かれていないため、「自分ごと」として捉えにくい場合があります。一方、比較Bは、ターゲットとなるユーザーの年齢や悩みにもとづき、「首に年齢が出てきた…?」といったリアルな課題にダイレクトに訴求しています。ユーザーの悩みやニーズに寄り添った構成にすることで、共感や「試してみたい」という気持ちが生まれやすく、申し込みや購入などの成果につながりやすいのが特徴です。

ブランドの認知拡大や価値醸成には比較AのようなLPも効果的ですが、獲得を目的とする場合は、比較Bのようにユーザーインサイトに寄り添った具体的な訴求が効果的です。そのため、LPで成果を高めるためにはユーザー分析をおこない、ターゲットの悩みやニーズを深く理解することが重要なのです。

コンバージョン率(CVR)向上のためのユーザー分析方法

ユーザー分析といっても、手法はさまざまです。現状を把握しながら、定量・定性の両観点から分析していく必要があります。以下に分析手法の一例をご紹介します。

手法 詳細

広告配信状況を把握

現状の CVR はどれくらいか。流入元のコミュニケーションや配信設計はどうなっているか把握。
また目標とするCVRを設定する。

アンケート調査

ユーザーに直接質問を投げかけ、彼らのニーズや課題をリサーチ。

ヒートマップ解析

LP上でユーザーがどこに注目しているのかを視覚的に把握。

サイト内行動分析

Google アナリティクスやSimilarweb、DockpitなどのWeb行動分析ツールを使って、ユーザーの属性や、サイト内での動きを詳細に把握し分析。

デモグラフィックデータ分析

ユーザーの地理情報、年齢、性別などの属性データをもとに、ターゲットの詳細なプロフィールを作成。

行動履歴分析

過去の訪問履歴や行動パターンを解析し、ユーザーの興味関心を把握。

口コミ調査

商品が市場にどのように見えているのか。購入者がどんなポイントを支持しているのかを実際の投稿から調査。

競合調査

競合企業の訴求内容や強みを調査し比較することで、自社の強みを正確に把握。

 AIを活用したユーザー分析と改善

ユーザー分析をおこなうには、膨大なデータの分析や仮説立てが必要です。データを収集したものの、それをまとめるだけでも時間や労力がかかります。そうした時は、AIツールを活用するのがおすすめです。膨大なデータからユーザー分析だけでなく、ペルソナやカスタマージャーニーを作成し可視化することで、短時間でターゲットの解像度を上げることができます。たとえば、以下の情報であればAIツールを活用するとかなり時間が短縮されます。

<アンケートや口コミ調査>

  • アンケート回答のカテゴリー分類やテキストマイニングなど、集計作業が効率化されます

  • 仮説と比較した際の類似点と相違点の洗い出しなど、検証もしやすくなります

<ヒートマップ>

  • ヒートマップの画像データからユーザー行動の考察を出力することができます

  • 自分の考察と照らし合わせて会話してみるとより深い考察となるかもしれません

 

Hakuhodo DY ONEでは、CREATIVE BLOOM PLANNINGという博報堂DYグループが独自で開発したAIツールを活用して、「市場/商材理解」「顧客セグメント/ペルソナ生成」「訴求軸生成」を高速でおこなったうえで、それらを踏まえた広告コピーの原案を多数生成しています。
また、画像生成AI機能を活用することで、LPデザインのたたき台となる案を大量に作成したり、そのデザインをもとにHTMLのサンプルを短時間で作成したりすることも可能です。AIツールは分析だけでなく、アイデア出しや初期案の作成といった幅広い工程で活用が進んでいます。

状況や人員に合わせて適切な機能を利用することで、よりスピーディに効果的なLP制作の実現が見込めます。

※参照:博報堂DYホールディングス、博報堂テクノロジーズ統合マーケティングプラットフォームBLOOMにて「CREATIVE BLOOM PLANNING」を開発

効果的なLP運用のために

LP分析と改善の重要性

LPは一度作成したら終わりではなく、継続的な分析と改善が求められます。LPを運用するうえでは変化するユーザー行動や市場のトレンドに対応し、常に最適な状態を保つことが重要です。たとえば、ページの閲覧時間や離脱率、コンバージョン率(CVR)などを定期的にチェックし、それに基づく改善をおこないます。これにより、投資対効果(ROI)を最大化し、持続的な成果を上げることができます。

LP分析と効果測定法

項目

詳細

テスト方法

・ABテスト:コンテンツの一部を改修
 └並行テスト(★推奨)
 └前後比較(※シーズナル要素を加味する必要有り)
・リダイレクトABテスト
 └異なる性質のLPでABテスト

期間

シーズナル要素を加味すると2週間~1ヶ月が好ましい。 

分析方法

・AB検証数値分析
・ヒートマップ分析(滞在時間、クリック数も含む)
・Google アナリティクスでのイベント分析 など

仮説検証

仮説をもって検証スタートし、検証の真偽を確認することでユーザー像が見えてくる。

LP自社運用と外部支援の比較

メリット・デメリットを把握し、優先度に合わせて専門性を持った外部パートナーを活用することで、成果を担保しながらLPOを進められます。

 

自社運用

外部支援

メリット

・ 内部リソースの活用が可能
・ 迅速な調整や変更ができる
・ 継続的なナレッジ蓄積が可能

・ 専門家の知識とスキルの活用
・ リソースの柔軟な確保
・ トレンドや技術の
  迅速なキャッチアップ

デメリット

・ 専門知識やスキルの不足
・ リソースや時間の制約
・ 最新トレンドへの対応が遅れる可能性

・ コストがかかる
・ コミュニケーションの手間
・ 内部ナレッジの不足

まとめ

これらの要素をふまえ、各企業が自社の状況と目的に合わせてLP制作・運用を最適化することで、LPOによる成果向上や改善の手応えを実感できるはずです。LP制作・LPOのご相談がございましたら、ぜひHakuhodo DY ONEまでお気軽にお問合せください。

この記事の著者

鈴木 恵

幼稚園教諭、結婚情報サービス相談員などを経たのち、マーケティング業務に従事。これまでゲームプラットフォームのプロモーションやサービス企画、保育サービスのWebマーケティングを経験。アイレップ入社後、クリエイティブ設計や制作ディレクションを担当。

趣味:キャンプ、ダイビング、ボードゲーム、温泉めぐり。昨年迎え入れた猫が可愛すぎて、最近は趣味のキャンプにも行かずに猫観察してます。

幼稚園教諭、結婚情報サービス相談員などを経たのち、マーケティ...

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