AIチャットボット経由のWebサイト流入をGA4で計測する方法を解説!【GA4講座】

2024.12.06

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ChatGPTやGeminiなどのAIチャットボットが急速に普及し、ビジネスから日常生活まで、幅広く活用されるようになりました。AIチャットボットではしばしばWebサイトのレコメンドがおこなわれ、その会話の中からWebサイトのURL情報を取得することが可能です。このように、AIチャットボットで得られたURL情報からWebサイトに流入した場合、Google アナリティクス 4(以下、GA4)はどのように計測されるのでしょうか?本記事では、AIチャットボット経由のWebサイト流入時にGA4で参照元情報がどのように記録されるのか、また計測したデータはどのように活用できるのか解説します。新しいユーザーの行動パターンを見逃さず、今後のWebサイト分析や施策に役立てましょう。

※本記事におけるAIチャットボットサービスはChatGPT、Gemini、Perplexityを参照しています

AIチャットボットはWebサイト流入の新たなトラフィックソースに

AIチャットボットは、ユーザーとの対話を通じて迅速かつ自然なコミュニケーションを提供し、必要に応じて特定のWebサイト やページへのリンクを生成することが可能です。例えば、ユーザーが製品情報を求めた際に、AIチャットボットがその製品ページのURLを提供し、ユーザーがそのリンクをクリックしてWebサイトに訪問するケースが考えられます。その結果、AIチャットボットが導きだしたURLからのWebサイト流入は、新しいトラフィックソースとして、従来の検索エンジンやSNSに次ぐ存在となり得るでしょう。GA4などのWebサイト分析ツールを介して、AIチャットボット経由のWebサイト流入を確認し、その行動パターンを分析することができます。今後、AIチャットボットの普及とともに、この種のトラフィック増加が予想されるため、分析チャネルのひとつとして、早期にその特性を理解しておくことを推奨します。

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(図1:AIチャットボットによるサイトURLの生成例 ※使用ツール:ChatGPT-4o 使用日:2024/8/26

GA4で計測される参照元情報

GA4で流入計測をする場合の参照情報を紹介します。GA4では、流入元は「source」、メディアは「medium」と表記され、流入元のAIチャットボットもそこから確認できるようになります。今回は、データ計測状況の調査・検証する際に有用なDebugViewを利用した確認方法(1)とGA4データを分析する際に有用な探索レポートを利用した確認方法(2)の2つを紹介します。

(1)DebugViewを利用した確認方法

DebugViewはGA4がデータ計測する際の挙動をリアルタイムにモニタリングできる機能であり、GA4ではどのようにデータが計測されるのか調査・検証する際に利用されます。

確認手順

DebugViewでWebサイトの流入元を参照するための手順を紹介します。

1.GA4画面の左下の歯車マーク(管理)より「データの表示『DebugView』」をクリックする

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(図2:DebugViewによる確認_手順1)

 

2.「DebugView」を開いた状態にする

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(図3:DebugViewによる確認_手順2)

 

3.AIチャットボット上でURLを生成した後、生成されたURLをクリックしてWebサイトに遷移する

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(図4:DebugViewによる確認_手順3)

 

4.GA4の画面に戻り、DebugView上にpage_viewが計測されていることを確認する

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(図5:DebugViewによる確認_手順4)

 

5.page_view>sourceの順にクリックしていき、Webサイト流入時に計測された参照元情報を確認する

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(図6:DebugViewによる確認_手順5)

1~5の手順でChatGPT、Gemini、Perplexityの流入をそれぞれ計測してみます。「メディア(medium)」「参照元(source)」の2項目を確認し、どこから流入しているかを明らかにします。

確認結果:ChatGPT

メディア(medium):referral、参照元(source):chatgpt.comと表示。これにより、特定のWebサイトからの流入があり、そのWebサイトがChatGPTであることが分かります。

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(図7:ChatGPT経由でサイト流入した際の参照元・メディア)

確認結果:Gemini

メディア(medium):referral、参照元(source):gemini.google.comと表示。これにより、特定のWebサイトからの流入があり、そのWebサイトがGeminiであることが分かります。

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(図8:Gemini経由でサイト流入した際の参照元・メディア)

確認結果:Perplexity

メディア(medium):referral、参照元(source):perplexity.aiと表示。これにより、特定のWebサイトからの流入があり、そのWebサイトがPerplexityであることが分かります。

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(図9:Perplexity経由でサイト流入した際の参照元・メディア)

 

(2)探索レポートを利用した確認方法

探索レポートはWebサイトのデータを分析する際に利用される機能です。AIチャットボット経由の流入数やキーイベント(旧名:コンバージョン)を確認する際は本機能を利用します。

確認手順

探索レポートでWebサイトの流入元を参照するための手順を紹介します。

1.GA4画面の左メニュー(探索)より「空白」をクリックする

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(図10:探索レポートによる確認_手順1)

2.「+」よりディメンションと指標をセットする画面へ遷移する

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(図11:探索レポートによる確認_手順2)

3.レポートに表示するディメンションをセットする

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(図12:探索レポートによる確認_手順3)

4.レポートに表示する指標をセットする

176669605291_13(図13:探索レポートによる確認_手順4)

5.セットしたディメンションを「行」へ、指標を「値」へドラッグ&ドロップする

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(図14:探索レポートによる確認_手順5)

6.各AIチャットボット経由の参照元・メディアでフィルタをかける

176669605291_15(図15:探索レポートによる確認_手順6)

1~6の手順でChatGPT、Gemini、Perplexityの流入状況をそれぞれ確認してみます。それぞれのAIチャットボット経由でどれほど流入されており、どれほどキーイベント(旧:コンバージョン)が発火しているかを明らかにします。

確認結果:ChatGPT

ChatGPT経由で9回訪問され33回キーイベントが発火したことが確認できます。

176669605291_16(図16:ChatGPT経由でサイト流入した際の流入数とキーイベント数)

 

確認結果:Gemini

Gemin経由で7回訪問され18回キーイベントが発火したことが確認できます。

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(図17:Gemini経由でサイト流入した際の流入数とキーイベント数)

確認結果:Perplexity

Perplexity経由で20回訪問され53回キーイベントが発火したことが確認できます。

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(図18:Perplexity経由でサイト流入した際の流入数とキーイベント数)

AIチャットボット経由のデータを分析する理由

AIチャットボット経由の流入データをGA4で分析することで、マーケティング施策の最適化やユーザー行動の深い理解が得られます。

1.「興味関心層」のインサイト把握

AIチャットボットに質問しているということは「ユーザーが対象の商品やサービスに興味を持っている(持ち始めた)」と推測されます。チャットボット経由のユーザーのサイト内行動データを分析し、興味関心層がどのコンテンツに関心を持ち、どのページに時間を費やしているか把握しましょう。分析結果からユーザーのインサイトを把握することで、興味関心層に対する「打ち手」をより具体的に検討することができます。

2. リターゲティング・拡張配信への活用

GA4では、AIチャットボット経由でサイトに訪問したことのあるユーザーをリスト化し、対象のリストをGoogle 広告に連携することが可能です。もし分析から「AIチャットボット経由のユーザーはCVRが高い」「関心を示すコンテンツは商品Aである」などの傾向が判明していれば、分析結果を考慮したリスト作成、Google 広告に連携してリターゲティング広告や、類似ユーザーに対する拡張配信をおこなうことで、効果的に広告を配信することができます。

まとめ

AIチャットボットは、ユーザーの求める情報を提供すると同時に、外部のWebサイトをレコメンドする機能を備えています。このままAIチャットボットが普及し続けた場合、将来的には検索エンジンの代替として利用することが一般化するかもしれません。その場合、「AIチャットボットにフォーカスしたマーケティング戦略」が必要となる時代が来るかもしれません。そのような時代に備え、AIチャットボット経由のサイト分析や効果検証については今から意識しておくべき重要な要素だと考えます。

前回更新:2024.08.26

 

この記事の著者

樋口 城

ソフトウェア開発会社にてフロントエンドエンジニアの経験を経て、アイレップに入社。
入社後はGoogle アナリティクス、Google データポータル、Google BigQueryなどを活用したデータ計測環境構築・分析・可視化の案件を担当し、クライアント企業の課題解決に従事。

ソフトウェア開発会社にてフロントエンドエンジニアの経験を経て...

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