AIチャットボット経由のWebサイト流入をGA4で計測する方法を解説!【GA4講座】
ChatGPTやGeminiなどのAIチャットボットが急速に普及し、ビジネスから日常生活まで、幅広く活用されるようになりました。AIチャットボットではしばしばWebサイトのレコメンドがおこなわれ、その会話の中からWebサイトのURL情報を取得することが可能です。このように、AIチャットボットで得られたURL情報からWebサイトに流入した場合、Google アナリティクス 4 (以下、GA4)ではどのように計測されるのでしょうか?本記事では、AIチャットボット経由のWebサイト流入時にGA4で参照元情報がどのように記録されるのかを解説します。新しいユーザーの行動パターンを見逃さず、今後のWebサイト分析や施策の効果検証に役立てましょう。
AIチャットボットはWebサイト流入の新たなトラフィックソースに
AIチャットボットは、ユーザーとの対話を通じて迅速かつ自然なコミュニケーションを提供し、必要に応じて特定のWebサイトやページへのリンクを生成することができます。例えば、ユーザーが製品情報を求めた際に、AIチャットボットがその製品ページのURLを提供し、ユーザーがそのリンクをクリックしてWebサイトを訪問するケースが考えられます。このように、AIチャットボットによって生成されたURLからのWebサイト流入は、従来の検索エンジンやSNSとは異なる新しいトラフィックソースになると考えられます。効果的なマーケティング施策を実施するためには、GA4をはじめとしたWebサイト分析ツールを用いてユーザーの行動パターンを深く理解する必要があります。また、AIチャットボット経由のユーザー行動はマーケターが見落としがちな分析視点としても重要です。今後、AIチャットボットの普及に伴い、この種のトラフィックが増加することが予想されるため、早期にその特性を理解しておくことを推奨します。
(図1:AIチャットボットによるサイトURLの生成例 ※使用ツール:ChatGPT-4o 使用日:2024/8/26)
GA4で計測される流入元および参照情報
GA4で流入計測をする場合の参照情報を紹介します。GA4の分析画面では、流入元は「source」、メディアは「medium」と表記され、流入元のAIチャットボットが確認できるようになります。今回は、ChatGPT、Gemini、Perplexityの3つのAIチャットボットサービスを参照します。
参照情報確認の手順
Webサイトの流入元を参照するための手順を紹介します。
①GA4画面の左下にある歯車マーク(⚙)より「データの表示『DebugView』」をクリックする
(図2:手順①)
②「DebugView」を開いた状態にする
(図3:手順②)
③AIチャットボット上でURLを生成した後、生成されたURLをクリックしてWebサイトに流入する
(図4:手順③)
④GA4の画面に戻り、DebugView上にpage_viewが計測されていることを確認する
(図5:手順④)
⑤page_view>sourceの順にクリックしていき、Webサイト流入時に計測された参照元情報を確認する
(図6:手順⑤)
実際の結果表示
紹介した方法でChatGPT、Gemini、Perplexityの流入を計測してみます。「メディア(medium)」「参照元(source)」の2項目を確認し、どこから流入しているかを明らかにします。
確認結果:ChatGPT
メディア(medium):referral、参照元(source):chatgpt.comと表示。これにより、特定のWebサイトからの流入があり、そのWebサイトがChatGPTであることが分かります。
(図7:ChatGPT経由でサイト流入した際の参照元・メディア)
確認結果:Gemini
メディア(medium):referral、参照元(source):gemini.google.comと表示。これにより、特定のWebサイトからの流入があり、そのWebサイトがGeminiであることが分かります。
(図8:Gemini経由でサイト流入した際の参照元・メディア)
確認結果:Perplexity
メディア(medium):referral、参照元(source):perplexity.aiと表示。これにより、特定のWebサイトからの流入があり、そのWebサイトがPerplexityであることが分かります。
(図9:Perplexity経由でサイト流入した際の参照元・メディア)
まとめ
AIチャットボットの普及により、新たな流入経路が生まれ、ユーザーの行動パターンがさらに多様化してきています。GA4を活用することで、チャットボット経由のトラフィックも正確に把握できるようになり、これまで見逃されがちだったデータの分析にも活かせるようになります。今後は、AIチャットボット経由の流入を考慮したうえで、Webサイト分析や施策の効果検証を進めることが、より精度の高いマーケティング戦略の構築に役立つでしょう。
この記事の著者
樋口 城
ソフトウェア開発会社にてフロントエンドエンジニアの経験を経て、アイレップに入社。
入社後はGoogle アナリティクス、Google データポータル、Google BigQueryなどを活用したデータ計測環境構築・分析・可視化の案件を担当し、クライアント企業の課題解決に従事。
ソフトウェア開発会社にてフロントエンドエンジニアの経験を経て...