ロングテールSEOとは?SEO担当者向けに解説

2023.12.12

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ロングテールSEOとは、検索数の大きいキーワードに限定せずに、自社Webサイトに関連する幅広いキーワードを施策対象として実施するSEO施策のことを指します。本記事では、SEOにおけるキーワード選定の位置づけやロングテールSEOの重要性を紹介します。

SEOでキーワード選定が重要な理由

SEOは、自社Webサイトを検索エンジンに適切に評価させ、自然検索経由のトラフィックを最大化することでコンバージョン増加を目指すマーケティング戦略のひとつです。

SEOにおける施策立案は、以下のフローで実施されることが一般的です。

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(図1:SEO施策実施時の一般的なフロー)

ひとつめの「①現状分析」では、まず自社に関連する検索キーワードを分析し、顧客(見込み含む)が利用するキーワードの検索市場規模を確認します。ここで選定したキーワードを対象に自社と競合Webサイトの検索結果における表示状況を調査することで、自社Webサイトの検索結果におけるパフォーマンスを把握します。「②SEO課題の抽出」以降のフェーズでは、①の結果から検索順位が良くないキーワードに対してその理由の分析や改善施策を起案していく流れとなります。

この流れの通り、最初に実施するキーワード選定の精度は最終的なSEO施策の成果寄与度に大きく影響します。SEOでは、自社Webサイトの状況に応じて施策対象とするキーワードを適切に選定することが、成果を出すうえで必要不可欠となります。

SEOにおける検索キーワードの考え方

検索サービスの最大手であるGoogleでは毎年何兆件※1もの検索がおこなわれており、毎日の検索の15%※2が過去になかった内容となっているそうです。

この数値が示すように検索キーワードは多岐にわたっており、特に検索数の少ないキーワードのバリエーションは途方もない数になると想像できます。

例えば、パソコン関連の検索キーワードの分布は以下のイメージとなります。

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(図2:検索キーワードの分布イメージ)

このグラフの形が恐竜のしっぽ(テール)に似ていることから、右側に長く広がるキーワード群がロングテールキーワードと呼称されています。

一般的に、ビッグキーワードは種類が少ないうえに多くのWebサイトがSEOに取り組むことから相対的に上位表示難易度が高くなる傾向があります。反対に、ロングテールキーワードではSEOに取り組むWebサイトが少なくなり、上位表示の難易度が低くなります。

また、検索意図の観点では、ロングテールキーワードになるほどコンバージョンに近い傾向があるといわれています。

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(図3:ビッグキーワードとロングテールキーワードの特徴)

上記の理由から、ビジネスゴールとなるコンバージョンを最大化させるうえでは、多くの流入数を見込めるビッグキーワードだけでなくコンバージョンとの親和性の高いロングテールキーワードも施策対象とすることが重要になります。

※1:機能 – Google 検索の仕組み
※2:Google のアプローチ – Google 検索の仕組み

<参考|ロングテールとは>
Wikipediaでは、ロングテールは「インターネットを用いた物品販売の手法、または概念の1つであり、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えること、または対象となる顧客の総数を増やすことで、総体としての売上げを大きくするものである。」と定義され(2023年11月時点)、米ネットフリックスやAmazonのビジネスを説明するためにChris Anderson氏が提唱したとされています。

例えば、Amazonは販売総数の少ないニッチな製品を数多く取り扱うことで対象となる顧客の総数を増やし、販売利益を増やすロングテール戦略により成果を上げています。ロングテールSEOはこの概念が基になっています。

参考:ロングテール - Wikipedia

ロングテールSEOのポイント

ロングテールSEO実施時のポイントは以下となります。

施策対象キーワードの選定で検索数の少ないキーワードを除外しない

流入数の増加を目的とするあまり、検索数の少ないキーワードを施策対象から除外してしまうケースがありますが、以下の点から推奨されません。検索数が少なくても自社Webサイトのコンバージョンに関連のありそうなキーワードは施策対象として扱いましょう。

  • 相対的に流入数の大きいキーワードは上位表示難易度が高い傾向があるため、成果につながりにくい

  • ロングテールキーワードはコンバージョンとの親和性は高く成果に寄与しやすい

自社や競合の流入キーワードを分析し、流入を見込めるキーワードを網羅的に収集する

キーワードツールを使うことで、把握できていなかった検索ニーズを発見できることがあります。自社Webサイトの流入キーワードに加えて、AhrefsやSEMrushなどの第三者ツールで競合Webサイトの流入キーワードを分析し、網羅的に収集しましょう。

UGCコンテンツを含むページをインデックス対象にする

口コミや質問などのUGC(ユーザー生成コンテンツ)を保有している場合、Webサイト運営側が意図しないキーワードで流入を獲得できる可能性があります。後述する注意点に対応できる場合は、該当コンテンツをインデックス対象とすることを検討しましょう。

新規に発生するニーズをモニタリングしてコンテンツ化する

ロングテールキーワードの中でも、新たなニーズに伴って発生したキーワードは競合Webサイトが少なく上位表示を目指しやすい市場となります。自社Webサイト(サービス)に関連するトピックやターゲットユーザーに関連するトピックを継続的にモニタリングし、話題になっていることがあれば積極的にコンテンツ化することが推奨されます。

注意点

ロングテールSEOを実施する場合は、以下の点に注意しましょう。

検索意図を満たせるページになっていることを確認する

特に、UGCをメインコンテンツとしたWebページをインデックス対象とする場合、クオリティが安定しにくい(文字数が少ない、内容が薄い、など)懸念が想定されます。インデックス対象とするWebページは、検索結果から訪れるユーザーにとって有益であることが大前提です。ユーザーの投稿を一律で公開するような運用ではなく、一定の条件を設けてインデックス対象とすることが望まれます。

内部リンクを適切に活用する

内部リンクは、ユーザーの回遊しやすさ、検索エンジンのクローラビリティの両観点から重要です。すべてのWebページにトップページからたどり着けるように内部リンクを設置しましょう。また、作成するWebページにも訪問者に有益と考えられる内部リンクを設置し、Webサイト全体の利便性を向上させましょう。

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(図4:内部リンクの設置イメージ)

まとめ

本記事では、ロングテールSEOについて紹介しました。ロングテールSEOでは、ビッグキーワードに依存せずに施策を実施することで自社Webサイトに関連する検索キーワードに網羅的に対応できるようになります。ロングテールSEOの実施にあたりキーワードの選定や具体的なSEO施策の立案に課題をお持ちの場合はぜひアイレップにご相談ください。

<DL資料>ダッシュボードテンプレート(Google データポータル)

この記事の著者

増渕 佑美

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタントとして従事。ソリューション部署に所属。通販や人材などデータベース型サイトを中心に経験を積んでおり、現在はメディアサイトのSEOも担当し幅を広げている。
好きなこと:散歩、パズル、動物の動画をみること

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタント...

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