SEOの目標設計の方法とは?陥りがちな注意点も解説

2022.01.27

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SEOを実施する際には、自社内で実施する場合でも外部の業者に委託する場合でも、適切な目標を決める必要があります。本記事では、SEOにおける目標設計に悩む方に向けてその方法と注意点を解説します。

SEOの目標設計の考え方

SEOは、検索エンジンを通じて人々に情報を届けるためのマーケティング手法のひとつです。通常、マーケティングは企業が人々の消費を誘発し、事業成長につながる自社サービス(商品)の利用(購入)を促進することを目的に実施されます。SEOにおいても、事業成長のための最終目標(KGI:Key Goal Indicator)に貢献する中間目標(KPI:Key Performance Indicator)を設定して取り組むことが重要です。

(図1:ビジネスゴールの達成に向けた戦略立案のイメージ)

 

一方で、SEOは自然検索経由流入や特定キーワードの順位上昇、など特定のKPIにとらわれてしまうとうまくKGIに繋がらない場合もあります。SEOに投下する予算や工数を無駄にしないためにも、次章から解説する手順でKGIに繋がる目標設計をしましょう。

KPIツリーでSEOの目的を定量的に整理する

WebサイトのKGIを達成するための目標策定では、まずKPIツリーを作成すると良いでしょう。SEOに限らず、Webサイトに期待するKGI達成のための要素を分解して整理することで、必要なソリューションや施策に気づくことができます。また、SEOで達成すべき目標を具体化することも可能になります。まずは下記の手順でKPIツリーを作成してみることを推奨します。

64204221455_02(図2:KPIツリーのイメージ)

1.WebサイトのKGIを定量的に決める

Webサイトの成果となるKGIを定量的に決めます。「○年度中にWebサイトでの売上を130%にする」のように見るべき指標と期限、目標値を明確化しましょう。一般的にKGIは各Webサイトで設定しているコンバージョン(売上や受注数)の増加となることが多いですが、そのためにWebサイトが担う具体的な役割は事業内容によって大きく異なります。

2.KGI達成に関連する中間目標(KPI)を洗い出し、各KPIの目標値を設定する

KGI達成に関連する要素を分解し、中間目標(KPI)の洗い出しをおこないます。また、各KPIにも期限と目標値を設定します。

(図3:通販サイトのKPIツリーの例)

3.KPIの計測方法を確認する

定義したKPIの計測方法を確認しておきます。定期的にKPIを計測して状況を確認することで、SEOの取り組みを定量的に評価することができます。外部の業者にSEO業務を委託する場合は、事前に計測方法のすり合わせをおこなっておくとスムーズです。通常、KPIの各指標の計測には、Google アナリティクスやGoogle サーチコンソールなどのツールが用いられます。

SEOの目標設計はKPIツリーだけでは不十分なこともある

前章でKGIからドリルダウンして策定したKPIの設計ができました。このKPIツリーによると、SEOの目標は「自然検索経由流入○%アップ」となります。目標がこれに限定されていると検索数の大きいキーワードから対策するという方針になりそうですが、これでは不十分なケースがあります。

自然検索経由の流入と一括りにしていますが、Webサイトにはさまざまな検索意図を持つ人たちが多様なキーワードで検索して訪れます。中にはコンバージョンに近い人もいれば遠い人もいます。図4の通り、検索数の多いキーワードは種類が少なく、検索数の少ないキーワードの種類は膨大であることが知られています。また、例えば通販系のキーワードでは、一般的に検索数の多いキーワードは検索意図が広く曖昧なのでコンバージョンに繋がりにくく、反対にロングテールキーワードに該当するキーワードは求める情報が絞り込まれているためコンバージョンに繋がりやすいとも言われています。マーケティングの一環としてSEOを実施する以上、コンバージョンに繋がりやすいロングテールキーワードに対策余地があるのであれば、KPIである自然検索経由の流入増加への期待効果が小さくてもその施策優先度は高いと言えます。

(図4:検索キーワードの種類と検索数のイメージ)

 

施策を実施するにあたり、コンバージョンとの関連性を意識するのは当たり前と思われるかもしれませんが、以下のような背景から検索数の大きいキーワードから機械的にSEOをおこなっている企業は少なくないように思います。

・コンバージョンを意識して施策優先度を決めるには、商品や検索者の深い理解が必要になる
・定量的にキーワードとコンバージョンとの関連性を示すのは難しい
・KPIが自然検索経由流入増加のため、SEO担当者のモチベーションがコンバージョン増加に向きにくい

また、事業内容によっては図4の例と異なり、コンバージョンにつながるキーワードほど検索数が大きく上位表示難易度が高いケースもありえます。流入を期待するキーワード群の検索意図を考慮せずに検索数のみで施策方針を決めてしまうと、本質的なビジネス目標の達成につながらない可能性があることを認識しておきましょう。

以上の理由から、SEOでは自然検索経由流入を増やすという目標と、自然検索経由で流入した訪問者のコンバージョンを増やすという目標の2軸で評価することを推奨します。これにより、KGIへの貢献が期待できる施策から進めやすくなります。あわせて、SEOの施策立案時にはコンバージョンへの寄与度を考慮するプロセスを含めると良いでしょう。

まとめ

SEOを実施する際には、まずはKGIをベースとしたKPIツリーを作成し定量目標を定めましょう。ただ、この定量目標だけにとらわれてしまうとKGIの達成に繋がりにくくなるケースも起こりえます。SEO施策ごとにKGIへの関与度を検討するプロセスを業務に含めて進行することを推奨します。

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SEOコンサルティングサービス

この記事の著者

増渕 佑美

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタントとして従事。ソリューション部署に所属。通販や人材などデータベース型サイトを中心に経験を積んでおり、現在はメディアサイトのSEOも担当し幅を広げている。
好きなこと:散歩、パズル、動物の動画をみること

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタント...

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