デジタル時代のテレビCMプランニングとは?運用型テレビCM『科学するテレビCM』ウェビナーレポート

2022.01.24

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アイレップ TEAM JAZZ が提供するソリューション「運用型テレビCM『科学するテレビCM』」の解説ウェビナーを5回にわたって開催しました。本記事では、そのウェビナーレポートをお届けします。

ウェビナーは、運用型テレビCM推進チームを率いる冨田と本事業に注力するメンバーが講師を務めました。前半では運用型広告を強みとするアイレップがテレビCMを提供し始めた背景を説明し、後半では科学するテレビCMの3つの要素「クリエイティブ制作」「メディアプランニング」「効果測定」について紹介しました。

「運用型テレビCM」とは

「運用型テレビCM」とは、デジタル広告のようにテレビCMを「運用」することを指します。デジタル広告ではディスプレイ型とリスティング型といった広告の出稿・配信・媒体掲載等において、各サービス事業者等が提供する管理画面を用いる運用型広告が主流です。この考え方をテレビCMに適用し、分析プラットフォームを用いて放映枠やクリエイティブ素材の最適化をすることで効果を最大化するのが「運用型テレビCM」です。

アイレップ TEAM JAZZが提供する「科学するテレビCM」

運用型テレビCM「科学するテレビCM」は、デジタル時代のマーケティングを再定義するというミッションのもとアイレップ内で組織されたプロフェッショナル集団「TEAM JAZZ」のソリューションのひとつです。データをもとにPDCAを回し、成果を出し続ける運用型のテレビCMを実現します。独自の分析プラットフォーム「x2(DOUBLE SCORE)」を用いた放映枠の最適化に加え、デジタル広告も含めた広告全体効果の分析とアロケーションまで実施する点が特徴です。

クリエイティブ制作を科学する

CMクリエイティブには目的別の「型」がある

テレビCMはブランド認知、好意度を上げるアッパーファネル動画、検索行動などの行動を喚起するミドルファネル動画の2つに大きく分類されます。今回のウェビナーではサイト訪問やアプリダウンロードにつなげるクリエイティブの型をご紹介しました。目的に応じて、型を使い分けることが確実な成果へとつながります。

(図1:テレビCMの2つの型)

プロトタイピング型テレビCM制作をおこなう意義

テレビCMを全国で放映する場合や首都圏で多量出稿する場合には、放映費が大きくなるため、確実に成果を出すクリエイティブを制作する必要があると考えています。そのためにアイレップでは、調査やYouTubeでの配信、地方エリアでの放映で事前に検証をおこないます。各制作フェーズで分解したクリエイティブの要素をひとつひとつ検証し、本放映素材を制作します。

(図2:プロトタイプ型の制作プロセス)

メディアプランニングを科学する

テレビCMのPDCAサイクル

科学するテレビCMではテストマーケティングを首都圏以外の放映エリアで実施し、その結果を踏まえて首都圏・全国エリアへ展開します。テストマーケティングでは、クリエイティブ素材の検証や放映枠の評価をおこない、本番に向けてブラッシュアップや差し替えを実施します。このプロセスを踏むことで、テレビCMの成功確率を高めます。また、放映枠のプランニングでは、全日型、ヨの字型といった従来の型を活用しつつ、成果データに基づき良い枠の選定をおこないます。

(図3:アイレップのテレビCMのPDCAサイクル)

効果効率の面から最適出稿量を算出

アイレップではテレビCMの出稿量を予算ではなく、効果効率から算出します。例えば指名検索リフトが目的の場合、週次で一定量投下するとリフトしやすいというデータに基づき、出稿GRP(Gross Rating Point:延べ視聴率)を設定します。

(図4:最適出稿量の設定)

テレビCMとデジタル広告の放映・配信戦略

マス広告とデジタル広告の両方を活用し、KPIの最大化を図りたい際、それらの重複接触がキーとなる場合があります。実際に、両方接触したユーザーの方が助成想起、好意度、利用意向が高まるというデータがあります。このパターンでは、デジタル広告を先行して配信し、ターゲットリーチ数を積み上げ、その後にテレビCMを放映することで、テレビCMの成果をさらに高めることができます。

(図5:重複接触を重視したプランニング)

効果測定を科学する

デジタル広告と同じ指標でテレビの成果を可視化

科学するテレビCMでは、テレビCMの効果をデジタル広告と同じ指標で測定することが可能です。これまで、テレビCMは視聴率に基づくデータやアンケート調査等による広告認知で成果を測っていました。しかし、それらの指標だけではデジタル施策を含めたマーケティング施策全体の成果の可視化やビジネス成果への結びつきを把握することができず、テレビCMの評価が曖昧に終わるケースも少なくありません。そのため、科学するテレビCMではサイト流入やアプリインストールなど行動・成果ベースの指標を活用し、効果計測をおこなっています。

(図6:テレビCMの効果を可視化するとは)

独自の分析プラットフォーム「x2(DOUBLE SCORE)」の活用法

x2(DOUBLE SOCRE)」では放映枠ごとのサイト流入数やアプリインストール数などをダッシュボード上で閲覧することができます。また、番組・ジャンル・放送局・CM素材でクロス集計ができるため、素材の割り付けなどにも応用可能です。

(図7:x2とは)

次に、管理画面の機能とクロス集計による分析例を紹介しました。

(図8:x2管理画面の機能)

図8の通り、管理画面で各数値をモニタリングすることができます。ウェビナーでは、3つの主な指標についてご説明しました。

①サイト流入数
・テレビCMを放映したことで自社サイトへの流入がどのくらいあったのか。

②サイト流入数/アクチュアルGRP
・アクチュアルGRPにパーコストを掛け合わせる ことで、コスト効率も算出可能。
・1セッションあたりのコンバージョン率を使えば、CPAも算出できる。

③テレビCM放映枠ランキング
・テレビCM放映枠ごとに、流入数/流入効率 やコスト効率を算出できる。
・行動・成果ベースCM放映枠を評価することができる。

(図9:クロス集計による分析例)

続いてクロス集計による分析例では、図9を用いて解説しました。

④時間帯×曜日別(朝帯)
・流入数と流入数/GRP を比較した際に、朝帯は流入数としては低い値だが、コスト効率としては、成績が良い。
・ゾーニングや線引きの際に同コスト帯の昼より朝に寄せるプランニングへ改案する。

⑤時間帯×曜日別(夜帯)
・④とは反対に流入の数は稼げるが、コスト効率を見ると良くない。
・A帯の本数調整や、スポットでSASの購入、キャンペーンによってはタイムでの購入も検討。

まとめ

最後に 、クリエイティブ制作・メディアプランニング・効果測定それぞれのポイントを総括しました。

(図10:TEAM JAZZ 科学するテレビCM)

参加された方からいただいたコメント

本ウェビナーに参加いただいたクライアント企業様によるコメントです。

A社
テレビCMは「効果の可視化も難しく、デジタル広告よりも効率的ではない」と決めつけていましたが、検索数やコーザルインパクトで短期&長期(全期間+残存)の両軸で効果検証ができるのであれば、一度トライしたいと思いました。また、動画制作案件が最近多くなってきている中で、なんとなく「ロゴを見せて、商品メリットを伝えて、最後にCTA」という構成でどの動画も考えていたが、問題提起型・プロダクトデモ型・スレートオファー型の3つの中でどれが適しているか?を考えることで、制作時に構成を考えやすくなりました。テレビCMだけではなく、WEB動画としても使える知識を伺えて勉強になりました。

B社
スタートアップ企業にとって、マスへの認知拡大のタイミングはいつか実現したい事。全国ネットでなく、エリアや番組枠を限定して、自ら運用しながらテレビCMをスタートできるのは、とても魅力的なスキーム。また、制作面においても、経験値のある制作チームに依頼できるだけでなく、制作費を最小限に抑えながら最適化を図れる点が、中長期で運用する上で安心できてとても良い。

ご案内

お問い合わせ先
テレビCMのクリエイティブ制作、メディアプランニング、効果測定についてのご相談は下記のお問い合わせフォームから受け付けております。ご相談内容「3.科学するTVCMに関するご相談」にチェックを入れてください。

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この記事の著者

DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、株式会社Hakuhodo DY ONEが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。

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