【第1回】Search Ads 360 活用講座 リスティング広告アカウントの一元管理を実現!自動入札活用による成果改善事例のご紹介
Google マーケティングプラットフォームのひとつであるSearch Ads 360についての概要・機能や特徴を導入事例も交えて、数回に分けてご紹介していきます。第1回の本記事ではSearch Ads 360の自動入札ツールとしての特徴にフォーカスし、活用イメージについてお話します。
(1) 自動入札ツール“Search Ads 360”
みなさんは自動入札ツールという言葉を耳にしたことがありますか。 自動入札ツールはリスティング広告の業務効率化と運用の最適化を目的としたツールです。具体的には、Yahoo!広告やGoogle 広告 に代表されるリスティング広告アカウントを一元管理し、キーワードの自動入札単価最適までおこなう、管理と成果の両軸を実現するツールです。今回のテーマであるSearch Ads 360はその自動入札ツールのひとつです。
Yahoo!広告が提供するAPIやGoogle 広告が提供するAPIとSearch Ads 360は連携可能なので、Yahoo!広告や Google 広告の管理画面で活用中のリスティング広告アカウントをそのままSearch Ads 360に反映し一元管理することができます。
(図1:Search Ads 360の構造と仕組み)
API連携を行うことでSearch Ads 360の管理画面上でYahoo!広告とGoogle 広告のリスティング広告アカウントを一元管理することができます。
(図2:Search Ads 360の管理画面)
参考:自動入札機能とは?
リスティング広告とはユーザーが検索したキーワード(検索クエリ)に連動して検索結果ページに掲載されるテキスト広告ですが、広告の掲載はどのように決定しているかご存じですか?実はオークション形式で広告の掲載(掲載順位含む)を決定します。
オークションは以下(図3)3つの要素を組み合わせて勝敗が決まり広告の掲載が決定します。
(図3:リスティング広告の掲載順位の決まり方)
「入札価格」はオークションの勝敗を決する重要な要素です。そして自動入札機能とは、目標に応じて自動で検索連動型広告の入札単価が設定され、配信を調節してくれる機能のことを指します。つまり、Search Ads 360は、最適な入札価格を自動で算出してくれる機能を搭載しているのです。
(2) 自動入札の歴史とSearch Ads 360の誕生
自動入札ツールは、1998年に登場したGoto.com(のちのOverture)や2002年にGoogleが導入したGoogle アドワーズ広告 (当時)に代表されるクリック課金型の検索連動型広告市場が急速に拡大するのにあわせて、欧米で誕生しました。当初は手動設定型が主流でしたが、2000年代後半になると高度な統計処理を活用した自動入札型が台頭します。
Search Ads 360も例にならい2000年代前半にDoubleClick社によって提供されますが、 2007年Google社がDoubleClick社を買収します。 Google社に買収された当時のツール名はDoubleClick Searchでした。 Google社はDoubleClick Searchを手に入れ、成長著しいリスティング広告の運用管理市場に本格的に参入していきます。2018年にGoogle マーケティングプラットフォームプランドに統合され、 Search Ads 360ヘツール名が変更となりました。
Yahoo!広告やGoogle 広告等リスティング広告プラットフォームが自動入札機能の拡充をおこない、 オークションごとに多角シグナルを用いて最適なキーワード単価を自動で算出する昨今、 自動入札ツールとの棲み分けが難しくなったという声を多く耳にします。 一方で自動入札ツールは自動入札単価機能だけではなく独自機能の開発、 アップデートを随時おこなっており、引き続き業務効率や運用最適をサポートしています。リスティング広告プラットフォームでは実施困難な施策を補完する立場で自動入札ツールの活躍が 今後見込まれています。
(3) Search Ads 360の自動入札機能
ポイント(1):Google 広告とYahoo!広告を横断した入札
実はYahoo!広告やGoogle 広告に代表される媒体の管理画面にも自動入札機能は搭載されています。Search Ads 360の自動入札機能と媒体の自動入札機能の違いは、異なる媒体のデータを横断して自動入札機能を適用することができるという点です。
例えばGoogle 広告の自動入札機能は、Google 広告経由で配信されたリスティング広告をクリックしたユーザーがWebサイトに流入し、Google 広告のコンバージョンタグで計測したデータと、独自のシグナル(ブラウザ/デバイス/地域など)を組み合わせて入札価格を算出します。Yahoo!広告も同様の仕組みです。
一方、Search Ads 360は、独自のコンバージョンタグであるFloodlightタグをWebサイトに実装することで、Google 広告経由のコンバージョンデータとYahoo!広告経由のコンバージョンデータを一緒に蓄積することができます。蓄積されたコンバージョンデータ(CVR含む)はSearch Ads 360の自動入札機能に活用されます。Search Ads 360がGoogle 広告の入札価格を自動で算出する場合はYahoo!広告のコンバージョンデータが加味されますし、Yahoo!広告の入札価格の場合はGoogle 広告のコンバージョンデータを加味します。
(図4:Google 広告やYahoo!広告の自動入札機能のイメージ)
(図5:Search Ads 360の自動入札機能のイメージ)
また従来、Search Ads 360からGoogle 広告・Yahoo!広告などのプラットフォームに対して1日4回の頻度で入札最適化がおこなわれていましたが、Google 広告への入札に関してはパフォーマンス強化によりGoogle 広告スマート入札と同じアルゴリズムを活用し、検索クエリレベルでオークションごとの単価調整が可能になりました(Yahoo!広告などのその他に対しては従来通り1日4回の入札調整)。
ポイント(2):重複コンバージョンの排除
Search Ads 360は重複コンバージョンを排除します。一方でGoogle 広告やYahoo!広告の場合は重複コンバージョンが発生する可能性があります。
例えば、ユーザーがGoogle 広告経由のリスティング広告をクリックし、Webサイトに流入し離脱、2回目はYahoo!広告経由のリスティング広告をクリックし、再びWebサイトに流入し離脱、3回目もYahoo!広告経由でWebサイトに流入しコンバージョンという経路の場合、Google広告は 1回目をラストクリックとみなしコンバージョンが1、Yahoo!広告は3回目のラストクリックに対しコンバージョンが1とそれぞれ媒体間でコンバージョンが重複してしまいます。
Search Ads 360の場合、Floodlightタグによって本来のラストクリックであるYahoo!広告経由のみコンバージョンを計測するため、正しい計測環境が備わっています。正しい計測環境で最適な入札価格を自動で算出してくれるのがSearch Ads 360なのです。
(図6:重複コンバージョンのイメージ)
(4) Search Ads 360導入事例のご紹介
Search Ads 360を導入し、Google 広告・Yahoo!広告のリスティング広告アカウントの一元管理と自動入札活用によって成果が改善したEC業界の事例をご紹介します。
(図7:EC業界Search Ads 360導入事例)
Search Ads 360を導入前はGoogle 広告・Yahoo!広告の各キャンペーンそれぞれに日予算・入札を調整する必要があり、媒体間で一部コンバージョンユーザーの重複が発生している状態でした。
Search Ads 360を導入後、Google 広告・Yahoo!広告を共通のFloodlightタグで管理することで、重複ユーザーを排除したパフォーマンスをモニタリングし、共通の目標を持つ
キャンペーン同士をひとつの入札戦略で最適化が実現しました。結果、分断されていたアカウント同士の一元管理・媒体を横断した自動入札戦略の最適化が実現し、コンバージョン数が増加・CPAが改善した事例です。
(5)まとめ
今回はSearch Ads 360の自動入札ツールとしての特徴と活用事例をご紹介しました。「Search Ads 360の自動入札を活用してみたい!」という方がいらっしゃいましたらアイレップまでお問い合わせください。
次回以降、Search Ads 360のその他機能の詳細を解説していきます。
▼共同執筆者
長内 舟(ソリューションビジネスUnit データドリブンビジネスDivision データドリブンビジネスグループ)
過去に開催したウェビナー動画もこちらのリンクから視聴できますので、ぜひご覧ください。
データドリブンマーケティング施策におけるGMP/GCP活用方法を一挙公開!最新トレンド&事例紹介セミナー
この記事の著者
秋吉 哲也
2014年株式会社アイレップ入社。AdobeやGoogleなどのマーケティングプラットフォームのテクニカル面を担当。現在はデータドリブンマーケティング推進に従事。
趣味:映画鑑賞、サッカー鑑賞
2014年株式会社アイレップ入社。AdobeやGoogleな...
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