【第3回】Search Ads 360活用講座 リテール業界必見!フィードを活用し工数大幅削減が実現「在庫連動キャンペーン」のご紹介
前回は、Search Ads 360の独自機能「数式列」と数式列機能活用の要となる独自のコンバージョンタグ「Floodlightタグ」についてご紹介しました。
第3回にあたる今回は、Search Ads 360のリテール業界向け機能「在庫連動キャンペーン」ついて、活用事例も交えて紹介していきます。在庫連動キャンペーンを活用すれば、フィードひとつでリスティング広告出稿に必要な配信構造の自動生成が実現し、作業工数を大幅に削減することが可能になります。
リテール業界におけるリスティング広告のよくある課題
リスティング広告の運用において、商品数が膨大なリテール業界の場合、商品の在庫に連動した広告出稿・掲載内容の管理に膨大な時間を要することも少なくはありません。商品数が多く、在庫の入れ替わりも頻繁で、日々の業務が広告の入稿作業だけで終わってしまう…。本来であれば出稿キーワードやクリエイティブ精査に時間を使いたいのに、とてもじゃないけど工数的に難しい…。そんな声をよく耳にします。
在庫に連動して広告を管理しきれなかった結果、獲得機会の損失や広告の無駄打ちが発生し、費用対効果が悪化してしまうケースもあります。商品数が膨大なリテール業界のリスティング広告の運用において
・在庫と広告を正確に管理すること(正確性)
・膨大な商品数すべてに対応した広告を出稿すること(網羅性)
・在庫のアップデートに応じて広告を更新すること(更新性)
の3要素すべてを担保・維持していくことは、もはや人間の手では不可能に近いといえます。
Search Ads 360リテール業界向け機能「在庫連動キャンペーン」のご紹介
前段のようなお悩みを、Search Ads 360リテール業界向けのメイン機能である「在庫連動キャンペーン」を活用することで解決することができます。膨大な在庫を正確に網羅したうえで、最新情報を反映させた広告出稿の自動化が実現し、獲得機会の損失や広告の無駄打ちを未然に防止することが可能です。
在庫連動キャンペーンとは、Search Ads 360が在庫フィードのデータをもとに、リスティング広告出稿に必要な配信構造(キャンペーン・広告グループ・広告・キーワード)を自動的に生成する機能です。フィード情報を更新するだけで生成したキャンペーンなどの各コンポーネントも自動更新されるため、広告主は媒体管理画面で追加の入稿作業を一切おこなわずに最新情報を広告に反映させることができます。
ここからは、在庫連動キャンペーンの詳細について説明していきます。在庫連動キャンペーンは、在庫フィードがあれば主に以下の3つを自動的におこなうことができます(図1)。
(図1:Search Ads 360 在庫連動キャンペーン3つのポイント)
キャンペーン自動生成
ひとつ目は前述の通りですが、在庫フィードのデータとSearch Ads 360で設定した自動生成ルールに従って、キャンペーンを自動生成し、常にアップデートすることができます。対応地域や商品数などが膨大にある場合でも、フィード更新するだけですべての情報をキーワードや広告に反映させることできるため、今まで管理しきれなかったロングテールキーワードの自動生成が実現し、効率よくキーワードのカバレッジを広げ、獲得数の増加が見込めます。
キーワードのオン・オフ管理
ふたつ目に、フィード情報の在庫の追加・削除に応じたキーワードの作成・一時停止作業の自動化が実現します。在庫がなくなってしまった商品の広告出稿を自動で停止し、費用対効果の悪化を未然に防止することが可能です。
広告文のカスタマイズ
3つ目に、カスタマイズした在庫情報を柔軟に広告文に反映することも可能です。広告文の生成ルールには関数も利用可能で、例えば、MIN関数やMAX関数を使って広告グループ内で一番安い、または一番高い値段を広告訴求に反映したり、IF関数を使って特定の値が○○以上の時に、広告訴求を××に変更するなど、高度なカスタマイズが可能になります。
以上はGoogle 広告でも再現可能な機能もありますが、Search Ads 360の在庫連動キャンペーンはフィードひとつ実現できるということがポイントです。
「在庫連動キャンペーン」自動生成の流れ
在庫連動キャンペーン自動生成までの一連の流れを、総合ファッションECサイトの在庫フィードを例(図2)に説明します。
(図2:在庫連動キャンペーン自動生成の流れ)
① 在庫フィードを用意
在庫フィードを用意し、Search Ads 360と連携します(フィードの連携~広告配信までのプロセスについては次のパートで説明します)。
② Search Ads 360で自動生成ルールを設定
Search Ads 360でキャンペーン構造の自動生成ルールを設定します。図の例では、大カテゴリである[category]の粒度でキャンペーンを生成し、小カテゴリである[category2]の粒度で広告グループを生成。キーワードはブランド名([brand])や小カテゴリ([category2])と「購入」「通販」などのキーワードを組み合わせて生成。広告文はブランド名([brand])・小カテゴリ([category2])・商品価格([price])が挿入される条件を設定しています。
③ 自動生成結果
自動生成ルールにもとづいて生成されたキャンペーン構造の例です。
以上が在庫連動キャンペーン自動生成までの一連の流れです。
「在庫連動キャンペーン」配信プロセス
次に、在庫フィードの連携~広告配信までのプロセスについて説明します。主に、以下(図3)の3STEPで実装が可能ですが、STEP1のSearch Ads 360と在庫フィードの連携前に以下の3点をおさえておくことが重要です。
(1) どんな広告を配信したいのか決定する
(2) (1)を作成するための自動生成ルール(テンプレート)を策定する
(3) (1)(2)を作成するために必要な情報が網羅されているフィード作成を作成する
在庫フィードが完成したら、完成した在庫フィードをSearch Ads 360に連携し、広告配信をおこないます。
(図3:在庫連動キャンペーン配信プロセス)
STEP1
完成した在庫フィードをGoogleが確認し、フィードを Search Ads 360に連携・設定する作業をおこないます。
STEP2
Search Ads 360でキャンペーン構造の自動生成ルールを設定します。
STEP3
Search Ads 360で作成された在庫連動キャンペーンはAPI経由で各検索広告の配信プラットフォームに送信され、広告が配信されます。配信後は、Google Merchant Center の [診断] タブやSearch Ads 360管理画面でエラーが出ていないかモニタリングをおこないます。
以上が、在庫フィードの連携~広告配信までの一連のプロセスです。
Search Ads 360「在庫連動キャンペーン」活用事例のご紹介
最後に、Search Ads 360在庫連動キャンペーンを活用したリテール業界の事例を紹介します。
SA360の在庫連動機能で手動で管理していた商品ごとの配信構造を自動生成し、在庫がない商品の広告出稿は自動で停止。結果、費用対効果の改善と作業工数の大幅削減に成功した事例。
(図4:リテール業界Search Ads 360在庫連動キャンペーン活用事例)
広告主はコンタクトレンズの通信販売事業をおこなっており、コンタクトレンズは度数・使い捨ての期間・素材・形などバリエーションが多岐にわたるため、在庫状況に連動した広告出稿ができていないという課題がありました。そのため、獲得機会の損失や広告の無駄打ちが発生し、広告の費用対効果が低い状態が続いていました。
その解決策としてSearch Ads 360在庫連動キャンペーンを活用して、今まで手動で管理していた在庫ごとの配信構造を自動生成し、在庫に応じて広告出稿を自動で停止・再開することが可能になりました。結果、費用対効果が改善し、作業工数の大幅削減に成功した事例です。
まとめ
今回はSearch Ads 360のリテール業界向け機能「在庫連動キャンペーン」ついてご紹介しました。当社では、Search Ads 360の導入はもちろん、在庫フィードの作成~リスティング広告の運用まで一気通貫してサポートすることが可能です。「Search Ads 360の在庫連動キャンペーンを活用してみたい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひアイレップまでお問い合わせください。
次回以降も、Search Ads 360のその他機能の詳細を解説していきます。
▼共同執筆者
秋吉 哲也(ソリューションビジネスUnit データドリブンビジネスDivision データドリブンビジネスグループ)
宮﨑 優(ソリューションビジネスUnit データドリブンビジネスDivision データドリブンビジネスグループ)
過去に開催したウェビナー動画もこちらのリンクから視聴できますので、ぜひご覧ください。
この記事の著者
DIGIFUL編集部
「DIGIFUL(デジフル)」は、株式会社Hakuhodo DY ONEが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。
当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。
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