生活者の興味関心を育み、情報収集、好意形成、行動喚起、そして購買へと橋渡しをしていくミドルファネル施策の重要性が増しています。アイレップでは、従来は難しいとされてきたミドルファネル施策の数値化・可視化を推進するソリューションを複数開発しています。本稿では、ミドルファネル施策に取り組む担当者に、ミドルファネル施策の重要性とソリューションの概要を聞きました。
ミドルファネル攻略の最大のポイントは、認知施策と獲得施策の連携・融合
- 一般的に、ミドルファネル施策をおこなう際の課題を教えてください。
米田
われわれにミドルファネル施策を依頼されるクライアント企業のご要望の多くは、ロワーファネル(ボトムファネル)施策をやりきってしまったため、次の段階の施策として認知と購買をつなぐミドルファネル施策を実施したい、というものがほとんどです。
ミドルファネル施策には、製品やサービスを認知した顧客の興味関心や利用意向を高めて、獲得までつなげていくというコミュニケーションが求められます。しかし、そうした施策をおこなうにあたってひとつネックとなるのが、獲得施策と比べて可視化・数値化が難しいということです。
実際、認知施策で新規顧客を開拓しつつ、同時に獲得につながる施策もやりたい、認知施策をやっているけれども、これが獲得につながっているか全然分からない、とお悩みのクライアント企業は非常に多くいらっしゃいます。
ミドルファネル攻略の最大のポイントは、認知施策と獲得施策の連携・融合です。この2つをブリッジさせながら、きちんと成果に落とし込んでいくことが、アイレップのミドルファネル攻略の基本的な考え方となります。
ミドルファネルを「科学する」とは?
- アイレップの考えるミドルファネル攻略法を教えてください。
米田
われわれのミドルファネル攻略のメインは動画施策です。YouTube広告、SNSでの動画による広告コミュニケーションを中心に設計しています。その際に大事にしているのが、「クライアントに賭けをさせない、失敗させない」ということです。ミドルファネルにおける生活者の行動を可視化・数値化することで、成功確率を上げるプロセスを「科学する」と呼んでいます。
もはや、ただ面白いだけの動画を作ってバズって終わり、ではダメです。「面白い」を行動喚起につなげ、行動を可視化・数値化し、改善していくことが「科学」であり、われわれの目指すミドルファネル攻略法です。従来の動画制作に科学するためのテクニックやプロセスを組み込み、PDCA全体をソリューション化して提供するのが、アイレップが掲げるミドルファネル戦略となります。
- 具体的には、どのようなテクニックやプロセスが追加されているのでしょうか?
米田
いくつかありますが、今回は2つ紹介します。1つ目は「Made for Media」。メディアごとに最適化された動画制作のプロセスの総称です。2つ目は「VOOST(ブースト)」。社内で運用型動画と呼んでいるプロセスをソリューション化したもので、動画制作においてこれまで感覚に頼ってきた部分にもデジタルの測定方法を導入したものです。
Made for MediaもVOOSTも、アイレップがこれまでに蓄積してきたデータをもとに動画制作を型化したものです。それに加えて、AIヒートマップのような最新テクノロジーをベースとしたツールを活用しながら、「失敗」のないミドルファネル攻略の動画施策を実現します。
メディア視点で、メディアごとに最適な動画を作るMade for Media
- Made for Mediaはどのようなソリューションか、詳しく教えてください。
米田
先ほど、「メディアごとに最適化された動画制作のプロセスの総称」と説明しましたが、それと同時に、「メディア視点で、メディアごとに最適な動画を作る」という、アイレップの動画制作における基本姿勢を概念化したものでもあります。
- Made for Mediaが開発された背景は?
吉田
現在、動画コンテンツの消費スピードは急速に上がっています。例えば若年層においては、YouTubeコンテンツは1.5倍速で見るのが当たり前。自分に関係のない/興味のないコンテンツには、1秒たりとも時間を使いたくないと思っているのがマジョリティと認識すべきでしょう。
また、「1秒が勝負」の世界線の中で、プラットフォームごとにユーザーに刺さる動画のポイントは異なります。だからこそ、メディアの特徴を踏まえてそれぞれに最適化した動画広告制作が必要なのです。
- メディアごとの最適化はどのように進めていますか?
吉田
メディアごとのユーザー属性、視聴態度などから、ターゲットの好む要素を分析し、企画の構成・演出・キャスティングを変えることで、クリエイティブとメディアを両軸でハックします。その際に、これまではなんとなく経験や勘で決めていたところを、データを参考に決めていくこともMade for Mediaの特徴です。実際、認知だけでなく、行動喚起までつながる成果が出てきています。また、データをベースとした制作スタイルは、A/Bテストをおこなう回数を減らせるため、時間と予算の節約にもなります。
認知と獲得をブリッジさせながら、行動を喚起するVOOST
- VOOSTはどのようなソリューションか、詳しく教えてください。
米田
VOOSTとは、ミドルファネル攻略のための動画配信において、認知と獲得をブリッジさせながら、行動喚起するためのソリューションです。
具体的には、ユーザーが動画を見て「いいな」と思ったらLPに飛ぶ、もしくは、検索してECサイトに行く、実店舗に行くといった行動を喚起するための運用型動画を制作します。
VOOSTの核になるのは、われわれが蓄積してきた膨大な「型」です。商材ごとに効果のあった企画・構成・配信・成果のデータを「型」として保有しており、その「型」をテンプレートとして使います。また、商材ごとのコミュニケーション知見も多数保有しており、そこにプランナーの企画力を掛け合わせて、動画を制作していきます。
- VOOSTは運用型動画とのことですが、ということはPDCAも念頭に置いた動画制作をするということでしょうか?
米田
そうですね。配信した成果を踏まえてチューニングしていくのもVOOSTの特徴です。例えば、動画のあるタイミングで視聴率が下がっていることがわかったら、動画を1秒ずつ区切り、企画の絵コンテと見比べたうえで、明確な分析と改善案を提示することができます。
今まで感覚的・右脳的に取り組んでいた動画制作を、左脳も駆使してやっていくというのがVOOSTの真価です。数値化は安心感につながりますし、経営層への報告もスムーズにおこなえるので、クライアントの担当者の方には特に喜ばれています。
米田
ミドルファネル施策で獲得につなげるには、行動喚起が必要です。ただ、動画を視聴したユーザーのすべてが行動を起こすわけではありません。行動喚起できなかったユーザーは、同じ動画で好意形成を促進しておくことで、長期的に見ると獲得効率の向上につながります。
吉田
ブランド想起や好意度といった間接指標は、コンバージョンにも相関があるというデータが出ています。そこで、ミドルファネル施策においては、好意形成も意識することが成果最大化にもつながることを、クライアントの皆様にも説明しています。
例えばYouTube広告であれば、たとえ5秒でスキップされたとしても、その5秒の間にしっかりブランドに対する良いイメージを持ってもらえれば、十分好意形成を促進できます。なんとなく好き、気になるといった、ユーザーの心を動かすような仕掛けを作っていくのが、VOOSTであり、Made for Mediaです。
ミドルファネルを科学的に攻略し、失敗のない動画施策を
- これからミドルファネル攻略に、動画を活用したいと考えているクライアント担当者に向けて、メッセージをお願いします。
米田
「認知の施策を実施しているけれども、獲得につながるような成果が可視化できていない」「獲得最適化の次のフェーズとして、ミドルファネルから獲得への効率を高めたい」といった課題を解決するソリューションと実績が、アイレップにはあります。科学的な方法により、失敗しない施策で成果を上げられるご提案をさせていただきます。
吉田
今はブランド寄りの施策でも、目標数値を掲げることが多いと思います。今回紹介したVOOST、Made for Mediaは、獲得施策だけでなく、ブランド寄りの施策でも対応可能です。成果に紐付けしてレポーティングするなど、成果をクリアに可視化できるところはもちろん、クリエイティブに関しても、獲得効率を優先したインパクト重視ではなく、ブランドの世界観を生かしたデザインを得意としています。ぜひお気軽にご相談ください。
この記事の著者
米田 雄史
広告映像制作会社を経て、アイレップに入社。 映像制作会社ではプランナー・プロジェクトマネージャーとして、CM、MV、Web広告動画を中心に制作を経験。その後、アイレップにてプランナーに転進後、その経験を生かし、Web動画を中心とした動画広告の プランニングに従事。科学するテレビCMプロジェクトに参画し、テレビCM企画まで幅を広げ、デジタルからマスまでの動画広告プランニングを得意とする。
広告映像制作会社を経て、アイレップに入社。 映像制作会社では...
吉田 真央
2015年にアイレップ入社。アカウントプランナーとして東京・大阪二拠点でデジタル領域のプランニングを経験。その後コピーライターとしてプロトタイプ型のCM企画、メディア文脈に沿ったクリエイティブ制作、キャンペーンのコンセプト開発などを手掛ける。
2015年にアイレップ入社。アカウントプランナーとして東京・...
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