【アプリ担当者必見!】Cookieレス時代に活用したいフィードを使ったFacebookアプリ自動広告とは?
近年、Apple社の新たなガイドラインとしてiOSユーザーへのアプリのトラッキング規制が進み、アプリ広告の成果改善に悩まれる企業が増えています。今回はその打ち手の一つとしてアイレップで実施した、Facebook・Instagramにおけるアプリの自動広告×ダイナミック広告の成功事例についてお伝えします。
iOSユーザーへのアプリのトラッキング規制
昨今ではApple社を筆頭に、生活者のプライバシー保護の観点から第三者によるCookie※1やIDFA※2の利用にルールや規制を設ける動きが出てきています。2021年にリリースされたiOS14.5以上のユーザーにおいては、ATT(App Tracking Transparency)が導入されました。
ATTとは、主にIDFAを利用したユーザートラッキングに関するApple社の新たなプライバシー保護のガイドラインで、アプリトラッキングにユーザーの許諾が必須となるため、許諾が取れていないユーザーの計測ができません。そのため、ATTのリリース後、iOSユーザーへ向けた広告配信に苦戦している広告主が増えています。そのような中で、Facebook・Instagramではアプリキャンペーンにおいてより効率的に・より効果が最大化できるよう、自動化によって機械学習を促進するプロダクトをローンチしています。
※1:SafariやChromeなどのWebブラウザに保存される情報。Cookieレスに関する記事はこちら
※2:iOSスマートフォンから収集しているモバイル広告ID。Androidの場合はAAID
Facebook・Instagramにおけるアプリの自動広告とは?
2020年9月に、Facebook・Instagramにおいてアプリの自動広告(通称AAA:Automated App Ads)がローンチされました。AAAとは、アプリ広告キャンペーンを効率的に作成しシンプルな配信構造・設定でパフォーマンスを最大化するプロダクトです。通常の手動アプリキャンペーンで設定する詳細なターゲティングや配信面などは指定せず、Facebookの自動最適化に任せ、機械学習を促進する配信方法です。広告部分に関しては、最大50点設定できるクリエイティブ要素と、複数のテキスト要素をユーザーごとに組み合わせて広告を自動生成し配信します。
(図1:通常手動アプリキャンペーンとAAAの違い)
AAAとダイナミック広告連携でできるようになったこと
2021年8月には、AAAでダイナミック広告が連携できるアップデートがありました。これにより、フィードがある場合は最大50本のクリエイティブ要素を設定・差し替えを手動でおこなう必要がなくなり、商品カタログからクリエイティブを自動で掲出できるようになりました。
実績から見るAAA×ダイナミック広告成果
アップデート後1か月の間に、AAAとダイナミック広告連携の機能を活用したECコマース企業の事例をお伝えします。
フィードのデータ活用によりCPIを58%抑制させた事例
アパレルECのクライアント企業A社のAAAからAAA×ダイナミック広告へ切り替えた成果改善事例を紹介します。元々AAAをすでに活用済みでしたが、以下の課題がありました。
課題1:クリエイティブ数が少なくCTR(クリック率)低下
新たなクリエイティブ制作ができなかったため、クリエイティブの差し替えがなかなかできていない状況でした。また元々実施していたAAAでも設定クリエイティブ本数が10本と少なかったため、徐々にCTRが低下傾向にありました。AAAにおける媒体推奨のクリエイティブ本数は20本以上(設定本数はパフォーマンス最大化のためにより多く設定する方が良い)とされており、推奨設定本数と大きく差がある状態です。
課題2:ATT影響によるiOSのCPI(インストール獲得単価)高騰
2021年5月のATTリリースにより、特にiOSのCPIが高騰傾向にありました。これは前述した通り、ユーザー許諾が取れていないユーザーの計測ができなくなったことが大きく影響しています。
これらの課題に対し、アイレップではAAAとダイナミック広告が連携可能になったことにより、商品カタログからクリエイティブが掲出されることでクリエイティブの枯れを防ぐことができるのではないかと考えました。AAA×ダイナミック広告に変更後は、4,000点以上の豊富な商品数が内包されている商品カタログ内からクリエイティブが掲出されたことにより、前後比較でCTRは+208%上昇しました。また、自動化によりインストール獲得率も改善し、特にiOSのCPIはATTリリース前のCPI水準にまで改善することができました。
(図2:AAAからAAA×ダイナミック広告へ切り替えた実績)
この結果から、クリエイティブがなかなか制作できない場合でも、フィードを所有している場合はAAA×ダイナミック広告の活用がおすすめです。
AAAの活用によりCPIを28%抑制させた事例
ECサイトを運営するクライアント企業B社の成果改善事例を紹介します。こちらは通常の手動アプリキャンペーン×ダイナミック広告とAAA×ダイナミック広告を比較した事例です。先程の事例とは異なり、フィードを活用したダイナミック広告は元々活用していましたが、AAAの活用は初めてでした。ATTのリリース後、iOSユーザーの新規インストール数が苦戦しており、CPIが約200%上昇していました。そこで今回、AAA×ダイナミック広告を導入しA/Bテストをおこなったところ、AAA×ダイナミック広告でリーチとCVR(インストール獲得率)が改善し、CPIも-28%改善しました。
(図3:手動アプリインストール目的×ダイナミック広告と比較したAAA×ダイナミック広告の実績)
既存の手動アプリインストールキャンペーンと同ターゲティング(ターゲティング指定なし)であるにもかかわらず、AAA×ダイナミック広告活用で成果改善したことで、AAAの自動化精度の高さが見えました。この事例から、AAAの活用でリーチをひろげながらインストール獲得率の改善に至ったことは、Cookieレス時代において大きな成果だと考えています。
まとめ
本記事では、iOSユーザーへのアプリのトラッキング規制が進む中で、その打ち手にもなりえるFacebook・Instagramのアプリの自動広告×ダイナミック広告ついて紹介しました。AAA×ダイナミック広告の活用は、フィードを所有している広告主に限られますが、アプリとフィードを両方お持ちの場合は活用いただくことを推奨します。特にEコマース企業においては、アプリインストールキャンペーンを効率的に拡大できるプロダクトではないでしょうか。
フィードがない場合でも、アプリプロモーションを実施している場合や、ATT影響を受けiOSのインストール数が減少している場合は、ぜひAAAの導入トライアルをご検討ください。
本記事へのご意見・ご感想や、ご質問・お悩み等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
この記事の著者
岡村 結
2016年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社中途入社。2018年より株式会社アイレップに出向。入社以来、ソーシャル領域の広告運用やプランニングに従事。アパレルECや学習塾、金融、通販など幅広い業種のクライアントを担当。
趣味:映画・ドラマ鑑賞、カメラ、カフェ巡り
最近はまっていること:おいしい固めプリンのあるカフェに行くこと
2016年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会...
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