重複コンテンツは存在するだけで検索結果に表示されにくくなる、というような誤解を持っている方が稀にいらっしゃいますが、悪意を持って生成されたものでなければ、通常は検索結果に表示されにくくなるような厳しい対応を受けることはありません。本記事では、こういった誤解が生まれる背景や重複コンテンツが生成される場合の対処方法を解説します。
重複コンテンツとは?
重複コンテンツとは、「ドメイン内または複数ドメインにまたがって存在する、同じ言語の他のコンテンツと完全に同じであるか非常によく似たコンテンツのブロック」を指します。
参考:重複するコンテンツを避ける | Google 検索セントラル | Google Developers
検索結果に同一もしくは非常に似たページが複数表示されると検索者の利便性を低下させるため、Googleは固有の情報を持つページをインデックスして検索結果に表示するようにしています。つまり、重複したコンテンツのURL群があった場合には、通常ひとつのURLのみが正規URLとしてインデックスされることになります。
(図1:重複コンテンツが複数あった場合にひとつのURLのみがインデックスされるイメージ)
重複コンテンツがあると検索結果に表示されなくなるという誤解
稀に、サイト運営上仕方なく重複コンテンツを生成する必要があるが、これによりGoogleから手動による対策を受けて、検索結果に表示されなくなったり検索順位が下がったりするのではないか、という相談を受けることがあります。
確かに、Googleは「検索エンジンのランキング操作やトラフィックの増大を意図して」重複コンテンツを生成している場合には、手動による対策として検索結果から該当するWebサイトを除外することがあります。しかしそのような意図なく妥当に生成される重複コンテンツは、この対象にはなりません。誤解をされている方はこれらが混同し、重複コンテンツ全般が存在するだけでネガティブなもの、と認識してしまうことがあるのかもしれません。
まっとうにサイト運営をするなかで生成される重複コンテンツであればGoogleから厳しい対応を受けることはないと認識しておきましょう。
それでも少ない方がいい重複コンテンツ
重複コンテンツが存在してもGoogleから厳しい対応を受けることはありませんが、少しでも検索エンジンとの親和性を高めたい場合には、サイト運営者が正規URLをGoogleに明示的に伝えたほうが良いのは事実です。それには以下のような理由があります。
・検索結果でユーザーに表示したいURLを指定できる
・検索エンジンが重複コンテンツ間のリンクのシグナルを1ページに統合できる
・重複ページ群のトラッキング指標を単純化できる
・シンジケーションコンテンツの管理ができる
・重複ページのクロールに要する時間を削減できる
参考:重複したURLを正規URLに統合する | Google 検索セントラル | Google Developers
重複コンテンツの具体的な例と対処法
重複コンテンツの生成が必要な場面はさまざまですが、本章ではよくある重複コンテンツと対処法の例をいくつかご紹介します。自社のWebサイトに該当するケースがあり、対処をおこなっていない場合は対応を検討してみてください。
さまざまな種類のデバイスに対応するために、複数のURLを用意している
PC用ページとモバイル用ページでURLを分けているケースなどが該当します。
・URL例
https://example.com/news/koala-rampage(PC用ページ)
https://m.example.com/news/koala-rampage(モバイル用ページ)
・対処法
別々のURLではなく、レスポンシブウェブデザインもしくは動的な配信で対応することにより、一意のURLで運営することができます。
(図2:モバイルサイトを実装する3つの方法)
参照元:モバイル設定を選択する | 検索セントラル | Google Developers
別々のURLで対応する場合は、パソコン用URLとモバイル用URLでアノテーションを指定します。
参考:別々のURL | 検索セントラル | Google Developers
検索パラメータやセッションIDなどで動的URLを利用している
URL末尾にパラメータを付与しているケースが該当します。一般的には、重複する静的なURLと動的なURLがある場合、静的なURLへ正規化します。
・URL例
https://www.example.com/products?category=dresses&color=green
https://www.example.com/dresses/green/greendress.html
・対処法
インデックスさせたい正規URLに向けてそのほかのURLから正規化処理をおこないます。正規化の方法は複数あるため自社のWebサイトに最適な方法を選びましょう。
参考:重複したURLを正規URLに統合する | Google 検索セントラル | Google Developers
詳細ページを複数カテゴリに含めており、カテゴリを示す文字列を含むURLルールで運用している
通販サイトの商品詳細ページやブログサイトの記事ページなどを、複数のカテゴリに含めると生成される場合があります。
・URL例
https://blog.example.com/dresses/green-dresses-are-awesome/
https://blog.example.com/green-things/green-dresses-are-awesome/
・対処法
カテゴリを示す文字列を含めないURLルールで運用することにより、一意のURLで運営することができます。利用しているシステムの都合などで別々のURLで対応する必要がある場合は、正規URLを決め、そちらに向けて正規化処理をおこなうことを検討しましょう。
別ドメインのWebサイトにコンテンツ提供している
自社のWebサイトで公開している記事をシンジケーション用に別ドメインのWebサイトにも提供しているケースです。
・URL例
https://example2.com/green-dresses-for-every-day-155672.html(提供先のページ)
https://example.com/dresses/green-dresses-are-awesome/3245/(元のページ)
・対処法
元のページと、提供先のページの関係性を検索エンジンに伝えられるよう、提供先のページから元のページへリンクを設置することが推奨されています。しかし、正規URLの選択はGoogleの判断にゆだねられるため、シンジケートは慎重におこなう必要があります。どうしても元のページを検索結果に表示したい場合は、提供先のページにnoindexタグを含めるよう依頼するという手段もあります。
まとめ
存在するだけでペナルティを受けるのでは、と心配されることが多い重複コンテンツですが、悪意を持って生成している場合を除き、Googleから厳しい対応を受けることはありません。とはいえ、少ない方が好ましいというのも事実です。正規化処理の方法は複数ありWebサイトによって最適な方法が異なることもあります。課題をお持ちの場合はアイレップにお問い合わせください。
▼関連資料
この記事の著者
増渕 佑美
2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタントとして従事。ソリューション部署に所属。通販や人材などデータベース型サイトを中心に経験を積んでおり、現在はメディアサイトのSEOも担当し幅を広げている。
好きなこと:散歩、パズル、動物の動画をみること
2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタント...