Instagram ショップ、運営者インタビュー!活用メリット・工夫していることとは?

2021.11.26

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2020年、巣ごもり消費の影響から、通販・EC市場の規模は前年比17%増の13.7兆円(富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」より)と急速に拡大しました。なかでも日本ではInstagramの投稿につけられた製品タグから商品詳細ページへ遷移するユーザーが他国と比較しても多く、商品購入における過程でのInstagramの利用が活発といえるのではないでしょうか。

今回は、Instagramを活用してブランドを運営されている方へインタビューをおこないました。実際に運営する上で気を付けていること、工夫していることなどお話しいただきました。

Instagramのショッピング機能

Instagramショッピングは、Instagramにあるブランドの写真や動画から簡単に買い物ができる機能の総称です。Instagram上の店舗であるショップを開設することが第一ステップとなります。

Instagramショップは、大きく分けて3つの要素で構成されています。まず、商品が一覧になって陳列される「ショップ」、シーズンやサイズなど商品をカテゴリ別にできる「コレクション」、そして、気になった商品の詳細を知ることができる「商品詳細ページ」です。

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このショップに陳列された商品を「商品タグ」として、Instagramの投稿やストーリーズに設置することができるため、投稿をみたユーザーが気になった商品をInstagram内でチェックし、詳細を調べることができます。

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では、Instagramアカウントおよびショップを運営しているブランドはどのような想いを持たれているのでしょうか。またInstagramショップの価値をどのように感じているのでしょうか。実際に運営されている方にインタビューをさせていただきました。

運営者インタビュー「bêtises|ベティーズ」

ブランド、サービスご紹介

Q.まずは、運営されているブランドとサービスについて教えていただけますか。

bêtises (以下、ベティーズ):
はい。ベティーズはキッチンリネンとフラワーのショップです。今年の3月にスタートしたばかりです。

私はパリで3年間ファッションデザイナーとして経験を積み、現在はベティーズのオリジナルキッチンファブリックを制作しています。長く愛用していただけるアイテムを目指して、耐久性の高いリネンの生地を使っています。キッチンリネンのほかに、オリジナルのフラワーアレンジメントや国内外からのセレクトアイテムも取り揃えています。

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Q.どういったコンセプトで運営されているのでしょうか?

ベティーズ:
特に今の時代、家にいる時間が今まで以上に長くなり、改めて自分らしい居心地の良さとは何かが問われている気がします。私たちは【ときめく暮らしをつくる】をミッションに活動しています。

Instagramに店舗を設けた理由

Q.ありがとうございます。次に、Instagramでお店を開こうと思った理由を教えていただけますか?

ベティーズ:
私たちはまずBASEでECサイトをオープンしました。

楽天などのモール型ECは出店料や手数料がかかってしまうので、まずは無料で簡単にお店を開けるBASEを選びました。BASEは、デザインが自由にカスタマイズできてブランディングがしやすい、豊富な機能でさまざまなオプションが付けられるので作る側も買う側も使いやすい、またさまざまな分野のサービスと簡単に連携ができて便利等、使ってみて多くのメリットを感じています。

ただ、やはり一番の問題点は、あくまで自分で集客をしなくてはいけないこと。モール型ECと違い、自分たちで集客しない限り、ECサイトにお客様が訪れることはありません。

私たちはSNSを活用して、お客様との最初の接点を作ろうとしています。特にInstagramはファッションアイテムとの親和性が高いので、新規顧客の一番の流入元となっています。そのため、Instagramショッピングを始めるのは自然の流れでした。

BASEは”Instagram販売App”という機能があり、最初の設定・審査が完了すれば、BASEの商品情報をInstagramに自動同期することができます。その後は、Instagramの投稿に商品のタグ付けをすれば、BASEの商品ページに遷移させることができます。

58522873419_03※Instagramにおける商品タグ付き投稿から、BASEでのサイトへ遷移(実際の遷移図)

Instagramを活用するメリット

Q. 上記を踏まえて、Instagramでお店を開いて感じるメリットはありますか?

ベティーズ:
やはりInstagramの投稿でいいなと思ってくれた貴重なお客様をその場でECサイトに誘導できることは非常に嬉しいことです。Web上やSNS上には情報があふれかえっているため、Instagramの投稿で一瞬出会っただけでは、その情報に戻れなくなってしまいます。いいなと思った瞬間、シームレスにその商品のさらなる詳しい情報を見てもらえることにより、たとえすぐに購入までは結びつかなくとも記憶には残してもらいやすくなると考えています。

まだスタートして4か月ほどですが、Instagramショッピングをスタートしてから、1日100人以上のお客様にECサイトを見ていただけています。

58522873419_04※bêtisesのECサイト 人気TOP10などカテゴリで分けられている。

アカウント運用の上で気を付けていること

Q.ショップに限らず、Instagramのアカウント運用で気を付けていることなどはありますか?

ベティーズ:
Instagramショッピングも、結局はアカウントをフォローしてもらったり、ハッシュタグ検索にヒットしない限り、情報に触れてもらえないので、継続したアカウント運用が重要であり、大変です。

(1)アカウントフィードの美しさ
私たちのブランドは、機能性よりもデザイン性が強みになると思っているので、ビジュアルでの世界観の統一は特に意識しています。1投稿ごとでビジュアルを考えるのではなく、アカウントフィード全体を考慮して、数回分のビジュアルを一気に決めています。

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(2)1投稿内で完結するメッセージ性
アカウントフィード全体を意識することは重要ですが、新しいお客様にアカウントを知ってもらうきっかけはハッシュタグ検索であることが多く、1投稿内に魅力的な内容が簡潔に詰まっていることも大事だと思っています。ひとつの投稿で興味を持つきっかけを生み、アカウントに飛んで世界観に惚れ込む、という流れを作りたいです。

(3)ストーリーズ活用+ハイライト
投稿のお知らせ、リアルタイムな情報発信、お客様のリアルな声のシェアなどは全てストーリーズで配信しています。アカウントフィードの世界観を守りながら、ストーリーズでお客様のためになる情報をこまめに発信しています。ハイライトを活用して、初めてのお客様でもすぐにベティーズのことを理解できて、欲しい情報がみつかる環境づくりも整えたいと思っています。

58522873419_06※ストーリーズも頻繁に活用。アカウントトップにはハイライトがずらり

使い方もそれぞれ工夫しているんです。

  • 投稿をストーリーズでシェアすることで、お客様との接触機会を増やす
  • ハイライトに情報を整理することで、初めての人にも常連さんにも情報をわかりやすく提供する
  • アンケート機能を使うことで、滞在時間をのばす

さらに、ストーリーズで商品タグを付けることで、フォロワーが1万人いなくてもスワイプアップでECサイトに遷移してもらえます。(※仕様はインタビュー当時)

(4)ハッシュタグ
自分のブランドの身の丈にあったハッシュタグをつけることは意識しています。お客様がハッシュタグを検索した時に、なるべく上の方に投稿が掲載される環境を作ることでアカウントへの遷移を増やすことができます。投稿数が多いハッシュタグは検索する人も多いですが、なかなか上の方には表示されないですし、逆に投稿数が少なすぎるハッシュタグは検索する人が少ないので多くの流入は期待できないです。身の丈にあったハッシュタグをきちんと選ぶことは重要かと感じています。

58522873419_07※投稿、アカウントの存在感に合ったハッシュタグが付けられている。

ショップ運営の上で上手くいったこと、嬉しかったこと

Q.すごく工夫されていますね!運営するうえで嬉しかったことなどはありますか?

ベティーズ:
知らないお客様から初めて買っていただけたときはとっても嬉しかったです。知らないブランドや実際に見たことのない商品をECサイトで購入するというのは勇気がいるものだと思います。それにも関わらず、私たちのアイテムを気に入ってくれて、かつショップを信頼して買ってくれるというのは、すごいことだと思います。

また、ECサイトで購入してくださる新規のお客様は、ベティーズが拠点を持つ東京都以外のエリアの方が大半を占めます。ECサイトやInstagramショッピングを通じて、エリアを超えてさまざまなお客様と関われることは非常に嬉しいことです。ベティーズはまだ海外対応していないのですが、海外のお客様も多数ECサイトを見てくださっているようです。

感じている課題、今後への期待

Q.最後に、課題に感じていることや、挑戦してみたいことを教えてください。

ベティーズ:
ブランドやショップのアカウントって、個人アカウントよりフォロワー数の伸びが弱いかなと感じていて、なかなか苦戦しています。

Instagramショッピングの効果もあり、ECサイトを見てもらえる回数はとても増えましたが、購入数を増やすことにはまだまだ課題があります。

機能性が強みの場合、誰にでもわかりやすく他のブランドと差別化がしやすいので、オンラインのコミュニケーションに向いていると思いますが、デザイン性を強みとしたい場合は言葉では伝わりにくく、オンライン上だけで良さを伝えきることがなかなか難しいです。

Amazonや楽天などのモール型ECやクラウドファンディング、TwitterやFacebookなどは言葉による訴求力が強いですが、Instagramのフィードはビジュアルでの訴求力が強いので、デザイン性や世界観を強みとしたいブランドには向いていると思います。

ただ、Instagramにおいても、継続して一貫性のあるコミュニケーションを続けてファンを増やしていくことが重要で、それには結構な体力がかかるなとは思っています。

海外の方にECサイトを見ていただける機会も多いので、今後は世界中から購入いただけるような環境をつくりたいです。BASEでは拡張機能によって海外への発送対応をスムーズにおこなうことができるようで、Instagramの更なるパワーに期待したいな、と思っています!

紹介したbêtises|ベティーズの詳細はこちら
Instagram https://www.instagram.com/betises_jp/
公式HP https://betises.jp
公式オンラインショップ https://shop.betises.jp/

まとめ

今回は、実際にInstagramアカウント・ショップを運営する方にご協力いただき、リアルな声をお届けしました。ECの需要が高まり、もはや生活するうえで欠かせなくなっている昨今において、Instagramもライフラインとして機能すると言っても過言ではありません。

Instagramのコマース領域は、今後も更なるアップデートが期待されます。アカウントはあるけど投稿しかしていない・・という方、まずは、Instagramのショップ機能を活用してみてはいかがでしょうか?

この記事の著者

牧山 実紗

アフィリエイト事業を行う広告代理店にてディレクション・コンサル営業を経て、2019年株式会社アイレップへ入社。メディアプランナーとしてSNS領域を中心に認知領域からダイレクト領域までオフライン広告含む幅広いプランニング・企画立案をおこなう。得意領域はMeta・TikTok・SmartNews。2021年以降、プロジェクトとして広告品質管理PJTでJICDAQ対応やアンチトラッキング対応業務など幅広い業務もおこなっている。

アフィリエイト事業を行う広告代理店にてディレクション・コンサ...

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