Video Action Campaignとは?TrueView for Action の次世代商品を解説
2020年11月、GoogleからVideo Action Campaign(動画アクション キャンペーン)という新しい広告メニューがリリースされました。Video Action Campaignは、YouTubeの広告メニューであるTrueView for Actionの次世代商品に位置づけられ、コンバージョン獲得を促進する動画広告です。Video Action Campaignとはどんなメニューなのか、アイレップの事例も交えて説明します。
1 Video Action Campaignとは
Video Action Campaignは、2020年11月に新しく登場したYouTubeの広告メニューです。動画広告の中でコンバージョンの獲得を促進できるキャンペーンであり、現行の獲得型メニューであるTrueView for Actionの次世代商品として位置づけられています。
2 TrueView for Actionとの違い
2-1.TrueView for Actionとは
TrueView for Actionとは、コンバージョンの獲得を促進できるYouTubeの広告メニューです。一般的に、動画広告は静止画のディスプレイ広告と比べて直接のコンバージョンに結び付きにくい傾向があります。動画広告を実施してみたけれど成果が見えづらかった、という経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。動画広告を出稿しつつも、きちんとコンバージョンに結び付けたい。そんな希望を“機械学習”と“クリックを促すフォーマット”でかなえるのがTrueView for Actionです。
2-2.Video Action Campaign VS TrueView for Action
次世代商品として登場したVideo Action Campaignも活用するシーンはTrueView for Actionと大きくは変わりません。どちらもコンバージョンに結び付きやすいYouTubeの広告メニューと位置付けられます。では、ふたつのメニューの違いはどこにあるのでしょうか。一覧にして比較してみます。
(図1:Video Action CampaignとTrueView for Actionの違い)
ターゲティング、入札方法・戦略、課金形態は同じですが、Video Action CampaignはYouTubeのホームフィード面にも配信される仕様となっており、より多くのユーザーに広告接触できることが特徴です。クリエイティブについても、配信面が増えることでレスポンシブに対応する広告見出しと説明文が必要になることが分かります。
(図2:YouTubeホームフィード面)
2-3.Video Action Campaignの特徴
特徴 (1) 配信面の拡大
TrueView for Actionの配信先はYouTubeインストリーム面(コンテンツ面)ですが、Video Action Campaignでは、YouTube内のアウトストリーム面であるYouTubeホームフィードにも配信されます。TrueView for Actionと比べて配信面が広がるため、リーチの拡大、それに伴うコンバージョン数の増加を期待できます。
また、2021年中にはテレビで視聴されるYouTubeにも配信が拡大される予定です。
特徴 (2) 機械学習の効率化
Video Action Campaignでは、TrueView for Actionよりも機械学習が効率化し、最適化の精度が高くなることが期待されています。機械学習が効率化される理由のひとつに、配信面の拡大により機械学習の参考になるデータが増えることが挙げられます。
※機械学習には、数日間の学習期間を設けることを推奨しています。
3 Video Action CampaignとTrueView for Actionの成果比較
3-1.アイレップの事例
配信面が拡大する、機械学習精度が向上する―とはいっても、実際に配信したらどうなるのか、当社の事例をひとつご紹介いたします。TrueView for ActionとVideo Action Campaignを比較するため金額などの諸条件を揃えてキャンペーンを並走させ、成果比較をおこなったものです。
まずは全体的な成果を見てみます。
(図3:並走させたふたつのキャンペーンの全体成果)
同じ金額で配信をおこなっていますが、Video Action Campaignではインプレッション数が多くなっています。TrueView for Actionに比べて約3.5倍のインプレッションを記録しており、配信面拡大の影響が表れています。また、コンバージョン数が1.4倍に増加しており、コンバージョン単価も30%抑えることができています。TrueView for Actionと比べると、Video Action Campaignはインプレッション数が多くなり、コンバージョン数も増えてコンバージョン単価を抑えることができる、と言えそうです。
では、拡大した配信面の内訳、配信面ごとの成果はどうなっているのでしょうか?YouTubeインストリーム面、YouTubeホームフィード面、(オプトインしていればGoogle Video Partner面)への配信量は私たちでは制御できず、すべて機械学習に任せることになります。こういった複数面に配信されるキャンペーンにおいて、配信面の確認は必須です。広告の配信面は、管理画面の「プレースメント」>「広告が表示された場所」という画面で確認することができます。
(図4:Video Action Campaignのプレースメントごとの内訳※1)
※1:都合上、Google Video Partners面への配信分と管理画面上で「その他」に分類される不明な配信面の成果については省いております。そのため、ホームフィード面の数値+YouTubeチャンネルの数値=合計数値とはなっておりません。
プレースメントごとの成果を見ると、Video Action Campaignにおいてホームフィード面にどの程度配信されたのかを知ることができます。この事例だと、配信金額の18%がホームフィード面への配信に使われています。しかし配信量、インプレッション数を見ると、ホームフィード面はYouTubeインストリーム面よりCPMが安いため、総インプレッション数の80%がホームフィード面に配信される結果となりました。
ホームフィード面にも配信されることにより、YouTubeチャンネル面の成果にはどのような影響が出ているのでしょうか。Video Action Campaignと並走させたTrueView for Action、それぞれのYouTubeインストリーム面への配信結果を見てみましょう。
(図5:YouTubeインストリーム面への配信結果)
YouTubeインストリーム面の成果を比較すると、TrueView for Actionのコンバージョン単価は、Video Action Campaignの約1.5倍高い金額になっています。つまり、Video Action Campaignの方が、YouTubeインストリーム面においてもコンバージョン獲得効率が良かったといえます。
このように、本事例ではVideo Action Campaignを実施することでTrueView for Actionよりインプレッション単価を抑えたままコンバージョン率を高めることに成功しています。ただ、あくまでもひとつの事例でしかないことには注意が必要です。まずはTrueView for ActionとVideo Action Campaignを並走させ、成果を比較しつつ、徐々に移行していくことをおすすめします。
4 設定方法
4-1.管理画面での設定方法
Video Action Campaignの作成方法は公式のヘルプページに詳しく記載されています。(参照:https://support.google.com/google-ads/answer/10146226)途中まではTrueView for Actionと同様ですが、「広告グループの種類」を「レスポンシブ」に設定する必要があります。ここでもう一方の選択肢「標準」にすると、TrueView for Actionになります。
(図6:「広告グループの種類」を設定する画面)
また、TrueView for Actionのような通常のインストリーム広告で必要なクリエイティブに加え、「長い広告見出し(半角90文字まで)」と「説明文(半角70文字まで)」も用意する必要があります。
(図7:「長い広告見出し」と「説明文」の見え方)
4-2.推奨設定項目チェックリスト
Video Action Campaignを実施するにあたって推奨される項目のチェックリストを作成しました。設定される際はぜひ下記リストを参考にしてください。
(図8:Video Action Campaignの推奨設定項目チェックリスト)
5 まとめ
本記事では、TrueView for Actionの次世代商品であるVideo Action Campaignについて見ていきました。Video Action Campaignは、YouTubeで動画広告を配信しつつコンバージョンに結び付けることが可能であり、従来のメニューよりも配信面を増やしつつ、機械学習が優れたメニューです。動画広告にチャレンジしてみたいけれど成果が出るか不安という方は、ぜひVideo Action Campaignから動画広告に挑戦してみてください。現在TrueView for Actionを実施している方は、まずは既存の施策とTrueView for Actionとを並行して配信をおこない、徐々に移行をご検討されてはいかがでしょうか。
Video Action CampaignやYouTubeの広告運用に関するご相談はこちらからお問合せください。
この記事の著者
DIGIFUL編集部
「DIGIFUL(デジフル)」は、株式会社Hakuhodo DY ONEが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。
当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。
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