デジタル社会に"効く"マーケティング 企業の成果を最大化するために必要なこと

2020.06.25

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デジタル化の進展に伴い、企業を取り巻く経営環境が大きく変化している。こうした中、新たな市場を切り開くための武器となるのがデジタルマーケティングだ。しかし、多様化・複雑化するユーザーの動向をつかみ、的確な手を打つのは容易ではない。では、企業はデジタルマーケティングとどう向き合えばよいのか。その答えを探るため、デジタルマーケティングの専門家集団であるアイレップで取締役副社長を務める永井敦氏に話を聞いた。

パソコンやスマートフォンなどの普及率の高まりとともに、生活者のメディアへの接触方法が変化している。メディア環境研究所の調査によると、メディア総接触時間におけるモバイルのシェアが伸長。東京では2018年に初めて3分の1を超え、モバイルシフトが着実に進行しているという。

30495606939_01(図1:メディア総接触時間の構成比)

永井氏は次のように解説する。

「これは、デジタル社会の到来による、ユーザーの特徴的な変化です。メディア環境研究所が『メディア生活フォーラム2018』で発表していたように、モバイルの使い方も変化してきていて、従来は自分で検索して能動的に情報を収集していましたが、モバイル自体が逐次大量の情報を引き寄せている中で、気になる情報があれば、スクリーンショットで保存したり、リツイートしたりして、後から確認するのが通例となっています。つまり、瞬間ごとに触れる情報をためておいて、いつでも見られるようにしておく。ユーザーがさまざまな工夫をして、あふれる情報とうまく付き合うスタイルが広がっているのです」

※「メディア生活フォーラム2018」は、メディア環境研究所が2018年7月に開催したフォーラムです。

モバイルを使った購買行動にも変化が起きているという。

「例えば、実店舗で商品を買うとき、半数近くのユーザーがスマホを使って店舗情報を検索するようになっています。店舗にふらっと立ち寄るのではなく、事前にスマホで商品があるかどうかや定休日などを調べて店舗に行くというケースが増えているのです」

重要なのはユーザーを立体的に捉えられるかどうか

では、こうしたユーザー行動の変化に対し、企業はどう対応しているのだろうか。

「十分に対応できている企業はまだまだ少ないと思います。ユーザーが、いつ、どこから、どうやって自社の商品やサービスに接触してくるのか、読みづらくなっています。店舗など、従来の販売ポイントにユーザーがやってくる前後の行動が複雑で、それを分析するには最新計測技術への理解が必要です。さらに、計測したとしても意味を読み取るには、自社のデータだけでは足りないことが多いのが実情です。読み取り不足のまま、ユーザーに安易に接触すると、情報過多の時代においては無視されます。こうした現象が従来のマーケティング手法を混乱させる要因となっています」

従来から、ユーザーの価値観は多様化・複雑化しているといわれているが、それだけではなく、行動や接触様式も多様化・複雑化しているという。だからこそ、ユーザーを立体的に捉えられるかどうかが重要なのだ。そこで注目されているのがデジタルマーケティングである。

デジタルマーケティングで押さえておくべきポイント

「デジタル化の進展によって、ユーザーの多面性を可視化してマーケティング活動を行うためには、企業内外のデータを統合しなければなりませんが、これがことのほか難しいのです。例えば、テレビやスマホ、店舗、ECモールなど、さまざまなチャネルがある中、一気通貫で連関性を持って対応できるようにして、そのつながりの中で、どう投資配分して、いかにユーザーと向き合うかを考えるには、専門部署の機能目標を超えて、企業全体の戦略に落とし込まなければなりません。しかしながら、データ統合となった瞬間、関係部署が多岐にわたるということもあり、部署間調整が難航するケースをよく拝見します」

デジタルの世界は技術の進歩のスピードが速いため、各専門部署でのデジタル化ですらままならない場合も多く、全体最適論と部分最適論のバランスが難しい。

「デジタル社会が到来する中で、われわれは他社に先駆けて新たな広告手法活用を担ってきた会社です。これからは広告手法にとどまらない複数の手法を組み合わせること、あるいはデジタルの枠組みの中で終わるのではなく、手法活用をオフライン領域まで広げることで、トータルでクライアントに貢献できる統合デジタルマーケティングのコンサルティングサービスを提供していきます。システムの開発・解析や自社独自のマーケティングロジック作り、営業部門支援など、幅広い手法活用能力を持つことで、マーケティングマネジメントを再編・高度化するべくクライアントに並走してまいります」

捉えようによってはゲームチェンジのチャンス

インターネット広告市場に参入して以来、デジタル時代に合った組織に改編していく中で、クライアントと同じような悩みに直面し、独自に解決してきた経緯がある。そこで培った専門能力と統合化のノウハウを、今後クライアントに提供していく方針だという。

「われわれの特長は、デジタルオペレーションの実務をわかったうえで、戦略性を持ったトータルサポートができることです。さらに、グループ企業全体で蓄積した膨大なデータを企業戦略に転換し、そこから派生した戦術を確実に実行する能力を持っています。いわば、データと頭脳、そして腕力を兼ね備えていることが大きな強みになっているのです」

消費が世の中に活力を生む源泉であるということに疑問を差し挟む余地はないだろう。アイレップは、その消費を生むことをいい意味で刺激できるようなソリューションを持った会社を目指しているという。

「ユーザー動向の多様化・複雑化をはじめとする、企業を取り巻く経営環境の変化は、経営者を悩ませます。しかし、捉えようによってはゲームチェンジのチャンスでもあります。歴史を見ても、ゲームチェンジができる時代はそれほど頻繁には訪れません。データによってあらゆるものが可視化されようとしている中で、情報流通の最適化を実現するためにも、クライアントの新たな挑戦をサポートできる存在であり続けたいと思っています」

制作 :東洋経済企画広告制作チーム

この記事の著者

DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、株式会社Hakuhodo DY ONEが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。

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