Web広告を出稿するにあたって、「デザイナーがいないからバナーを作れない」「自社で運用するのはハードルが高そう」というお悩みはありませんか?今回はインフィード広告に絞って、高度な技術がなくても作れるバナーと広告文の作り方とベストプラクティスについて紹介します。今Web広告業界で話題のインフィード広告について詳しくなりましょう!
インフィード広告運用のための基礎知識
インフィード広告の基本
Web広告運用を実施しようとしている方なら、「インフィード広告」「ネイティブアド」というワードを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。インフィード広告とは、SNSやニュースメディアなどの媒体において、コンテンツとコンテンツの間に表示される広告フォーマットのことです。
(図1:インフィード広告のイメージ)
インフィード広告が掲載される媒体は、Facebook、Twitter、SmartNews、Yahoo!などさまざまです。インフィード広告の市場規模は年々上昇傾向にあり、ぜひ注目していただきたいフォーマットです。
(図2:インフィード広告市場規模推計・予測)
出典:「国内インフィード広告市場の共同調査を実施しました」Digital InFact 2018年2月15日
インフィード広告を構成する要素は、バナーと広告文です。ここで、広告に接触したユーザーの導線を想定してみましょう。
(図3:インフィード広告に接触したユーザーの導線 引用:スマートニュース社提供資料より)
まずはバナー、広告文内キーワードでユーザーの目をとめ、広告文を読んでもらい、クリックしてもらうという流れになっています。
ディスプレイ広告には広告文がつかないフォーマットもありますが、インフィード広告の場合は広告文の専有面積が比較的大きいため、広告文自体の影響力が他の媒体よりも高いと言えます。
注目すべきニュース系媒体
本章では、インフィード広告のなかでもSmartNewsなどのニュース系の媒体を取り上げて説明します。
(図4:各媒体の広告に対するユーザーのモチベーション)
出典:ビデオリサーチ「ACR/ex」調査 7地区計(東京50Km圏+関西+名古屋+北部九州+札幌+仙台+広島)2020年4-6月度データより
上記の調査の結果から、SmartNewsなどのニュース系の媒体における広告は、上記の調査結果からもユーザーがストレスを感じにくく、高い広告の受容度やポジティブな気持ちの変化を起こしやすい媒体であることが分かります。
これは、各媒体によってユーザーのモチベーションが違うことが起因していると考えられます。ニュース系の媒体と比べて、同じインフィード広告面であるSNS系メディアは「広告にストレスを感じる」ユーザーの割合が高い結果となっています。これは、SNSを「知人や有名人の近況を知りたい」というモチベーションで閲覧しているため、見たいコンテンツの間に表示された広告は「不要な情報」と判断されてしまいがちなためでしょう。
一方で、ニュース系の媒体を見ているユーザーは「何かおもしろい/お得な情報を得たい」というモチベーションであることが多いため、気になる広告があれば「情報」として比較的意欲的に読んでもらえる可能性が高いです。つまり、ニュース系媒体の広告では、ユーザー体験を邪魔せず、興味を持ってもらうことがより重要となります。
バナー制作のベストプラクティス
バナー制作のポイント
「バナー制作」と聞くと、撮影やデザイン技術など、ハードルが高いと感じられる方もいるかと思います。注目していただきたいのは、インフィード広告ならではの特徴です。インフィード広告が「ネイティブアド」とも呼ばれるように、バナー制作においても「広告感のなさ」がポイントとなります。
具体例としてバナーで勝ちやすい(成果がでやすい)デザインと、そうでないデザインの比較を用意しました。
(図5:ニュース系メディアでのバナー勝ち傾向例)
勝ちやすい素材は画像内にコピーがなく、写真素材も一般ユーザーがスマートフォンで撮ったような雰囲気があります。逆にそうでない素材は、背景やライティングからスタジオで撮影された雰囲気があり、加えて細かい文字が複数入っています。一見「△」のほうが情報量も多く、バナーらしいようにも見えます。
ところが、△のように訴求を入れてデザインしたバナーと、◯のように写真素材のみで作成したバナーを実際に同時に配信したところ、圧倒的に◯のようなバナーの方がコンバージョンを獲得するという結果が出ました。
このような結果は、インフィード広告において「配信面になじませる」ことによってユーザーの体験を邪魔しなかったことが起因しています。ニュース系メディアを見ていただければわかるように、メインであるニュースコンテンツのサムネイル(広告におけるバナー部分)は装飾のないシンプルなものがほとんどです。また、SmartNewsなどで多い商品のレビュー記事などで使われている素材は、ライターが手元で撮影したものが多い傾向です。そのため、上記のようなサムネイルの間に、△のような広告感のあるバナーを表示すると、ユーザーにすぐ不要なコンテンツと判断されて無視されてしまう可能性があります。
素材をスタジオで撮影するとなるとなかなかコストがかかりますし、デザインにも時間と技術を要します。しかし、インフィード広告ではむしろ手をかけないバナーのほうが配信面に馴染みやすい傾向にあるため、自社製品または写真素材・編集ソフトが手元にあれば、スマートフォンで撮影し、規定サイズに編集するだけでコストをかけずすぐにバナーをつくることができます!
必要サイズ
横長(横×縦) | スクエア | |
Yahoo! |
1200pixel x 628pixel※1 | 300pixel × 300pixel |
SmartNews (Standard Ads) |
1200pixel x 628pixel | 300pixel × 300pixel |
現状多くのニュース系メディアではサイズが共通となっているため、1セットバナーを作れば複数の媒体に転用することができます。
※1:最小ピクセルサイズ。アスペクト比1.91:1なら入稿可能、推奨ピクセルサイズは2400pixel x 1256pixel。
※2:2022年4月25日時点での情報です。最新情報は媒体公式サイトを参照ください。
以上、バナー制作のベストプラクティスについて紹介しました。つづいて、広告文について紹介していきます。
広告文のベストプラクティス
広告文の役割
広告文はニュース面の間に表示され、ユーザーの目をとめる、他のコンテンツに負けないような「続きが気になる」フックとして機能します。バナーと同じく広告(=企業)感のある文よりも、「ユーザー発信風」の表現がユーザーにスルーされにくく、獲得しやすい傾向です。Web広告が当たり前になった時代だからこそ、ユーザーのリテラシーが高まり広告色の強い情報を避ける傾向にあります。そのため、閲覧体験を邪魔しない広告文づくりが重要です。
【一例】
企業感のある広告文:ご入会で今なら◯◯プレゼント!◯◯なら△△(企業名)
ユーザー発信風の広告文:「◯◯貰えるってホント?」あるキャンペーンが話題に
広告文を構成する「型」と「訴求」
広告文は言い回しや伝える内容など、成果に起因する変数が無限にあると言って良いでしょう。そのため闇雲に広告文を作成すると、ある広告文の成果が良かったとしても結局何が良かったのかがわかりづらいケースがあるかもしれません。アイレップでは安定して成果の良い広告文を作るために、「型」と「訴求」という考え方を使って事前に変数を定義し、勝ちパターンを見つける方法を導入しています。
【型】
型とは、文の表現や演出のことです。配信面に馴染ませるため、ニュース系メディア市場の表現トレンドを掴むのがコツです。型をつくるためには、市場のニュースの見出しや他社が出稿している広告文を集めて、汎用性の高い形に改変して応用していきます。具体例を見ていきましょう。
元々の広告文(イメージ): ・友達「どこで買ったの?」高見えするバッグなら ・今話題の洗顔クリームって知ってる? ↓ 型化した例: [セリフ]◯◯「~~」△△なら [疑問形]~~って知ってる? |
このように「型」としてある程度言い回しを統一し、変数を減らすことで、より正確な検証をおこなうことができます。
【訴求】
型と組み合わせる訴求を選定するために、自社の訴求ポイントを一言で示した一覧があるとよいでしょう。以下は架空のサービスの訴求一例です。
(図6:訴求一覧のイメージ)
(図7:広告文の組み合わせイメージ)
「型」と「訴求」を組み合わせることで広告文が完成します。このように、事前に変数を定義しておくことで勝ち型と勝ち訴求を見つけることができます。勝ち型・勝ち訴求がそれぞれ見つかったら、勝った組み合わせで広告文を量産していきます。
他のフォーマットについて
SmartNewsなどの媒体ではカルーセル広告というフォーマットも存在します。カルーセル広告とはひとつの広告の中に複数のバナーが表示されるものです。
(図8:カルーセル広告のイメージ)
フォーマットとの相性から、マンガ系の商材で多く活用されますが、他の商材でも複数の商品を見せたり、ストーリー性をもってユーザーに商品の魅力を伝えたりすることができるフォーマットです。フィード面である程度勝ち傾向が見えてきたら、カルーセルにも挑戦してみても良いでしょう。
まとめ
以上、ニュース系媒体におけるインフィード広告のバナーと広告文の作り方を紹介しました。「自社でもできそう」と感じていただけた方は、ぜひチャレンジしてみてください!
当社では今回紹介した内容以外にも、多くのTipsや媒体トレンドを独自に蓄積しています。本記事へのご意見・ご感想や、インフィード広告の導入に関してご質問・お悩み等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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この記事の著者
関 ひかる
2019年にアイレップへ新卒入社。クリエイティブ部署に所属し、Webディレクターとして手飲食クライアント、不動産、保険、美容商材など幅広い業種で獲得領域のクリエイティブ戦略設計、制作進行を担当。記事メディアの運用に強みを持ち、広告文のPDCAスキームの構築なども担う。
趣味:お笑いライブ、短歌、シーサー作り。
2019年にアイレップへ新卒入社。クリエイティブ部署に所属し...
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