【ダウンロード数世界第一位】TikTokの特徴から見る、目的別での広告活用方法

2021.10.29

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最近、テレビやSNS、家族や友人と会話しているときなどTikTok(ティックトック)という言葉を聞く機会が増えたと感じる方も多いと思います。若年層を中心に圧倒的な人気を誇るSNSのTikTokは、どのような媒体でどのようにマーケティングに活用できるのか、正直分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事ではTikTokを理解するとともに、企業のマーケティングへの活用方法についてわかりやすく紹介します。

TikTokの媒体概要

まずはTikTokというメディアについて説明します。

縦長短尺動画プラットフォーム

TikTokはスマートフォンに完全に特化した、縦長短尺動画プラットフォームです。ユーザーは15秒∼3分の動画コンテンツを任意のタイミングでスキップや一時停止ができ、ストレスなくシームレスに動画を見続けられることが特徴です。

グローバルでの圧倒的な人気

日本でのユーザー数は正式に公開されていませんが、グローバルでのダウンロード数が30億回を突破し、2020年のアプリダウンロード数ランキングでFacebookを抑えて世界第一位となりました。

58349214030_01-1参照:「Most popular social app in 2020 was TikTok, overtaking Facebook」、9to5Mac、2021年8月10日

(図1:2020年ダウンロード数ランキング)

TikTokの人気の理由のひとつがその「没入感」にあります。短尺だからこそ次々と流れるように動画を視聴しつづけ、気づけば数時間経っていた…なんて経験はありませんか?

その没入感はアプリの利用時間にも表れています。App Annieの調査によると、TikTokの月間コンテンツ視聴時間はYouTubeの視聴時間を上回っていることが分かりました。アメリカでは、2021年6月のYouTube視聴時間は月に22時間40分だったのに対して、TikTokでは24時間を超えていました。さらにイギリスではYouTubeは16時間未満だったのに対して、TikTokでは26時間と、その差が顕著に出ています。

参照:「TikTok reportedly overtakes YouTube in US average watch time」、The Verge、2021年9月7日

豊富なコンテンツの種類

TikTokに対して「美男美女がダンスしているだけでしょ?」というイメージを持っている人も多いかと思います。

確かに、2-3年ほど前はそういったコンテンツが多く存在していました。しかし、最近はコンテンツの種類が多岐に渡っており、人気ジャンルとしては「エンタメ」「料理」「ペット」「日常風景」「映画・ドラマ」「アニメ・漫画」など多種多様です。自撮りやダンス以外の豊富な種類のコンテンツが存在し、さまざまな関心を持つユーザーの興味を惹きつけられるようなプラットフォームとなっています。

ユーザーのポジティブな視聴態度

・フルアテンションでの視聴
TikTokはスマートフォン全画面で動画が再生され、音声ONで視聴するユーザーが多いため、動画の世界観に没入しやすく、時間を忘れて見入ってしまうという特徴があります。

実際に1日当たりの平均視聴時間は67分にも及んでいます。また、TikTokは画面を操作しない限り同じ動画がループ再生される仕様となっています。コンテンツの切り替えをユーザー自身がおこなわなければならないため、「ながら見」が圧倒的に少なく、ユーザーはTikTokに意識を向けて動画を見ていることが多いです。

・新たな出会いを求めているユーザー
TikTokを視聴するユーザーは良い意味で「無目的」なことが多いです。TikTokアプリを起動した際にデフォルトで再生されるのが「おすすめ欄」であり、多くのユーザーは特に明確な目的を持たずに起動し、「何か面白いものにたまたま出会う」ことを期待して視聴しています。

その証拠に、検索よりもおすすめ動画を見るユーザーが他主要プラットフォームの平均と比較して233%と、TikTokではユーザーは予期せぬ出会いを求めて回遊していることが顕著に示されています。そのような「無目的」は「広告の受容性」に繋がります。

2020年のKantar社による広告好意度ランキングでは他主要プラットフォームを抑えて第一位となり、広告に対するポジティブな声が多い結果となりました。無目的だからこそ、視聴しているコンテンツが広告だったとしても、興味を惹かれる動画であれば視聴し、衝動的な購入など計画外の行動に移してしまうユーザーが多いと考えられます

参照:「Press Release:カンター、世界初の「グローバル広告エクイティランキング」を発表 世界の消費者は、TikTok上の広告に好意的」、KANTAR、20220年10月1日

TikTokで広告を配信すべき理由

TikTok for Businessと呼ばれる、マーケティングに活用できるプラットフォームがあり、そこにはいくつかの広告ソリューションが存在します。ここからはTikTok上で広告を用いたマーケティングに活用する利点を説明します。

広告への受容性

1点目は前述したように、TikTokのユーザーは広告への受容性が高いといえます。ユーザーは予期せぬ出会いを求めて回遊していることが多く、すでに興味のあるコンテンツはもちろん、動画広告でユーザーの興味を惹き、行動に移すことが可能なプラットフォームです。

伝達できる豊富な情報量

こちらも前述したとおりですが、 ユーザーはフルアテンションでTikTokの動画を見ているため、広告で伝達できる情報量が圧倒的に多いことが考えられます。ながら見しているユーザーが少ないため、企業はサービスや商品を音声と動画で生活者に正確に伝えることができます。しかし、すべての広告がユーザーの任意のタイミングでスキップできるため、動画の掴みでユーザーの興味を惹き、動画を見てもらえるようなクリエイティブにするなどの工夫が必要になります。

トレンドの発信点

なによりもTikTokにはトレンドを生み出すポテンシャルを備えています。TikTok発で流行ったコンテンツは音楽・アニメなど多岐に渡り、楽曲「香水」や、小説「あの花が咲く丘で、君と出会えたら。」などが代表例となります。後者は一人の読者が投稿したことをきっかけに反響を呼び、売上が急増しました。このようにトレンドを生み出す力がTikTokとTikTokユーザーにはあり、それを意図的に生み出す方法が#チャレンジです。

参照:「一読者からのTikTok投稿がきっかけで異例の大ヒット!「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」スターツ出版インタビュー」、TikTok For Business、2021年5月24

・#チャレンジによるユーザー投稿の促進
#チャレンジとはテーマとなるハッシュタグを作成し、手本となる動画をユーザーに見せることで、ユーザーにも同一のテーマでの投稿を促す、ユーザー参加型の広告施策です。企業は生活者への商材認知や理解を促進させることができ、多くのユーザー投稿がおこなわれることで様々なユーザーへ拡散され、トレンドを生み出すことができます。

目的別TikTok広告活用手法

ここからは企業の目的別、広告活用方法をご紹介します。TikTokはアプリ起動時・おすすめフィード内の2種類が主な広告配信面です。厳密には運用型広告に、TikTokアプリ以外の配信面もありますが、今回はTikTok内にフォーカスして紹介します。

58349214030_02参照:「TikTokメディアガイド」、TikTok For Business、2021年5月25日

(図2:おすすめフィード内の広告表示イメージ)

潜在層への認知・好意度向上を目的としたアッパーファネル向け施策

・起動画面でTikTokユーザーへ大量リーチ
TikTokにはアプリを起動した際に広告が配信されることがあります。この広告が、「TopView」と「起動画面広告」のふたつのメニューです。TopViewは音有り動画なのに対し、起動画面広告は音無し動画もしくは静止画の配信となります。

これらのメニューは1日2社(1社独占も可能)限定となっており、広告配信日に認知を一気に高めることができます。アプリ起動時に配信されるものの、ユーザーは任意のタイミングでスキップでき、そのままおすすめフィードに移行されるため、シームレスな視聴環境のまま広告を配信することができます。

・おすすめフィード内でユーザーへのリーチや動画視聴を促す
おすすめフィード内で、認知を目的に配信する手法があります。任意の1日のインプレッションを確保し、配信日の露出を最大化させるOne Day Max(以下、ODM)、事前に掲載するインプレッション量や金額・期間を予約した上で配信するReach&Frequency(以下、RnF)、運用型広告として配信するBrand Auction(以下、BA)の3種類があります。

ODMは起動画面の広告メニューと同様に配信期間は単日となり、1日の露出量を最大化させるメニューです。RnFは事前にインプレッション数・フリークエンシー数・期間などを決めることで、中長期間に渡って配信量を担保して広告配信できます。BAはリーチ目的と動画視聴目的の2種類が選択でき、単純にユーザーにリーチするだけではなく、動画を視聴させたい場合にも活用できます。

・TikTok特有の施策でトレンドを作り、認知や利用意向を向上させる

(1)#チャレンジ
先述した通り、TikTokにはユーザー参加型の広告メニューである「#チャレンジ」があります。起動画面での広告と違い、ユーザーを巻き込んで投稿を促すため、中長期間に渡ってユーザーとの接点を持つことができます。AGC株式会社による「#AGCチャレンジ」などが代表的な活用事例です。

参照:「広瀬すずさんがTikTok動画に初挑戦!「#AGCチャレンジ」を2月26日(金)より開始」、TikTok For Business、2021年2月26日

58349214030_03参照:「TikTokメディアガイド」、TikTok For Business、2021年5月24日

(図3:#チャレンジ実施イメージ)

(2)Branded Effect
高度な画像認識技術を用いて、さまざまなクリエイティブコンテンツを作成し、視覚的なブランド体験の場を創出するBranded Effectがあります。Branded Effectの活用によってユーザーに商品やサービスの理解を促すことができ、大幅なエンゲージメントを獲得できます。さらに#チャレンジなどの他メニューと合わせて活用することで、相乗効果を生み出すことができます。「ナーズ(NARS)」のアイシャドーパレット「クワッドアイシャドー(QUAD EYESHADOW)」などが代表的な活用事例です。

58349214030_04参照:「NARS「クワッドアイシャドー」の質感と色味をTikTokのブランドエフェクトでリアルに再現!まばたきする度にアイシャドーの色が変わりアイメイクを擬似体験」、TikTok For Business、2021年6月24日

(図4:Branded Effect実施イメージ。TikTok上で様々な種類の色のアイシャドーを試すことができる。)

準顕在層への理解・利用意向の向上を目的としたミドルファネル向け施策

・運用型広告のトラフィック目的での配信
TikTok for Businessの運用型広告には先述したBAとPerformance Auction(以下、PA)と呼ばれる2種類があります。準顕在層に向けた配信として適切なのが、BAのトラフィック目的での配信です。この配信方法では、広告をクリックしてLPに遷移しやすいユーザーへ配信が最適化されます。さらにCPC課金の課金形態になっており、クリックしなかった配信に対して課金が発生することはありません。そのため、ユーザーに広告をクリックしてもらい、LPへの流入を最大化できる配信手法です。

顕在層に向けたダイレクトレスポンスを目的としたロワーファネル向け施策

・運用型広告のコンバージョン目的・アプリインストール目的
顕在層への獲得を目的とした配信はPAのコンバージョン目的と(アプリ訴求の場合)アプリインストール目的での配信がお勧めです。この配信方法では、事前に設定したコンバージョン地点に到達しやすいユーザーに配信が最適化されます。そのため、この配信によって獲得を最大化するような施策の実行が可能です。

まとめ

世界中で圧倒的な人気を誇っており、広告に対する受容性も高いTikTokには認知から獲得までフルファネルで実行できるソリューションが存在します。TikTokを活用することで実際にサービスの売り上げが伸長した事例も多数あり、今後TikTok上でのマーケティング施策が必須になってくるでしょう。

今回紹介した広告メニューの詳細やメニューを目的別で一覧にまとめた資料を用意しておりますので、ぜひダウンロードしてTikTok for Businessの活用をご検討ください。事例を知りたい・配信を検討したい・もっと話を聞いてみたい方はぜひアイレップにご相談ください

(参考)
TikTokメディアガイド」、TikTok For Business、2021年5月25日
TikTokユーザー白書第3弾 簡易版」、TikTok For Business、2020年11月16日

<DL資料>ダッシュボードテンプレート(Google データポータル)

この記事の著者

井内 拓真

北海道の札幌出身で、小樽商科大学商学部を卒業後、2020年にアイレップへ新卒として入社。入社後から一貫して、クライアント企業へのメディアプランニングや媒体社向き合いの業務に従事。メディアプランニングはBtoBから玩具メーカーまで幅広い業種での企画・提案経験を持つ。

担当する媒体社は、ヤフー社やLINE社をはじめ、TikTokを展開するByteDance社やSpotify社など多岐にわたる。2020年4月より昨今のITPをはじめとするアンチトラッキング環境へ対応すべく、アイレップ社内で発足されたプロジェクトチームに参画。

北海道の札幌出身で、小樽商科大学商学部を卒業後、2020年に...

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