【第5回】新時代の営業スタイル「シン・セールス理論」~セールスコンテンツのつくり方~

2020.10.16

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本記事は株式会社セレブリックス 今井晶也氏が執筆した「シン・セールス理論の完全解説|ニューノーマルで選ばれる、購買体験とセールスコンテンツ」からの転載です。

新時代の営業スタイルである「シン・セールス理論」を徹底解説する全5回の連載となります。最終回である今回は「セールスコンテンツのつくり方」をご紹介いたします。

※シン・セールス理論では、「B2Bセールス」「新規顧客開拓」を攻略対象と定め提唱しています。予めご理解のほどお願い申し上げます。

前回までの記事はこちら

【第1回】新時代の営業スタイル「シン・セールス理論」~コロナ禍で変わるノーマル、異なるモデル~

【第2回】新時代の営業スタイル「シン・セールス理論」~シン・セールス理論とは~

【第3回】新時代の営業スタイル「シン・セールス理論」~営業手法ごとの営業プロセスの設計~

【第4回】新時代の営業スタイル「シン・セールス理論」~オンライン商談の勝ちパターンを作る~

セールスコンテンツのつくり方

セールスコンテンツとは、「目の前にいる顧客を購買に促す」コンテンツであり、購買しようと思っていないお客様の心と行動を促す引き金です。

セールスコンテンツの作成と聞くと、難しそうな印象を抱きますが、コンテンツの素材は日常に溢れます。むしろ日常のヒントをどのように2次利用するのかが肝なのです。

セールスパーソンが営業活動を行う中で、2つの着眼点とフィードバックを行うだけで、商談を有利に働かせるセールスコンテンツのアイディアが生まれます。それが「顧客の買わない理由」と「兆し」の着眼です。

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セールスコンテンツに期待する役割はシンプルに4つです。

■ 会話や意見交換が生まれるキッカケ(引き金)になる
■ 買い手の現状や目標に ”問い” が生まれ、行動変容のキッカケになる
■ 買い手の反論やネガティブに対抗(切り替え)する手段となる
■ どんな営業パーソンが活用しても同等の成果や効果が得られる

上記のように考えられます。
加えて、顧客が最高の購買体験の中で意思決定をするためには、顧客の検討状況に合わせて、購買を前進させるベストなコンテンツを用意しなければ効果は期待できません。つまり1つひとつのコンテンツに意味を持たせる、登場シーンを決めてあげる必要があるのです。

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商品のもつ価値に興味を持ってもらうコンテンツと、導入に前向きな企業が社内を説得するのに必要なコンテンツは異なります。では各場面でどのようなコンテンツを作成すればよいのか、その一例をご紹介します。

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例えば事例集。
事例も意味の持たせ方によって、購買体験に与える影響は異なります。

既に顧客が課題認識をしており、解決にむけて動き出している場合に事例に期待するのは「本当に商品を導入したら期待通りの効果がでるか」という安心材料や根拠です。その場合は、企業の具体的な運用や活用の事例をお見せして、「うちでもやれそうだ」と再現性を訴求することが大切です。

続いてケイパビリティシートの存在を説明します。

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ケイパビリティシートとは競争優位の発揮を目的とした資料です。
つまり勝負に勝つ確率を高めるための、買い手から見て「信用できる企業としてのポジションを獲得するためのコンテンツ」と言えます。

このコンテンツの活用で目指すのは、
①そもそもコンペにならず提案を独占するための関係作り
②ライバルと比較された時に、選ばれる理由が明確である状態
となります。

ただしこれらのセールスコンテンツを営業パーソン1人ひとりが忙しい合間を縫って作成しようとすると、手を抜いたり既存のもので済またりしようします。資料の作成スキルに応じても、効率やクリエイティブの差が付きやすい領域ですので、組織的にみると無視できない問題です。

そうした場合は、セールスコンテンツプランナーという専任を置いてしまうのも一つの手です。例えばセレブリックスではセールスコンテンツプランナーを専任で用意し、事例であれば業界やニーズ別で80を超える切り口の事例集が用意しています。
買い手側が「限りなくジブンごと」と捉えて共通認識を抱いていただくことが、意思決定のハードルを下げるとわかっているからです。これらは日々、コンテンツプランナーが営業の要望に応える&コンテンツを活用した受注率などをモニタリングしながら、アップデートや増強を図っています。

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まとめ

購買モデルが変化し、先行き不透明なこの時代。いかに信用・信頼される人になるか?という会話経済の関心が高まりつつあります。
しかし非対面でのコミュニケーションの割合が増える、ハイブリッドなセールスノーマルでは、顧客の欲求の真のツボを捉えるのは難しく、「価値のある人」としてのポジション獲得が難しくなっていきます。

このような環境下で「この人(企業)から 今 買いたい」という購買体験をつくる、これからの営業で目指す姿を再定義する必要がありました。ゆえにシン・セールス理論の発明です。

購買体験の感じ方はお客様によって異なります。購買者1社1社のニーズに寄り添う、「あたかかく いのちのかおるコンテンツ」を作成し、御社のシンジャニを開発していただければ幸いです。

この記事の著者

今井 晶也

株式会社セレブリックス
営業企画本部 本部長
セールスエバンジェリスト

セレブリックスの首席エバンジェリストとして、セールスモデルの研究、開発、講演を行う。商品内容に依存されない、B2Bセールスの普遍のバイブルとなる“顧客開拓メソッド™”を執筆、制作。
Everything DiSC®️の認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。

現在は営業企画本部 本部長として、セレブリックスのコーポレートブランディング、事業企画、マーケティング、営業の統括責任者を兼任。代表的な活動(講演内容)として、長野県の中小企業振興センターとの製造業向け新規開拓講座や、宣伝会議主催のセールスコンテンツ講義、営業の№1を決める大会であるS1グランプリの審査員等、多方面で活躍する。

株式会社セレブリックス
営業企画本部 本部長 ...

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