CRMデータを用いた顧客分析はじめの一歩

2020.09.28

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近年、CRMデータ(自社の顧客データ)を分析し、その結果をもとにしてマーケティング施策を実施していく流れが以前にも増して加速しています。その時流のひとつにCRMデータを用いた顧客分析がありますが、まだまだ多くの企業では顧客分析を実施したうえで施策を展開する、という段階までできていないのが実態です。そこで今回は「顧客分析をまだやったことがない」「そもそも顧客分析って何?」という方のために、顧客分析の基本から具体的な方法論までを紹介していきます。

そもそも顧客分析とは?

“顧客分析“を正確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。それもそのはずで、顧客分析と言ってもさまざまな考え方や分析手法が存在しており、ひとつの意味として定義できる言葉ではないのが実情です。

そこで代表的な顧客分析の考え方をひとつ紹介します。“顧客分析”とは“顧客の構造を知ること”を意味します。より具体的に言うと“顧客を特性ごとにセグメント分けして顧客の構造を知ること”です。

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(図1:顧客分析とは何か)

当たり前ですが自社の顧客といってもさまざまなモチベーションの人が存在します。あなたの友人関係でも「学生時代から関係が続いている親友」もいれば「LINEだけ知っている程度の知り合い」もいますよね?それと同じように、自社の顧客でも「ヘビーユーザーでほぼ毎日のようにサービスを利用する人」もいれば「キャンペーンでとりあえず会員登録はしたけどそれ以降サービスを利用していない人」もいます。

それにもかかわらず「自社の顧客」とひとくくりにし、同じようなマーケティング施策をしていて本当に良い施策効果が見込めるでしょうか?先ほどの友人関係でいえば、親友に送るような飲みの誘いを「LINEだけ知っている程度の知り合い」にいきなり送るようなものです(送られた側はかなりびっくりします)。

この話はそのままマーケティング施策にも言えます。自社の顧客にもさまざまなモチベーションの人がいるなかで、それぞれの特性や関係性に合ったコミュニケーションをとることが重要であり、そのために実施するのが顧客分析です。具体的には顧客を「ヘビーユーザー」「一般ユーザー」「ライトユーザー」のようにセグメント分けをして自社顧客全体の構造を把握できるようにします(実際の分析ではより細分化したセグメントに分けることも多くあります)。

これにより、“顧客全体の中で「ライトユーザー」がほとんどを占めており、これを「一般ユーザー」に引き上げられればかなりの売上アップが見込める”などの気づきに繋げることができます。このように“顧客の構造を知る”ために実施するのが“顧客分析”なのです。

顧客分析を実施するメリット

顧客分析とは何かを理解したところで、次はメリットについて考えてみましょう。顧客分析を実施することの一番大きなメリットは「マーケティング施策の効果が改善できる」ことです。

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(図2:顧客分析を実施するメリット)

顧客分析をすることによって、自社の顧客を特性ごとに分類することができます。そのうえで、それぞれの顧客特性に合わせたコミュニケーションを取ることで、全顧客に同じコミュニケーションを取る場合よりも成果が見込めるのです。サービスのヘビーユーザーとライトユーザーでは訴求するべき内容も、訴求するタイミングも場所(メディア)も違うかもしれません。そのため、各顧客の特性を鑑みたうえでそれぞれに対するコミュニケーションプランを練っていくことがマーケティング施策の効果を改善するうえで重要になってきます。

代表的な顧客分析の手法

これまで顧客分析の考え方やメリットについて述べましたが、ここでは顧客分析の具体的な手法のひとつである「RFM分析」を紹介します。RFM分析とは、Recency(直近利用日)、Frequency(利用頻度)、Monetary(利用金額)の3つの指標から、顧客をグループ化したうえで、それぞれのグループの性質を知り、マーケティング施策を講じる分析手法です。

Recencyでは、何年も前から一度もサービスを利用していない顧客よりも、直近でサービスを利用している顧客を優良な顧客であると判断します。Frequencyでは、利用頻度が低い顧客よりも、利用頻度が高い顧客を優良な顧客であると判断します。Monetaryでは、利用金額が少ない顧客よりも、利用金額が大きい顧客を優良顧客であると判断します。

この3つの指標をもとにして顧客を複数のセグメントに分けていきます。実際に施策に活用する際には上記の3指標において優良な顧客をロイヤルカスタマー(下図の例におけるヘビーユーザーに該当)として定義し、それぞれの段階にある顧客をロイヤルカスタマーに近づけるためのマーケティング施策をおこなっていきます。

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(図3:RFM分析の実施イメージ)

 

施策活用におけるポイント

最後に、RFM分析をした後に効果的な施策へと繋げるためのポイントを紹介します。それは、「各セグメントの顧客像を深掘り分析で明らかにすること」です。深掘りをすることで、各セグメントへの効果的なマーケティング施策を考えることが可能になります。例えば、ヘビーユーザーの深掘り分析をし「40代男性が多く、定期的に商品Aを買う傾向がある」という特徴が分かった場合は、”一般ユーザーに属している40代男性に商品Aの訴求をしてヘビーユーザーへの引き上げを狙う”、というような施策に繋げることができます。※深掘りの結果や施策内容はあくまでイメージです。

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(図4:効果的な施策へと繋げるポイント)

まとめ

このように、CRMデータを用いて顧客分析を実施することで、自社の顧客への理解を深め、効果的なマーケティング施策を打つことができます。

アイレップでは、この顧客分析(上記で紹介したRFM分析)を実施し、顧客を複数のクラスターに分類するところから、各クラスターに適したメルマガや広告配信などのマーケティング施策の実行まで一貫して実施した事例もあります。「自社顧客へのマーケティング施策の効果を改善したい!」「自社顧客への理解をもっと深めたい!」という方がいらっしゃいましたらぜひアイレップまでご相談ください。

 

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この記事の著者

DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、株式会社Hakuhodo DY ONEが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

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