本コラムでは、Instagramのアカウント開設を検討している、もしくはすでにお持ちの企業で、アカウント全体の統一感やクリエイティブに課題を抱えるSNSマーケティング担当者向けに、効果的なアカウントの設計方法をご紹介します。今回は、 家庭用電化製品のオーブンレンジのプロモーションを目的とするInstagramのアカウントを例に、3つのポイントに沿って解説していきます。
Instagramアカウント内における統一感の重要性
Instagramは2019年3月には日本国内の月間アクティブアカウント数が3,300万人※1を突破し、さまざまなアカウントが乱立するようになってきました。Instagram内での企業アカウントの数は2,500万アカウントを越え※2 、 他のアカウントとの差別化が重要になってきています。
では、数あるビジネスアカウントのなかからユーザーにフォローしてもらうためには、どのようなアカウントを目指したらいいのでしょうか?
多くのアカウントに接しているユーザーにとって大切なことは、アカウントをフォローするメリットがあることです。「自分がこのアカウントをフォローすることによって、どのような情報を手に入れることができるのか」を、ユーザーにわかりやすく提示することが必要です。そのために、アカウントのテーマ設計を行い、設定したテーマに合わせた投稿画像・投稿コンテンツ・投稿内容を選定し、アカウントに統一感を持たせることが重要といえます。
※1:参照元 Facebook Newsroom 2019年6月7日『Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破 』
※2:参照元 Facebook Newsroom2017年12月1日『Instagram、プラットフォーム上のビジネスが2500万を超えたことを発表』
テーマ設計-何を伝えるのか
はじめに、アカウントに統一感を持たせるうえで最も重要な「テーマ設計」について検討します。テーマを予め設定しておくことにより、どのような投稿をするか迷った際の指針とすることができます。
テーマ設計で重要なポイントは、「ブランドとしてどのようなイメージを持たせたいか」「ターゲットを誰にするか」の2点です。本コラムでは、例としてオーブンレンジのInstagramアカウントを用いて、実際に設計していきます。
Instagramでは、ユーザーがその商品を通してどのような体験ができるのか をビジュアル化することが重要です。訴求したいオーブンレンジが、「ハイスペックでスタイリッシュな高価格帯」のものと仮定します。その場合のアカウントのテーマは、「このオーブンレンジと暮らす、スタイリッシュでミニマルな暮らし」と設定しました。もしそのオーブンレンジが「主婦層を狙った家庭向きの商品」である場合は、「このオーブンレンジと暮らす、美味しいヘルシーな暮らし」というように、商品の特性に応じてテーマを決めていきます。(図1)「スタイリッシュなオーブンレンジ」を訴求しなければならないのに「美味しいヘルシーな暮らし」をテーマとしたり、「主婦層を狙った家庭向きのオーブンレンジ」を訴求しなければならないのに「スタイリッシュな暮らし」をテーマとしたりすると、いかがでしょうか?それぞれ獲得したいターゲットが求める情報が伝わらなくなり、ユーザーにとってもフォローする意味がなくなってしまいます。
(図1:テーマ設計の具体例)
このようにして、「適切なブランドイメージ」を「適切なユーザー」に届けるために、製品のコンセプトやターゲットをもとにInstagramのテーマ設計を行う必要があります。
トーン設計-どんなイメージを持たせるのか
テーマ設計を終えたら、トーン設計を行います。トーン設計では、ユーザーに商品のコンセプトを伝えるための配色イメージを整えていきます。Instagramは、画像を中心としてコミュニケーションをとるSNSであるため、ビジュアルが非常に重要です。「画像がきれい」であることも重要ですが、色味などの「全体のトーン」が合っていないと、アカウントの統一感は失われてしまいます。
それでは、先ほど例として挙げた2つのオーブンレンジをもとにトーン設計を行います。1つ目の「スタイリッシュでミニマルな暮らし」を表現する場合は、黒やグレーなどのシンプルさや物が少ない洗練された雰囲気を出すような色を中心として、全体を整えていきます。一方、「美味しいヘルシーな暮らし」を表現する場合は、食品がおいしそうに見える、赤や茶色などの温かみのある暖色系の色を中心に、全体を整えていきます。(図2)
(図2:配色イメージ)
このようにして、アカウント全体で持たせたいイメージをもとに使用する色を決めることで、統一感を持たせることが重要です。
投稿コンテンツ設計-何をどのように写すのか
テーマ設計、トーン設計の次は、投稿コンテンツの設計をします。アカウント全体の統一感の乱れを防ぐために、テーマ設計の内容をもとに事前に投稿コンテンツの軸を絞り、統一していきます。
例えば、「スタイリッシュでミニマルな暮らし」を表現するのであれば、生活感を抑えたモデルルームでの撮影や被写体の位置を固定します。「美味しいヘルシーな暮らし 」を表現するのであれば、料理を中心とした1品料理の撮影、画像に文字を入れるなど工夫して、家族が喜ぶ日々のメニューをレシピカタログのように投稿します。それぞれのターゲットユーザーが求めるコンテンツをビジュアル(画像)と投稿内容でまとめておくことが必要です。
最後に、これまで解説してきた設計のポイントをまとめます。(図3)
(図3:アカウント設計イメージ)
このように、テーマ設計・トーン設計・コンテンツ設計を行うことにより、アカウントに統一感が生まれ、ユーザーにとってフォローする意味があるアカウントを作ることができます。
まとめ
アカウントの設計の有無により、ユーザーから見たアカウントへのイメージは大きく変化します。ユーザーのニーズを満たすアカウント設計ができれば、ビジネス活用にも大きく貢献します。Instagramの効果的な活用方法について課題をお持ちの方は、ぜひアイレップにご相談ください。
この記事の著者
DIGIFUL編集部
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