広告主にとって多くのメリットがあるアフィリエイト広告ですが、安全に運用するため広告代理店にサポートを依頼する企業も少なくありません。
今回は、広告代理店に依頼するとどんなサポートをしてくれるのか、どんなメリットがあるのかなど、アフィリエイト広告の代理店が担う役割について解説します。
また、本記事ではCARRACでの場合を前提としています。
※本記事はCARRAC公式noteのコラムより転載しました。
元記事:https://note.com/carrac_note/n/nc9d07926a9ed
広告代理店の役割①メディア調達
広告代理店の役割で、アフィリエイト広告の成否を握る重要な役割といっても過言ではないのがメディア調達です。アフィリエイト広告では、どんなに優れた商品やサービスでもメディア(アフィリエイトサイト)に取り上げてもらわなければ、ユーザーへ情報を届けることすら叶いません。だからこそ、取引できるメディアをどれだけ調達できるのかが重要であり、広告代理店の使命ともいえます。
しかし、単純に量を追い求めれば良いという話ではありません。ユーザーへの訴求力が強く、広告主の課題解決に大きく貢献してくれるメディアが業界や商材ごとに存在します。そうしたメディアへの広告掲載は競争率も高いので、自分たちの提案を受け入れてもらえるよう交渉していく必要があります。
(図1:双方が合意できる取り組み内容を交渉した上で広告掲載が開始)
アフィリエイト広告は、「成果(=何に)に対して広告費(=いくら払う)の支払いが発生する取引手法を採用した広告」であるため、メディアへの交渉時には成果達成条件や報酬額についての話が中心となります。広告主の提案する条件にメディアが合意することによって交渉成立となりますが、相容れないことも当然あります。そうした時に、最適解を導き出すのも広告代理店の役割です。事前準備で広告主の予算感や今後見据えている展開、メディアの期待する条件の相場観や競合の依頼状況を調査し、両者が納得のいく条件となるまでコミュニケーションを続けていきます。
また、これとは別に初めて取引するメディアには、自分たちがいかに信頼できる相手かを示すことも大切です。顧客・アフィリエイターとの向き合い方、取引におけるCARRACのスタンス、トラブルが生じないようどのようなガイドラインに基づいて広告運用をしているのかなどを説明し、信頼関係の構築に努めています。まずは相手のことを理解し、自分たちのことも知ってもらう。そして、広告主にとってもメディアにとってもメリットのある提案をし、双方が納得できる条件を設定する。パートナーとして、長期的なお付き合いができるよう丁寧にコミュニケーションをとっていくことが、メディアに広告掲載を依頼する上でとても重要です。
(図2:長期的な関係を意識した交渉力が必要です)
前文で、交渉の事前準備としてメディアを調査するとお話ししましたが、情報収集手段としては主に、広く浅く収集することができるネット検索を使用します。また、サイトへのアクセス数がわかる第三者ツールも使ってメディア動向を日々チェックしています。ただ、これはあくまでも業界全体の動向を把握するためのもので、交渉や実際に広告掲載を依頼するメディアを選定するには不十分です。もっと正確で深い情報を入手したい時には、ASPにヒアリングをおこないます。
アフィリエイターと広告主の仲介人であるASPには、メディア動向や広告施策の事例など、アフィリエイト広告全般の最新情報が集まっているため、相談相手として適任といえます。それも1社だけでなく相談相手が複数いると、情報の精度や客観性を高めていくことができます。
ただ、ASPに相談すれば何でも教えてくれるということでもなく、やはりここでも信頼関係が重要となります。広告代理店の場合は、過去の取引や成果達成の実績に加え、取引期間の長さや会社の社会的信用度によって関係密度が深まっていくことが一般的です。
ちなみにCARRACは、2005年創業という歴史の中で、日本に存在するほぼすべてのASPと関係性を築いてきました。広告代理店としては、相談先が多いほど広告主に提示する選択肢が増えていくので、ASPとのネットワークも貴重な財産です。私達の役割はあくまでも広告主の成果達成を代理することですから、特定のASPやメディアに肩入れするのではなく、中立的な立場から適度な距離感を保ち、広告主にとって最善と判断される協力先を選ぶという方針で施策を展開しています。
広告代理店の役割②成功パターンの再現性
広告代理店の役割の2つ目が、成功パターンの再現性を残していくことです。同じ商材で成果を出し続けていくための手がかりをきちんと残していくことで、アフィリエイト広告施策の継続的な成果達成に繋がります。そのためにおこなうのは、実施施策の成功、もしくは失敗要因を分析していく作業です。広告掲載されたアフィリエイトサイト、紹介された文脈、媒体を見ているユーザーの特性、媒体の集客方法などを分析し、次の施策実行時に類似メディアで同じような結果が再現できるかといったようなパターンを追求していきます。
例えば美容系メディアでも、エステを紹介して高額コースの契約につながるユーザーを連れてきてくれるメディアもあれば、キャンペーンコースのみで終わってしまうユーザーを大量に誘導してきてくれるメディアもあります。その違いを紐解いていくと、掲載しているコンテンツ傾向やサイトへの集客方法に違いがあることがわかります。前者は、体験レポートや施術器具を解説するコンテンツを掲載しているため、真剣度の高いユーザーが集まるのではないか。後者の場合は、価格やキャンペーン情報をメインに掲載しているので、興味本位で応募するユーザーが集まるのではないか。そしてどんな検索キーワードでサイトがヒットするのか、集客にSNSも活用しているのか。くまなく調べて成果が出た背景まで理解ができると、次の施策実施時に集めたいユーザーに応じてメディアを探す参考にすることができます。
広告代理店の役割③広告の品質と透明性
広告代理店の役割の3つ目は、広告の品質と透明性を高めることです。ここでお話しする品質とは「広告が掲載されている状態」のことを指しています。正しい文脈で広告掲載されているか、その内容に誤りがないかをチェックしていくことも広告代理店の役割です。
アフィリエイト広告の実績管理は、基本的にASPが提供する広告管理画面を活用します。この画面上ではユーザーがメディアに掲載された広告をみて、どのメディアでどの程度クリックされ、コンバージョンに至ったのかが確認できるようになっています。しかし、どのような文脈やワードで掲載された広告を見てユーザーがアクションを起こしたのかまでは、直接サイトを見に行かないとわかりません。販売価格が間違っていてユーザーが勘違いしたまま購入してしまっている可能性もありえます。誰かが能動的に見に行かなれば、ミスがあるかどうかさえわからないのが実際なのです。また、大きな成果を追求するほど広告掲載メディアも増えていくので、その全てを確認するには時間も手間もかかるというジレンマもあります。ただ確認すれば良いというものではなく、どのように人員を確保するのか、何をどう確認していくのか、そのノウハウと体制が必要になります。
(図3:ASPが提供する管理画面を活用しながら実績を確認)
アフィリエイト広告は、メディアが独自に作ったコンテンツの中で商品を紹介する強みを持った非常に自由度の高い広告です。広告枠がフォーマット化されていればチェックの自動化を講じることもできそうですが、商品に直接言及している文言だけでなく、コンテンツ全体の文脈も確認する必要があるため自動チェックには限界があります。現状、人が直接確認するのが最も正確で、短時間で終えることができるのです。そのためCARRACでは、サイトパトロールと課題のある文言の修正対応をおこなっており、正しい文脈で、適切な表現や表記で広告掲載されているかを人の目で確認しています。価格、割引率など、事前にチェック項目を作成した上で確認をおこなうほか、法律違反となる文言で紹介されていないかなども見ていきます。自由度の高いアフィリエイト広告の特徴を活かしながら、効率的かつ確実な品質維持を実現するため、人的チェックを仕組み化しているのです。
そして、万が一サイトパトロールでミスが発覚した場合には、メディアに修正してもらいます。ただ、修正してもらうのはあくまでも情報公開された後の話です。第三者視点での情報発信をメリットとするアフィリエイト広告は、事前に掲載内容を広告主や広告代理店がコントロールすることはできません。事後確認もそうですが、広告掲載前の丁寧な情報提供やチェック項目の共有などにより、ミスを未然に防ぐことも大切です。
内容にもよりますが、ミスが景品表示法や薬機法に抵触している場合には、逮捕者が出るケースにまで発展する恐れがあります。アフィリエイト広告の第三者視点という性質から、メディアが作ったコンテンツに問題がある場合、責任を問われるのはメディア側です。しかし、広告主や広告代理店が法に抵触する文言の記載を故意に指示したり、意図はなくともアフィリエイターに誤った情報を伝えて法律違反をした場合には、広告主側の問題にもなります。どちらが問題を起こしたとしても、報道されてしまえば企業イメージを損なうことには変わりないので、信頼回復にかかる時間やコストを考えても品質管理は徹底しておこなうに越したことはありません。
今やインターネット上の情報にも新聞に匹敵するくらいの信頼性が求められており、ユーザーに正しい価値を提供していく責任は、メディアだけでなく広告代理店や広告主にも当然あります。CARRACは広告代理店として、目の前にいる広告主だけではなく、アフィリエイター、そしてメディアに訪れるユーザーも大切なクライアントのひとりだということを意識しています。関係者が手を取り合って価値ある情報をユーザーへ届け、業界全体としてアフィリエイト広告運用の健全性・透明性を高めていきたいと思っています。
広告代理店の役割④持続的な運用体制の保証
最後は、①~③で説明した役割を知見・ノウハウとして企業に代わり広告代理店が積み上げていくことです。というのも定期的な人事異動や担当者の退職など、自分たちでノウハウを蓄積したくてもできないという事情が多く見受けられるためです。そのため、持続的に広告運用ができる体制作りを外部の広告代理店に委託している広告主も少なくありません。アフィリエイト広告を使い続けている広告主の要望には、積み重ねた知見から成功パターンの再現性を見出した上で施策を提案してくれているか、今後も継続できる体制づくりを広告代理店が意識してくれているか、といったことが含まれているように思います。
また、そもそものはじめ方がわからない、運用時に指標とすべきデータは何か、といったような相談をいただくこともあります。実務的なことはもちろん大切ですが、初めて取り組まれる方だからこそ、成功イメージを持てるようになることが大切なのではないかと思います。
「アフィリエイト広告は成果報酬型広告です!」と言われても検索連動型広告やディスプレイ広告と比べても広告のイメージが持ちにくいため、バナーを用意すれば大丈夫とか、ASPに登録すれば広告が配信されていくなど、勘違いされる方がいるのも仕方ないのかもしれません。アフィリエイト広告は、第三者視点から商品紹介のコンテンツを掲載するスタイルをとっているということ。そのスタイルも様々で比較サイトのようなものから記事形式のものがあるということ。記事を作成してもらうためにユーザーだけでなくアフィリエイターにも情報提供をしなければならないということ。こうしたアフィリエイト広告の性質を理解できていないと、せっかく掲載をしても内容が薄く訴求力のないものになってしまったり、トラブル発生につながることも考えられます。
取り組む中で学んでいくというのも手かもしれませんが、プランニングができていない状態で施策を打ってもなかなか成果が出せません。貴重な広告予算を無駄にしないためにも、事前にアフィリエイト広告を成功に導くにはどうするか調べたり、広告代理店やASPに相談したりするのが結果的には最も効率的とも考えられます。
まとめ
・事前調査とコミュニケーション力がメディア調達の鍵になる
・成功パターンの再現性を残すことは、継続的な成果達成につながる
・自由度の高い広告だからこそ、品質と透明性を高めることが重要
・性質を理解している広告代理店やASPに相談し、持続的な運用体制を確保する
広告代理店の役割は多岐にわたります。それぞれの強みやポリシーは異なりますが、アフィリエイト広告の性質や特徴を理解した上で、安全に運営をサポートするのが主な役割といえます。特に、初めてアフィリエイト広告を導入する場合や中長期の事業成長を見据えた運営を検討する場合など、広告代理店のノウハウや知識、管理体制を借りながら運用することもできるので、広告代理店の活用を検討してみてはいかがでしょうか?
今後もアフィリエイト広告について、エージェンシー目線でわかりやすく解説していきますのでご期待ください。
CARRACは、アフィリエイト広告の国内トップエージェンシーとして数々の実績・ノウハウを誇り、パートナー企業様の成果最大化に貢献してまいりました。
アフィリエイト広告に関するご相談、導入を検討されているご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
picture:ニッパシヨシミツ
https://www.nippashisan.com/about
この記事の著者
株式会社カラック
デジタルマーケティングエージェンシーであるカラックでは、デジタル広告を通しパートナー企業様の課題解決・事業成長支援をおこなっております。なかでも特にアフィリエイト広告に強みを持ち、パートナー企業様と共に顧客データ分析・KPI策定をおこない、LTV視点でアフィリエイトを運用いたします。
またブランドセーフティに対する徹底した取り組みをおこない、持続的な広告効果、事業収益の最大化を支援します。
https://carrac.co.jp/
デジタルマーケティングエージェンシーであるカラックでは、デジ...