GA4のデフォルト チャネル グループを解説!UAプロパティとの違いは?【GA4講座】
Google アナリティクスの新たなプロパティであるGoogle アナリティクス 4(以下、GA4)について、本記事ではデフォルト チャネル グループの定義について解説します。GA4ではUAプロパティとは異なるチャネルグループに振り分けられる場合があるため注意が必要です。
Google アナリティクスのデフォルト チャネル グループとは
Google アナリティクスのチャネルグループとは、ユーザーが計測対象のWebサイトに訪問した際、流入元となるチャネル(トラフィックソース)をルールに基づいて分類したものです。チャネルグループを使用すると、ユーザーの流入元チャネルの成果を「オーガニック検索」や「ディスプレイ」のように大まかに分類してモニタリングできます。デフォルト チャネル グループは、Google アナリティクスで初めから設定されている分類ルールに基づいたチャネルグループです。
GA4のデフォルト チャネル グループ定義
GA4では、[集客]>[トラフィック獲得]のレポートを選択すると、デフォルト チャネル グループごとのデータが表示されます。GA4のデフォルト チャネル グループは以下の表のように定義されています。
Google 広告トラフィック用のチャネル
チャネル名 | 定義 |
有料検索 | Google 広告からのトラフィック AND Google 広告の広告ネットワークタイプが「Google検索」または「Google Partners」 |
有料動画 | Google 広告からのトラフィック AND Google 広告の広告ネットワークタイプが「YouTube 検索」または「YouTube 動画」 |
クロスネットワーク | Google 広告からのトラフィック AND Google 広告の広告ネットワークタイプが「クロスネットワーク」 |
有料ソーシャル | Google 広告からのトラフィック AND Google 広告の広告ネットワークタイプが「ソーシャル」 |
DV360トラフィック用のチャネル
チャネル名 | 定義 |
ディスプレイ | ディスプレイ&ビデオ360からのトラフィック AND ディスプレイ&ビデオ360のクリエイティブ フォーマットが、「Standard」、「Expandable」、「Native site square」、「Backdrop」、「Templated app install interstitial」、「Deprecated」、「Native app install」、「Native app install square」、「Native site」、「Templated app install」、「Lightbox」のいずれか |
有料動画 | ディスプレイ&ビデオ360からのトラフィック AND ディスプレイ&ビデオ360のクリエイティブ フォーマットが、「Native video」、「Video」、「Templated app install video」、「Flipbook」のいずれか |
オーディオ | ディスプレイ&ビデオ360からのトラフィック AND ディスプレイ&ビデオ360のクリエイティブ フォーマットが「Audio」 |
その他(有料) | ディスプレイ&ビデオ360からのトラフィック AND ディスプレイ&ビデオ360のクリエイティブ フォーマットが、「Publisher hosted」、「Tracking」、「Unknown」のいずれか |
SA360のトラフィック用のチャネル
※Google 広告は前述の定義に従うため、それ以外のチャネルが対象
チャネル名 | 定義 |
有料検索 | SA360 エンジン アカウント タイプが「bing」、「yahoo gemini」、「yahoo.jp」、「baidu」、「admarketplace」、「naver」、「360.cn」、「yandex」のいずれか |
有料ソーシャル | SA360 エンジン アカウントの種類が「facebook」、「twitter」のいずれか |
手動トラフィック用のチャネル
チャネル名 | 定義 |
ノーリファラー | 参照元 - 完全一致 - direct AND メディアが「(not set)」または「(none)」 |
クロスネットワーク | キャンペーン名に「cross-network」が含まれています |
有料ショッピング | (参照元 - ショッピング サイトのリストに一致 OR キャンペーン名 - 正規表現に一致 - ^(.*(([^a-df-z]|^)shop|shopping).*)$) AND メディア - 正規表現に一致 - ^(.*cp.*|ppc|paid.*)$ |
有料検索 | 参照元 - 検索サイトのリストに一致 AND メディア - 正規表現に一致 - ^(.*cp.*|ppc|paid.*)$ |
有料ソーシャル | 参照元 - ソーシャル サイトのリストに一致 AND メディア - 正規表現に一致 - ^(.*cp.*|ppc|paid.*)$ |
有料動画 | 参照元 - 動画サイトのリストに一致 AND メディア - 正規表現に一致 - ^(.*cp.*|ppc|paid.*)$ |
ディスプレイ | メディアが「display」、「banner」、「expandable」、「interstitial」、「cpm」のいずれか |
オーガニック ショッピング | 参照元 - ショッピング サイトのリストに一致 OR キャンペーン名 - 正規表現に一致 - ^(.*(([^a-df-z]|^)shop|shopping).*)$ |
オーガニック ソーシャル | 参照元 - ソーシャル サイトの正規表現リストに一致 OR メディアが「social」、「social-network」、「social-media」、「sm」、「social network」、「social media」のいずれか |
オーガニック動画 | 参照元 - 動画サイトのリストに一致 OR メディア - 正規表現に一致 - ^(.*video.*)$ |
オーガニック検索 | 参照元 - 検索サイトのリストに一致 OR メディア - 完全一致 - organic |
メール | 参照元 = email|e-mail|e_mail|e mail OR メディア = email|e-mail|e_mail|e mail |
アフィリエイト | メディア = affiliate |
参照 | メディア = referral |
オーディオ | メディア - 完全一致 - Audio |
SMS | メディア - 完全一致 - sms |
モバイルのプッシュ通知 | メディア(末尾が「push」) OR メディアに「mobile」または「notification」が含まれる |
(表1:GA4のデフォルトチャネルグループ定義)
※「unassigned」は、イベントデータに一致するその他のチャネルルールがない場合に使用される値です。「(other)」は、基数制限が生じている集計行に使用される値です。
参照:https://support.google.com/analytics/answer/9756891?hl=ja
UAプロパティからの変更点
ユニバーサル アナリティクス プロパティ(UAプロパティ)とGA4のデフォルトチャネルグループの違いとして、GA4ではUAプロパティにはなかったチャネルグループが追加されていることが分かります。新たに定義が追加されたチャネルグループは以下の通りです。
新たに追加されたチャネルグループ
・有料動画
・オーガニック動画
・有料ソーシャル※
・オーガニックソーシャル※
・有料ショッピング
・オーガニックショッピング
・クロスネットワーク
・オーディオ
・SMS
・モバイルのプッシュ通知
※「有料ソーシャル」「オーガニックソーシャル」の追加にあたり、「ソーシャル」のチャネルグループは削除されています
GA4で新たなチャネルグループが追加されたことでUAプロパティとはトラフィックの分類ルールが大きく異なっています。デフォルト チャネル グループをベースにレポーティングや分析をおこなっていた場合は、UAプロパティとGA4での差分の把握やレポート構成を変更する必要があります。
GA4でカスタム チャネル グループを作成する方法
GA4でカスタム チャネル グループを作成する方法、およびUAプロパティで既に作成されている設定をGA4に移行する機能は、2022年5月時点で公開されていません。UAプロパティ上で設定したカスタム チャネル グループの数値をレポーティングし続けたい場合は、BigQueryのようなデータウェアハウスや、データポータルのようなBIツールとGA4を連携し、別のツール上でチャネルグループを作成するような代替策を検討する必要があります。カスタム チャネル グループについては、情報の更新があり次第、追記していきます。
参考:[UA→GA4] Google アナリティクス 4 プロパティのユニバーサル アナリティクス ビュー関連の機能
まとめ
GA4では、デフォルト チャネル グループの定義がUAプロパティから大きく変更されています。GA4では分類ルールが追加され、UAプロパティと比べて細かなチャネルグループに分けられるようになった反面、カスタ ムチャネル グループの機能は用意されておらず(2022年5月時点)、UAプロパティから移行した際に成果を比較しにくい状況になるかもしれません。早い段階でGA4を導入し、データ収集を始めておくことを推奨します。
GA4の導入、設定についてお悩み、ご相談がある際にはお気軽にお問い合わせください。
▼関連資料
この記事の著者
島田 拓来
2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリティクス、tableau®設計構築。SEO領域のディレクター業務を経てアナリストに。Google アナリティクス、Adobe アナリティクスのデータ活用のほか、ダッシュボード構築のプロジェクトが得意。
趣味:料理、料理動画を見ること
2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリテ...