ウェビナーレポート「Google アナリティクス 4 活用編ウェビナー ~特有の機能を活かした施策例を紹介~」
当社では、「Google アナリティクス 4 活用編ウェビナー ~特有の機能を活かした施策例を紹介~」と題し、マーケティング担当者様やWeb担当者様を対象にしたウェビナーを7月7日(水)に開催しました。
2020年10月にGoogle アナリティクス 4(以下、GA4)が発表され、今後はGA4がアナリティクスの主流となります。したがって、GA4の理解をいち早く深め、マーケティング施策へ活かしていくことが求められています。
本ウェビナーでは新しいGA4データをより実践的な分析や施策に活用するうえでの、機能の具体的な活用方法について、施策例なども踏まえながら解説しました。本記事では、ウェビナー内容の一部を紹介いたします。
データの施策活用において重要なGA4機能
GA4には、従来のGoogle アナリティクス(ユニバーサル・アナリティクス、以下、UA)では使用することができなかった機能が備わっています。なかでも、収集したデータを施策に活用するという観点で注目すべき機能として、代表的なふたつの機能である予測指標とオーディエンストリガーを紹介します。
予測指標機能の概要
予測指標とは、Googleの機械学習を用いて、GA4内で収集した過去データを基に可能性を予測するものです。現状予測できる指標は大きくみっつあり、「購入の可能性」「離脱の可能性」「予測収益」を予測することが可能になります。
購入の可能性
アプリまたはWebサイトにアクセスしたユーザーが今後7日間で購入する確率を予測
離脱の可能性
今、Webサイトに訪れているユーザーが今後7日間にアプリまたはサイトにアクセスしない可能性を予測
予測収益
今後 28 日間に達成する購入コンバージョンによって得られる総収益を予測
蓄積された予測データを使って、GA4内の分析レポ―トの指標として活用したり、広告配信のためのオーディエンスの条件として活用することが可能です。
オーディエンストリガー機能の概要
オーディエンストリガーとは、複雑な条件を付けたコンバージョン(イベント)の計測を管理画面上で簡単に設定することができる機能です。
例えば、図2記載のように複数ページを閲覧して、CVに至ったなど、複雑なユーザーのサイト内行動を比較的に簡単にGA4レポートUI上で切り出して、データ計測することができます。設定したオーディエンストリガーをオーディエンスリストとして広告配信などに活用も可能で、また、CVとして計測が可能な設定ができるため、検索広告の入札ソースとして活用したり、分析のタッチポイントとして利用したりすることができます。
(図2:オーディエンストリガー概要)
具体的な施策活用例
各機能概要についてはある程度理解はしているものの、具体的な活用方法に関しては、なかなかイメージつかないという方も多いのではないでしょうか。企業課題に対して、それぞれのGA4特性をうまく活用していくことが今後のマーケティング活動においても重要となります。
それぞれの具体的な活用例を、ウェビナ―内で紹介しました。
予測指標の活用例
予測指標の活用例として、課題感に合わせた施策として、ウェビナーではふたつ紹介しました。そのうちひとつをこちらの記事でも紹介します。
例えば、顧客獲得効率化を目的とした施策を、GA4予測指標データを活用して実施することができます。サイト上に会員登録が可能なWebサイトであれば、図3のように、会員登録する可能性の高いユーザーの予測データを蓄積することが可能です。
蓄積したデータをもとに会員登録しやすいユーザーのオーディエンスリストがGA4内で自動的に作成されるので、Google広告と連携して広告配信に活用できます。
予測データを蓄積するためには、特定イベント(purchaseあるいは、in_app_purchase)の設定や、特定のデータ収集量のしきい値などが必要です。その設計を済ませれば、比較的短期間かつ容易に予測データを蓄積することができます。
また、事前に施策の目的を定めたうえで、どのような予測値をGA4で蓄積していくのかを決める必要があります。例えば、商品の購買予測値や、前述した会員登録予測値など、施策目的に合わせた設定をおこない、データを蓄積することで、より最適な広告施策や分析にデータを活用することができます。
オーディエンストリガーの活用例
従来のUAでCVの設定をする際は、商品購買や、会員登録あるいは資料請求など、一連のユーザー行動の最終タッチポイントの計測が一般的です。
オーディエンストリガーの特徴としては、前述したように、ユーザーのサイト内行動に対して、より複雑な条件付けした設定をCVに設定することが可能です。
具体的には、例えばECサイトの場合、図4のように高単価のプランや商品を購入したユーザーをオーディエンストリガーとしてGA4のレポートUI上で設定し、CVとして計測できます。その計測した数値をコンバージョンソースとしてGoogle広告に連携し、媒体内での入札単価の自動調整に活用することもできます。
また、コンバージョンデータを基にして、高単価ユーザーに対して、より入札を強化するなどの施策が可能になります。
ユーザーのサイト内行動は、各サービスモデル、サイト構造によってさまざまかと思います。今回紹介した活用例以外でも、各サービスに合わせて、ユーザーの動きを分析し、オーディエンストリガーでユーザー行動を切り出した、柔軟なイベント設定が可能になります。
切り出したデータを使った分析や、広告施策が可能になった点は、UAに比べて、アップデートされた点といえるでしょう。
まとめ
本ウェビナーでは、GA4で新たに備わった特に注目される機能として、予測指標とオーディエンストリガーを取り上げ、より一層活用のイメージを持てるように、具体的な施策例も踏まえて紹介しました。
企業がマーケティングにおいて抱える課題感に対して、各機能を施策の目的に合わせて活用することで、GA4をより使いこなしながら、分析や施策の最適化をおこなうことができます。当社ではGA4の導入・環境整備から活用までの支援をおこなっています。GA4に興味がありましたらぜひHakuhodo DY ONEへお問い合わせください。
この記事の著者
川村 知生
2019年にアイレップ入社。アイレップ入社後、解析・コンサルティング・ソリューションなどのサービス提供に従事。現在は、Googleアナリティクスを中心に各プラットフォームと連携した統合的なマーケティングプロダクト活用に向けての解析設計、データ連携の基盤設計に携わる。
2019年にアイレップ入社。アイレップ入社後、解析・コンサル...