今、ライブコマースが注目される理由〜企業と生活者を繋ぐライブコマースとは〜【ライブコマースチームTAKE ZERO 定期連載】第1回
ライブコマースとは
ライブ動画配信を活用し、リアルタイムに視聴者とのコミュニケーションを取りながら企業の商品やサービスの魅力を存分に伝えて販売できる、新しいEコマースの形を「ライブコマース」と言います。
一口にライブコマースといっても、その種類はさまざまであり、大きく分けるとECモール型、SaaS(サース)型、SNS型の3つがあります。
(図1:3つのライブコマースの型)
(図2:ライブコマースECモール型)
(図3:ライブコマースSaaS型)
(図4:ライブコマースSNS型)
ECモール型やSaaS型は能動的に見に行かないとなかなか出会う機会がないのですが、SNS型で配信されているライブコマースなら見たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
出典: Instagram
(図5:Instagramのライブ機能を使ったゆうこすのライブコマースの様子)
ライブコマースが果たす役割
コロナ禍で巣篭もり需要が増えた昨今、生活者の消費行動にも変化が現れました。欲しいものは家にいながらなんでも買える時代だからこそ、「どういう意味を込めて買うか」「どんな自分になるために買うか」そして「どんな人のおすすめで買うか」という付加価値が求められる傾向にあります。
そのような時代の変化の中でライブコマースは、ブランドと生活者を繋ぐ新たなマーケティング手法として注目を集めています。
ライブコマースは、コマースというだけあって物を売ることが大きな目的ですが、それだけではありません。ライブ配信による、生活者との双方向コミュニケーションができることが大切なポイントです。リアルタイムな双方向コミュニケーションにより、顧客が知りたい情報を直接届けることが可能になり、逆に顧客の生の声を聞くこともできるようになりました。こうした役割は、今の消費者行動から見ても、重要な要素となっています。
今、ライブコマースが注目されている理由
2020年のコロナ禍以降、企業のDX、OMO(Online Merges with Offline)などが急激に推進されています。その一方で、生活者は一人ひとりがSNSを横断的に活用するようになり、クチコミやインフルエンサーの投稿などを重視する消費行動を取るようになってきました。
生活者が商品を検討する際にInstagramを参考にすると言う人は10~20代においては6割にものぼります※1。しかし、「#pr」がついている投稿、つまりはPR投稿に厳しい目が向けられることも少なくありません。生活者はSNSの情報を鵜呑みにするのではなく、参考にする情報を取捨選択するようになったのです。
※1:参考元:PR Times 2019年11月22日「最も購入動機となるSNSは「YouTube」で3割 10~20代は「Instagram」が6割と最多」
そのような中で企業・ブランドは生活者を振り向かせる手段として、今までのような一方的な広告戦略だけではなく、一人ひとりに直接"話すEC サイト" として、実店舗を超えた新しい購入体験であるライブコマースに注目をしています。マーケティング手法としてのライブコマースは、こちらの記事で詳しくご説明しています。
アイレップ が提唱するライブコマースと「コマーサー」
アイレップが提唱するライブコマース「誰が伝えるか」
ライブコマースで重要なのは、「誰が伝えるか」と言うことです。ライブコマースを実施している企業でも、時間をかけてインフルエンサーを選定し、多額なキャスティング費用をかけたにも関わらず、思うように購買に繋がらないなど、配信者選びに課題を抱える企業は多いと思います。単にフォロワーが多いインフルエンサーを起用すれば売れるわけではありません。
そこでアイレップでは、ライブコマースに特化した配信者である「コマーサー」を提唱しています。
アイレップが提唱する「コマーサー」
アイレップが提唱する「コマーサー」についてご説明します。“コマーサー”というのは、アイレップが新たに定義した、「ライブコマースに特化した配信者」のことです。
(図6:コマーサーとは?)
ユーチューバーは、企画動画を一方通行で配信することから、ヒト+コト軸の一方向。ライバーは双方向のコミュニケーションではあるものの、発信するのはあくまでライバー自身であることが特徴です。
それに対して、コマーサーの特徴は大きく2点あります。1点目が、「一方通行ではなく、視聴者と相互コミュニケーションを取れる」という点、2点目は「その人の配信の中で"モノ(商品)"の魅力を伝えることができる(=コマース能力がある)」という点です。
ライブコマースの配信で最も大事なポイントがこのコマーサーになりますが、現状の日本では、ライブコマース需要に比べてコマーサーの層が薄いのが正直なところです。
そこで、冒頭に記載したとおりTAKE ZEROでは、コマーサーと企業のマッチングをより良いものにするために、日本トップクラスのコマーサーであるゆうこす率いる株式会社321と協業してキャスティングやコマーサー育成にも力を入れております。コマーサー事業に関してはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
コマーサーの必須スキル「偏愛力」
先述したように、ライブコマースの特徴は、「生活者との双方向コミュニケーションができること」であり、特にリアルタイムに視聴者とやりとりできることはエンゲージメント向上に効果的です。しかしそれは、コマーサーからしてみれば数分〜数十分の間台本なしで商品をオススメしないといけないということです。
リアルタイムにやりとりできるということは、商品の魅力や細かな情報をお届けできる一方で、商品知識が十分にない場合などは、商品の良さが伝わらないだけでなく、逆効果になってしまうリスクもある、いわば諸刃の剣なのです。たとえ、最低限、間延びさせずに商品のスペックを紹介し続けることはできたとしても、そこに商品への熱量が感じられないと、視聴者はそのコマーサーを信頼してはくれません。偽りのオススメはすぐに見抜かれてしまうのです。
そうならないために、我々がコマーサーキャスティングの際に重要視していること。それはつまり、商品に対する「偏愛力」です。商品の背景知識があるか、事前に商品を使用したことがあるか、発売前などで使用していない場合でも実際に使用して好きになってもらえそうか、そして、何よりも本人が熱量を持ってオススメすることができるのか、こうしたポイントがコマーサーの必須スキルである「偏愛力」です。「偏愛力」を持ったコマーサーをブランドとマッチングすることが、ライブコマースのキャスティングでは最も重要なのです。
ライブコマースは「企業(ブランド)と生活者を繋ぐ」ことにあります。その企業と生活者の間にたつコマーサーには、強い熱量をもって「偏愛」を視聴者に届けられるかどうかが大事なポイントだと考えています。
今回は、ライブコマースの概要と、コマーサーについてご説明しました。第一回連載後半では「アイレップがライブコマースに挑戦する理由」についてお話しますので、ぜひそちらもご覧ください。
アイレップはライブコマース事業を専門にプランニングするチームTAKE ZERO(テイクゼロ)を発足し、ライブコマース施策の実施やクライアント企業向けセミナーを主催するなどの活動をおこなっています。 また、「ゆうこす」こと菅本裕子さん(以下、ゆうこす) が代表としてライバーマネジメント運営をおこなう株式会社321と業務提携し、コマーサー(ライブコマースに特化した配信人材)育成にも力を入れています。 ライブコマースの最先端事例、イチオシのコマーサー情報など、ライブコマースに関するあらゆる最新情報をTAKE ZEROから毎月ご紹介していきます。ライブコマースに興味を持つ企業の皆様、引き続きぜひご覧ください。 |
この記事の著者
横畝 明
CM制作会社にてプロダクションマネージャーの経験を経て、2019年アイレップに参画。アイレップに入社した後は、前職で培った広告動画の知見を生かし、CMプランナーとしてテレビCMやウェブCMの動画企画をメインにプランニングをおこなう。
▼好きなこと
筋トレ、ジョギング、料理など健康になること全般。
CM制作会社にてプロダクションマネージャーの経験を経て、20...