本記事では、SNSマーケティング担当者向けに、Instagramにおけるインフルエンサーマーケティングの特徴と活用方法をご紹介します。
1. インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーとはSNS上で影響力のある人物のことで、Instagramではインスタグラマー、YouTubeではユーチューバーと呼ばれることもあります。そして、企業の代わりにインフルエンサーに商品やサービスのPRをしてもらうマーケティングのスタイルが「インフルエンサーマーケティング」になります。
インフルエンサーマーケティングはプッシュ型の広告とは違い、ユーザーが好意を持つインフルエンサーのSNSアカウントをフォローし情報を取得しているため、自然と商品やサービスへの好感度を高めることが可能です。
なぜ今インフルエンサーマーケティングが注目されているのか?
スマートフォンの普及により、多くの人にとってSNSが情報収集の手段として大きな部分を占めています。さらに新型コロナウイルスの影響により、その利用率は急速に伸びている状況です。調査によると、コロナ以後に利用が増加したメディアのなかでSNSは3位のポジションとなり、人々の生活に欠かせないものになっています※1。
※1:参照元経営者JP「2020年エグゼクティブの「情報収集」についての調査 」
そのため、SNS上で活躍するインフルエンサーを起用してマーケティング活動をおこなうことで、ユーザーの目に留まる機会も増え、認知拡大につながります。また、コロナ禍で店舗への集客がうまくいかない企業にとって、インフルエンサーを活用してPRをおこなうことで、商品の理解を深め、購入につなげていくことも可能です。
SNSの中でも特にInstagramはインフルエンサーとの相性がよく、芸能人やタレントから一般人まで幅広い層のインフルエンサーが定期的にライフスタイルの投稿を写真や動画・ストーリーズの機能を駆使してアップしています。気軽にいいねやコメントができ、さらにストーリーズではQ&Aなどの機能を使って双方のコミュニケーションをとりやすい環境にあるため、ユーザーはインフルエンサーを身近に感じ、彼らの紹介する商品に対して信頼感が湧いてくるのです。
2. インフルエンサーマーケティングとInstagramとの親和性
Instagramの特徴
Instagramはビジュアルコミュニケーションが中心となるSNSです。Facebookの発表によると2019年現在、国内MAUは3,300万人で、人々の日常生活に欠かせないメディアとなっています。多くのユーザーがInstagramからトレンドをキャッチアップしたり、興味関心のあるアカウントをフォローし定期的に情報収集をしています。
また、Instagramが公開しているデータによると、欲しいアイテムを見つけるためにInstagramを活用しているユーザーは70%となり、商品検索のひとつとしても大きな役割を果たしていることがわかります。ユーザーは商品検索からインフルエンサーの体験談を見て、そのブランドに対する信頼感を高めていると言えるでしょう。さらに、インフルエンサーからの影響で商品を購入したというユーザーは87%にのぼります。
Instagram運用でインフルエンサーを起用することでユーザーの購買意欲を高めることもできることがわかります。
Instagramショップのローンチ
新型コロナウイルスの影響により企業がユーザーとの接点を持ちづらい状況のなか、ビジネスサポートの一環としてユーザーがInstagram上でシームレスに商品を購入できる「Instagramショップ」という新しい機能が2020年にリリースされました。この機能により、企業は簡単にInstagram上にオンラインストアを開設することができるようになりました。ユーザーはショッピングタブやビジネスプロフィールやストーリーズからショップにアクセスできます。興味のある商品を保存し、後から見返すことも可能です。そのため、せっかく見つけたアイテムが見つからなくなってしまう、という事態を防ぐことができます。
また、企業側はビジネスアカウントからの投稿画像に商品名と価格のタグ付けもできるため、ユーザーが購入を検討する際に必要な情報を明示できます。2020年8月のInstagramのデータによると、投稿の商品タグをタップし商品の詳細ページに遷移したユーザーは、2020年には前年比で65%の増加となっています。
このように、InstagramショップによりInstagram内で商品認知・検討・購入までの導線が整えられたため、今後はInstagramを新たな購買チャネルとして活用していくことが重要となってきます。
3. インフルエンサーを活用したInstagramアカウント運用の特徴
Instagramでインフルエンサーを活用するべき理由
・特定のターゲットにアプローチできる
インフルエンサーマーケティングではそのインフルエンサーのフォロワーに対して認知拡大や商品理解を促します。よりブランドのターゲットに近いフォロワーを持つインフルエンサーを起用し商品をPRしてもらうことで、ターゲット層の獲得につながります。
・共感が生まれやすい
フォロワーはフォロー中のインフルエンサーに対して共感を持っていたり好意があるため、そのインフルエンサーがPRすることで自然とブランドや商品への親しみが高まります。さらに、インフルエンサーが特定の商品投稿をすることで、「あの人がこの商品を持っているから、わたしも同じものが欲しい」という購買意欲を刺激することも可能です。特にフォロワーが1万人から10万人程度のマイクロインフルエンサーと呼ばれる層は、一般人も多く、よりユーザーが身近に感じられるため共感を得られやすいといえます。
・情報の拡散力
Instagramはもともと拡散力が他のSNSほど高くない媒体ではありますが、最近ではリポストをしたり、ストーリーズの投稿に他のユーザーの投稿画像とメンションを付けることもあります。インフルエンサーの投稿はフォロワーからの共感を得やすいため、このような機能を使って他のユーザーへの拡散も期待できます。
また、InstagramではUGC※2を創出することも可能です。ユーザーはインフルエンサーから影響を受け、その商品を購入し、さらにSNSにその商品について投稿していく、という流れができています。そのため、情報がUGCによって自然と広まり、認知が高まりやすいのが特徴です。
※2 UGC:User Generated Contentの略。ユーザーが自ら作り出すコンテンツのこと。
4. インフルエンサーを活用したライブコマースについて
ライブコマースとは
Instagramでインフルエンサーを起用した施策のひとつに「ライブコマース」があります。ライブコマースとはライブ動画上で商品を紹介したり、ユーザーからの質問にリアルタイムで答えていくような販売スタイルです。もともと中国で生まれたものですが、日本でも多くのブランドが新しい購買チャネルの場としてライブコマースを活用し始めています。
Instagram上でのライブコマースの一般的な配信方法はインフルエンサーが自ら商品を使用している動画を配信し、使いながら特徴を説明していくものです。ユーザーは気に入った商品であれば「いいね」や「シェア」などでブランドやインフルエンサーとコミュニケーションをとっていくことが可能です。さらにユーザーはリアルタイムにコメントや質問ができるため、その場で悩みや不安を解消することができます。
このように、Instagramライブコマースはそのブランドや商品が自分にとって必要なものなのか、本当に自分に合ったものなのか、を確かめるためのコミュニケーションの手段となっています。そのため、最終的な目標は購買ではあるものの、まずはコミュニケーションやつながりの深さを重視するエンゲージメントがライブコマースの指標となってきます。
Instagramライブコマースとインフルエンサー
Instagramライブコマースでは購買につなげるための商品理解とエンゲージメントを高めることが重要です。これらを高めるためには「企画・演出力」と「キャスティング力」の2要素が必要となってきます。企画・演出の面では、求心力のある企画でライブならではの臨場感や高揚感をユーザーに与えること大切です。
キャスティングの面では、ブランドや商品の代弁者として熱量をもってアピールしてくれるインフルエンサーの選出が重要です。そのため、ライブコマースではフォロワーがなるべく多いインフルエンサーを起用するよりも、いかに視聴者に商品のよさやブランドの信頼感を伝え、視聴者の心を動かす力を持っているかという部分に注目して選出することを推奨します。
5. まとめ
Instagramでのインフルエンサーマーケティングは認知拡大・ファン育成・新しい購買体験の創出などさまざまな目的で活用されています。アイレップでは企業の課題に応じたKPI設定からオーガニック運用、インフルエンサーキャスティング、ライブコマースやキャンペーンなど幅広くご提案できますので、ぜひ詳細をお問い合わせください。
この記事の著者
DIGIFUL編集部
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