Webマーケターが知りたい!Google アナリティクスとAdobe Analyticsの違い
Webマーケターにとってサイトの施策や運用において欠かせない存在となっている解析ツール。
代表的なものはGoogle が提供する「 Google アナリティクス 」とAdobeが提供する「 Adobe Analytics 」の2つです。さまざまな企業がどちらかの解析ツール(または両方)を導入しています。導入しているものの、意外と2つのツールの違いを分かっていないWebマーケターの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は2つのツールの違いについてご紹介いたします。
こんな方におすすめの記事です!
- 2つの解析ツールの機能の違いを知りたい
- どちらのツールが自社サイトに合っているか知りたい
- 連携可能なプロダクトが知りたい
Google アナリティクスとAdobe Analyticsの違いについて
はじめにGoogle アナリティクスとAdobe Analyticsの違いをまとめました。(図1参照)
2つのツールの大きな違いのひとつが料金体系です。Google アナリティクスは2つのプランがあります。無償版と有償版の「 Google アナリティクス360 」です。一方Adobe Analyticsはサイトの規模により4つのプランが用意されています。こちらに無償版はありませんがサイト規模やサーバーコール数※によってはGoogle アナリティクス360より低い価格で利用が可能です。ツールの機能や連携可能なプロダクトについては後ほど記述します。
※サーバーコール数は「ヒット」または「イメージリクエスト」とも呼ばれます。処理するデータをAdobeのサーバーに送信する際に発生します。
(図1:Google アナリティクスとAdobe Analyticsの比較表)
Google アナリティクスについて
Google アナリティクスは個人から企業まで幅広く導入されているGoogle が提供している解析ツールです。無償版でもレポートやツール機能が充実しているため、解析ツール初心者にもおすすめです。またツールの使い方や実装方法についてのネット記事や書籍が豊富です。実装やツール設定の方法なども比較的シンプルなものとなっています。
価格
無償版と有償版のGoogle アナリティクス360があります。無償版をサイトに導入済みの場合、解析設定やレポートを維持したまま有償版へのアップグレードができます。
特徴的な機能
・リアルタイムレポート
テレビCMやソーシャルメディアの影響をレポート画面上で即座に把握できます。
・ユーザー属性分析
Google が保持するアフィニティカテゴリ※を使用してユーザー属性を分析します。
※アフィニティカテゴリは興味関心のこと。テレビ視聴者の区分と似た、ライフスタイルによる分類。例: ハイテク好き、スポーツファン、クッキング好きなど。
・eコマースレポート
ECサイトでのユーザーの商品購入に関するデータを可視化します。
主な連携可能なプロダクト
無償版と比べて有償版のGoogle アナリティクス360は連携可能なプロダクトのバリエーションが広がります。サービス提供可能なプロダクトに絞った表は以下です。
Google アナリティクス
Google が提供している各プロダクトと連携が可能です。
(図2:Google アナリティクスと連携可能なGoogleプロダクト)
Google アナリティクス360
Google マーケティング プラットフォーム※を中心としたGoogleの各プロダクトと連携が可能です。
※Google マーケティング プラットフォームは、マーケティングチーム間のコラボレーションを強化する統合型の広告/分析プラットフォームです。
(図3:Google アナリティクス360と連携可能なGoogleプロダクト)
Google アナリティクス360が選ばれるケース
一例ですが、下記のようなケースや特徴でGoogle アナリティクスが選ばれています。
- Google アナリティクス360であればサンプリング※を気にせずデータでレポート表示が可能
※レポートの組み合わせによっては一部データにサンプリングがかかる場合があります - Google 広告プロダクトと連携を行うことで広告の最適化が図れる
- Google アナリティクス360のローデータをBigQueryに※自動エクスポートが可能
※データウェアハウス
Adobe Analyticsについて
Adobe Analyticsは、さまざまな企業に導入されているAdobe提供の解析ツールです。粒度を非常に細く絞った分析や計測実装が可能です。その分設定方法や実装の知識が必要となるため難易度が高いツールとなっています。ツールの使い方や実装方法についての記事や書籍はまだまだ少ないです。
価格
サイト規模に応じて4つのプランに分かれています。またプランによって「Report Builder」や「セグメント比較機能」など利用できる機能に差があります。
特徴的な機能
・ワークスペース
ダッシュボードのような分析レポートを作成できる機能です。画面上でドラッグ&ドロップすることで簡単にレポート作成や分析が可能です。
・Adobeの人工知能
Adobe AnalyticsではAI(人工知能)による自動分析のレポートがいくつか備わっています。たとえば異常値検出は過去のデータを基に「機械学習」を使用し、異常値の検出を行うことが可能です。
・Report Builder
Adobe Analyticsのデータを直接Excelに自動入力できる機能です。定型的な作業の自動化とExcelの機能を使用してグラフやピボットテーブルを活用したレポート作成が可能です。
主な連携可能なプロダクト
Adobe AnalyticsはAdobe提供の各Cloud※と連携が可能です。サービス提供可能なプロダクトに絞った表は以下です。
※Adobe AdvertisingCloud、Adobe AnalyticsCloud、Adobe MarketingCloudの各プロダクト。
(図4:Adobe Analyticsと連携可能なAdobeプロダクト)
Adobe Analytics が選ばれるケース
一例ですが、下記のようなケースや特徴でAdobe Analyticsが選ばれています。
-
サイト内におけるユーザーの詳細な行動が分析できる
-
Google アナリティクス360よりも安い価格※で同等の機能を活用できる
※価格体系については前述にもあるようにサーバーコール数によって変化します
-
ツールの利用者ごとに細かく利用権限を設定することができる
-
Adobe によるデータ利用がないので、個人情報などを扱う面で安心できる
まとめ
今回はGoogle アナリティクスとAdobe Analyticsの違いについてご紹介しました。解析ツールの導入を検討する際に参考にしていただければ幸いです。
※本文でご紹介したツールの概要や機能などについては2019年12月時点のものです。
Google および Google ロゴは、Google LLC の商標です。
この記事の著者
DIGIFUL編集部
「DIGIFUL(デジフル)」は、株式会社Hakuhodo DY ONEが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。
当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。
デジタルマーケティングの最新情報や知見を得るための信頼できる情報源の1つとしてお役立てください。
「DIGIFUL(デジフル)」は、株式会社Hakuhodo ...