2021年GoogleのSEOトピックス振り返り

2021.12.15

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2021年は、新型コロナウイルスが世界的に流行し始めてから2年目に入り、新しい生活様式が定着してきた1年だったように思います。生活様式や検索トレンドの変化が続いていますが、Googleの提供する検索機能にも複数の変化がありました。本記事では、Googleにおける2021年のSEOトピックスを振り返ります。

Googleがロールアウトしたアップデート

Googleは検索結果改善のため日々アップデートを繰り返していますが、大規模な順位変動を伴うケースやWebサイト管理者に何らかの対応を促すようなケースにおいてはアップデートに名称をつけることがあります。今年は、Googleにより命名されているアップデートが4種類おこなわれました。

コア アップデート(6月、7月、11月)

コア アップデートとは、GoogleがWebページ全体の評価システムを調整・改善するために、数ヶ月に一度のペースで検索アルゴリズムとシステムに大幅な変更を加えることを指します。Google側の評価システム変更により、多くの場合で大規模な順位変動が発生します。

今年は6月と7月、11月の全部で3回おこなわれています。また、6月と7月のコア アップデートは、2ヶ月連続で段階的にリリースするという前例のない形式がとられました。

ページエクスペリエンス アップデート(6~9月)

ページエクスペリエンス アップデートとは、ページエクスペリエンスの優れたWebページが検索結果で表示されやすくなるようにする検索アルゴリズムの更新です。ページエクスペリエンス シグナルには、図1のとおりCore Web Vitals、モバイルフレンドリー、HTTPS、煩わしいインタースティシャルがない、の要素が含まれます。

(図1:ページエクスペリエンスの要素(画像内の和訳は筆者による))
参照元:2020/11/10, Google Developers, Google 検索へのページ エクスペリエンスの導入時期

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モバイル検索では本アップデートが2021年6月~9月にかけて実施されました。これに伴い、AMP対応ページであることが必須要件となっていたトップストーリーカルーセル(トップニュース枠)への掲載に、AMP対応が必須でなくなるなどの要件緩和もおこなわれました。

PC検索においては、2022年2月からCore Web Vitalsがランキングシグナルに導入される予定となっています。

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スパム アップデート(6月、11月)、リンクスパム アップデート(7月)

スパム アップデートとは、Googleのガイドラインに違反してスパム行為をおこなっているWebサイトを対象に、検索結果に表示されにくくする検索アルゴリズムの更新です。今年は2021年6月と11月に実施されました。7月には、リンクスパムをおこなっているWebサイトを対象としたリンクスパム アップデートもおこなわれました。スパム行為に対して、Googleが継続的に取り組んでいる様子が伺えます。Webサイト担当者にとっては、スパム行為をしていなければ気にする必要はありません。

プロダクトレビュー アップデート(英語のみ)(4月、12月)

プロダクトレビュー アップデートは、英語で書かれたレビューコンテンツを対象に、高品質なレビュー情報を有するWebページを検索結果に表示されやすくする検索アルゴリズムの更新です。2021年4月に初回のアップデートが実施され、12月2日に2回目の実施がアナウンスされました。

Googleは、高品質なレビューコンテンツを掲載するためのベストプラクティスを12個公開しています。日本語で書かれたレビューコンテンツは、現時点で本アップデートの対象外ですが、ベストプラクティスの内容は参考にするとよいでしょう。

高品質なレビューを書くためのベストプラクティス

・ユーザー視点から商品を評価する
・レビューする商品について精通していることを示す―専門家であることを示す
・レビューの専門性や信頼性を強化するため、画像や音声、またはその商品の使用感に関する他のWebページへのリンクを提供する
・商品が、あらゆるカテゴリの性能でどのように測定されるか定量的な測定値を共有する
・競合商品と差別化できているポイントについて説明する
・比較対象となる商品を示す、または特定の用途や状況に最適な商品を説明する
・独自の調査に基づいて、特定商品のメリットやデメリットについて論じる
・旧モデルから進化した点や改善点、解消した問題を説明する、またはユーザーの購入決定に役立つ情報を提供する
・商品が属するカテゴリの主な意思決定要因と、その分野での商品性能を明らかにする(例:自動車のレビューでは、燃費、安全性、運転しやすさが主要な意思決定要因となり、各要因での性能を評価する)
・メーカーの情報以上に、商品の設計方法やユーザーに与える影響について説明する
・読者の意思決定をサポートするために、その他の役立つリソース(自分のWebサイトまたは他のWebサイト)へのリンクを含める
・読者自身が、商品を購入する販売者を選べるというオプションを提供するために、複数の販売者へのリンクを含めることを検討する

※参照元:Google Developers, 「質の高い商品レビューを書く | Google 検索セントラル

Googleの技術進化:MUMの発表と検索への活用

2021年は、MUM(Multitask Unified Model)と呼ばれる自然言語処理の新技術に注目が集まりました。5月におこなわれたGoogle I/O 2021で、従来の自然言語処理モデルであるBERTの1000倍強力なモデルとして発表されたMUMですが、9月に実施されたSearch On '21で検索での活用方法も紹介されています。

現時点で日本での展開予定は未定ですが、下記のような検索体験のデモンストレーションが公開されています。

・画像とキーワードを組み合わせた検索体験
Google レンズにかざした情報と、自分で入力したキーワードを組み合わせて検索がおこなえます。これにより、言語化が難しい検索が今よりもずっと簡単になります。

(図2:言葉だけでは説明が難しい商品について、画像とテキストを組み合わせて検索する様子)
参照元:2021/9/29, 「How AI is making information more useful


・検索結果での体系的な知識の取得
検索したキーワードに対して、知っておくべき情報や拡張(または絞り込んだ)検索キーワードが表示されます。

(図3:検索結果に、知っておくべき情報や拡張(または絞り込んだ)検索キーワードが表示される例)
参照元:2021/9/29, 「How AI is making information more useful


「入力された検索キーワード」と関連性の高い情報を表示するというこれまでの検索サービスから、「その検索キーワードで検索した人」にとって有用な情報もあわせて提供できる状態にしていこうという方針が伺えます。

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Googleが提供するツールの変更

リッチリザルト テストやモバイル フレンドリー テスト等のUI変更や、構造化データテストツールのSchema Markup Validatorへの移管など、さまざまな変更がありました。主要なものを紹介します。

Google サーチコンソールの検索パフォーマンスレポートが正規表現をサポート、今後アクセシビリティやUXを継続的に改善へ

今年もGoogle サーチコンソールへ多数の機能追加がありました。2021年4月には、検索パフォーマンスレポートで正規表現のサポートが開始され、大幅に業務を効率化できた方も多かったのではないでしょうか。また、2021年11月22日にはアクセシビリティとユーザーエクスペリエンスを継続的に改善すると発表されています。12月7日時点では見た目の変更のみとなっていますが、来年にかけて継続して改善されていく見込みです。

PageSpeed InsightsのUIリニューアル

2021年11月には、PageSpeed Insightsのリニューアルも実施されました。これまで、「フィールドデータ」や「ラボデータ」といった一般に馴染みのない言葉が使われていましたが、よりわかりやすく表現されるようになっています。また、これまで表示されていなかった計測における詳細情報も確認できるようになっています。2022年2月にはPC検索にもCore Web Vitalsのランキングシグナル導入が開始されますので、新しくなったPageSpeed Insightsを活用しましょう。

(図4:PageSpeed Insights結果画面の前後比較)

業界別のGoogleのトピックス

業界個別のトピックスも複数ありました。

ショッピング(通販)関連のトピックス

今年9月におこなわれたSearch On '21では、ショッピング関連の機能として以下が発表されています。

・Google レンズの活用シーン拡充
iOS用Google アプリやデスクトップ版Chromeで、ブラウジング中に気になった画像や動画、テキストなどをGoogle レンズを通じて検索可能になります。

・ショッピンググラフによる検索結果画面の拡張
Googleが保有するショッピンググラフ(商品に関するあらゆる情報をまとめたデータセット)を活用し、自然検索結果画面に通販サイト横断の商品詳細情報の表示が米国のモバイル検索で開始されました。

・近隣店舗の商品の在庫状況確認機能
買い物に出かける前に、近隣店舗の商品の在庫状況確認機能の提供が開始されています。


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ニュース関連のトピックス

パブリッシャー(出版社)が表示したいニュースをコントロール可能な、Google ニュース ショーケースが9月に日本でも開始されました。Googleが提携パブリッシャーに記事使用料を支払うという点で、注目が集まった取り組みです。

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また、検索結果のニュース表示にも変更がありました。これまで新型コロナウイルス関連のトピックに限定されていたローカルニュース枠ですが、11月16日にそれ以外のトピックについても表示を開始すると発表がありました。地域のニュース情報を扱うWebサイトにとっては検索結果に表示される機会が増えると推測されます。

(図5:新型コロナウイルス以外の検索キーワードにおいてもローカルニュース枠が表示されるイメージ)
参照元:2021/11/16, 「New tools and features to support local news

ローカルビジネス関連のトピックス

11月にGoogle マイビジネスの名称変更が発表され、Google ビジネスプロフィールという名称になりました。また、複数店舗を持つ大手企業向けにはビジネスプロフィールマネージャーというツールも提供予定とされています。他にも、店舗登録と編集がやりやすくなったり、Google ビジネスプロフィールから顧客にメッセージを送信できるようになったり、さまざまな機能追加がおこなわれました。2022年もローカルビジネス関連の新機能には注目が集まりそうです。

Summary

今年も多くのアップデートや機能追加がおこなわれました。業界によっては、Google製品上に無料で掲載できる枠が増えるなど、Webサイト運営者に大きく影響する変更もあったように思います。また、MUMの活用などからも推測できるように、Google 検索は引き続き機能拡張が続いていくと考えられます。Webサイト運営者は、検索エンジンの動向を適宜キャッチアップし、それに対応した施策立案をしていくことが求められます。本記事についてやその他のサービスについてご関心・お悩みをお持ちの方は、ぜひアイレップへお問い合わせください。

▼関連資料

SEOコンサルティングサービス

 

この記事の著者

増渕 佑美

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタントとして従事。ソリューション部署に所属。通販や人材などデータベース型サイトを中心に経験を積んでおり、現在はメディアサイトのSEOも担当し幅を広げている。
好きなこと:散歩、パズル、動物の動画をみること

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタント...

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