GA4の基礎知識~独自機能と活用方法~

2021.10.22

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米Googleは2020年10月、Google アナリティクスの新しいプロパティであるGoogle アナリティクス 4(以下、GA4)を公開しました。GA4では公開直後から機能アップデートが繰り返されており、既存のユニバーサルアナリティクスプロパティと並行してGA4を導入することが推奨されています。本記事では、GA4の基礎知識として、GA4独自の機能と活用方法を紹介します。

GA4とは

GA4(正式名はGoogle アナリティクス 4)は、2020年10月に公開されたGoogle アナリティクスの新しいプロパティです。GA4はApp+Webプロパティ(β版)を前身として、既存のユニバーサルアナリティクスとは異なるデータ構造とレポート構成をもっており、イベント計測の実装・レポーティングが簡単になっています。また、機械学習を利用した予測結果に基づくレポーティングや予測値に基づいた広告配信ができるようになり、現状分析だけでなく将来を予測してマーケティング成果に直接的に影響する施策が打てるようになったという点が特徴です。

GA4独自の機能

GA4には、ユニバーサルアナリティクスプロパティにはなかった独自の機能が追加されています。主要なものを紹介します。

1. イベントベースでのデータ取得

GA4では、サイト内のユーザー行動に対応するイベントと、それに関連するパラメータが取得されます。例えば、ページを表示した際にはページビューイベントが発火し、対応するパラメータ情報(ページのURLやタイトルなど)が取得されます。クリックやページの読了についても同様で、サイト内のユーザー行動をイベントベースで取得し、それに関連する分析軸でのレポート化、分析がしやすくなりました。

ユニバーサルアナリティクスではイベント計測のためにGoogleタグマネージャーやJavaScriptでの細かな実装が必要だったのが、GA4では管理画面上から設定ができ、ヘルプページからビジネスごとの計測推奨イベントが確認できるようになっています。

(図1:イベントベースでのデータ取得例)

2. Webサイトデータとアプリデータをひとつのプロパティで管理

ユニバーサルアナリティクスまでは、Webサイトだけを対象としたレポート、Firebaseアプリだけを対象としたレポートという形式でプロパティが分かれていましたが、GA4では、WebサイトのデータとFirebaseアプリのデータをひとつのプロパティで管理し、レポート・分析・施策に活かせるようになっています。

GA4では、Webサイト上とアプリ上でユーザーを一貫して識別するためのIDを設定できるようになっており、プラットフォームを横断したユーザー行動のデータを利用しやすくなっています。

(図2:WebサイトとアプリのデータをユーザーIDで紐づけて管理)

3. 機械学習を利用した予測機能

前段1、2の機能により、GA4ではユーザーごとのさまざまなイベントデータが取得・蓄積された状態になります。ユニバーサルアナリティクスでは、蓄積されたデータをそのまま使ってレポーティングをおこない、セグメントを作成して分析や広告配信などに利用できるよう機能が用意されています。

GA4ではそれに加え、蓄積されたデータを使った「予測」ができるようになりました。対象となるレポートは限られるものの、各種イベントデータをもとに機械学習をおこない、ユーザー行動を予測します。将来に予測される行動(予測指標)をもとにユーザーセグメントを作成し、分析や広告配信など施策に活用できるようになります。購入確率、離脱確率、予測収益といったマーケティング成果に直接的に影響する予測指標を利用し、ビジネスインパクトの大きい意思決定・施策を迅速におこなっていくことで、マーケティングROIの向上が見込まれます。

(図3:予測指標の例)

GA4活用に向けたステップ

1. データ取得項目の整理

GA4を通して取得したいデータは何でしょうか。どのようなレポートを見て、どのような分析をし、どのように施策につなげ、そのサイクルを通してどのような成果を得たいのでしょうか。目標を定めたうえで、具体的には以下2つの質問それぞれについて、導入時に考え、整理しておくことが重要です。

  1. ユニバーサルアナリティクスで取得しており、GA4でも利用したいデータは何でしょうか?
  2. GA4独自で取得し、利用したいデータは何でしょうか?

2. GA4導入、データ蓄積

GA4の導入について、Google社はユニバーサルアナリティクスと並行でGA4タグを設置すること(デュアルタギング)を推奨しています。GA4の特徴的な機能である予測機能を利用するためには、予測の手がかりとして使われる過去のデータを十分に蓄積しておく必要があります。GA4にユーザーごとのイベントデータを早い段階から蓄積しておくことで、予測機能の精度や広告連携時のターゲティング精度がより高くなる可能性があります。

3. GA4でレポーティング・分析・広告評価をトライアル

GA4ではユニバーサルアナリティクスから管理画面の変更があり、サイドバーの大カテゴリがレポート/探索/広告というように分かれています。今後、主に利用するツールがユニバーサルアナリティクスからGA4に移り変わったとき、レポーティング・分析・広告評価をするときの機能の違いや操作上の違いがどこにあるのかを確認しておくと、スムーズに業務を進められるでしょう。

まとめ

GA4は次世代のアナリティクスとして、公開直後から次々に機能の追加・アップデートがおこなわれてきました。これからもアップデートが期待されるGA4の特徴を理解し、マーケティング活動の中で少しずつツールを使いこなしていきましょう。Hakuhodo DY ONEでは、ツールの実装サポートから分析・広告配信への活用まで幅広くサービスを提供しています。ご相談があればお気軽にお問い合わせください。

また、先日GA4に関するウェビナーを開催しました。その時の様子は以下から動画でご覧いただけますので、こちらも併せてご確認ください。

動画の視聴はこちら

Google アナリティクス 4のご紹介

 

この記事の著者

島田 拓来

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリティクス、tableau®設計構築。SEO領域のディレクター業務を経てアナリストに。Google アナリティクス、Adobe アナリティクスのデータ活用のほか、ダッシュボード構築のプロジェクトが得意。

趣味:料理、料理動画を見ること

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリテ...

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