ディスプレイ&ビデオ 360(以下DV 360と称する)は、Google マーケティングプラットフォームのひとつです。2018年にDoubleClick Bid Managerから名称が変更され、クリエイティブ、データ、メディアを包括的に連携させてキャンペーン実施がおこなえる統合サービスとなりました。その活用方法は多岐に渡るため、活用するには理解があいまいな方が多いのではないでしょうか。
本記事では、DV 360が誇る多様なターゲティングに着目し、理解するうえで押さえておくべきふたつの特徴を紹介します。
ディスプレイ&ビデオ 360とは?
ディスプレイ&ビデオ 360とは、GoogleマーケティングプラットフォームのひとつとしてGoogleが提供しているDSP(Demand Side Platform)※1です。通称DV 360と呼ばれ、キャンペーンのプランニングからクリエイティブデザイン管理、オーディエンスデータの活用、広告枠の検索購入、キャンペーンの測定最適化までこのツールひとつでおこなうことができます。
DV 360の概要に関しては過去紹介記事「今更聞けない!Googleの注目DSPディスプレイ&ビデオ 360とは? 」をご参照ください。今回は過去紹介記事内のポイントのひとつである「DV 360で活用できるターゲティング」を掘り下げて、解説します。
※1:DSPとは複数のアドエクスチェンジやアドネットワークに広告配信をおこなうプラットフォーム
ディスプレイ&ビデオ 360ターゲティングの3つのポイント
DV 360のターゲティングは多岐に渡りますが、DV 360ならではの特徴として以下の3つが挙げられます。
特徴(1) Google 広告以外の面におけるGoogle データ 活用
特徴(2) Google 広告内におけるDMPデータ連携
特徴(3) 掲載面指定によるターゲティング
これらのターゲティングを有効活用することで、認知~獲得まであらゆる施策目的において適切なユーザーへ効率的にアプローチすることが可能となります。
特徴(1) Google 広告以外の面におけるGoogle データ活用
Google 広告内で使用できるターゲティングを各種SSP(Supply Side Platform)※2面やOTT(Over-the-top)※3面などGoogle 広告以外の面に対して活用できます。各媒体のデフォルト仕様では設定できないターゲティングをDV 360経由で活用することで、より適切なオーディエンスに対してアプローチすることが可能です。
※2:SSPとは広告枠を提供しているメディア側のプラットフォーム
※3:OTTとはTVerなどインターネット経由にて動画コンテンツ配信を行うサービス
(図1:Googleで使用可能なターゲティング一覧)
例えば、Google 広告で使用しているリマーケティングリストを別SSP面でのターゲティングとして活用することができます。これによりリマーケティングの配信面が広がり、獲得の積み上げに寄与します。
また、カスタムオーディエンス※4やインマーケットセグメント※5などYouTubeで利用可能なターゲティングと同様のセグメントを用い、音声広告やOTT広告に配信することもできます。
※4:キーワード、URL、アプリ名を入力して、最適なオーディエンスに広告を表示する方法を指定するターゲティング
※5:別名、購買意向の強いオーディエンス。購入に至る可能性が高いユーザーをコンバージョンに導くことを想定したターゲティング
さらに、有償版であるGoogleアナリティクス 360を契約している場合、ページ滞在時間や閲覧ページカテゴリなどWebサイト上のユーザー行動をもとに細かい条件でのリマーケティングも可能となります。
特徴(2) Google 広告内におけるDMPデータ連携
現在、Google 広告ではサードパーティデータの連携やターゲティング利用が不可となっております。しかし、DV 360経由でGoogle 広告面にアクセスする場合、DV 360と連携済みのDMPデータを用いた配信が可能となります。※6
※6: YouTube面には3rd Partyデータを用いたターゲティングは利用不可
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社が所有する国内最大級のDMP、AudienceOne ®をはじめ、活用できるDMPデータは多岐に渡るため、与件に応じて適切なデータを選択/広告配信に生かすことが可能です。
(図2:3rd Partyデータ連携)
例えば、旅行系商材の場合、クレジットカードの購買データを用いて航空券や旅行関連の購買・利用頻度の高いユーザーをセグメント化し、Google 広告にて配信する、といった活用も可能となります。
特徴(3) 掲載面指定によるターゲティング
DV 360では商材や狙いたいターゲット層に合わせて、豊富な在庫の中から配信面をパッケージ化する ことが可能です。
ITPの影響により、Cookie情報の取得制限が強まりユーザーの閲覧履歴に応じたターゲティングが今後機能しにくくなると考えられています。そのなかで掲載面自体を指定し、来訪ユーザーをターゲティングできることは今後のCookieレス化の流れを捉えた効果的な配信手法となります。
特定カテゴリの配信面パッケージ提供はもちろんのこと、商材特性に応じて配信面を選択する独自パッケージ も制作可能です。
(図3:配信面パッケージ例)
まとめ
DV 360で配信することで多様なターゲティングを活用することができます。与件や商材に合わせて適切なオーディエンスへアプローチをおこない、広告成果を最大化させましょう。次回はDV 360で利用できるクリエイティブフォーマットについてご紹介いたします。
※ディスプレイ&ビデオ 360に関しては、GMP Certified Partnerに認定されているHakuodo DY ONEにお問い合わせください。
前回更新:2024.11.19
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この記事の著者
佐久間 くるみ
2019年株式会社アイレップへ入社。メディアプランナーとしてSNS領域を中心に認知領域からダイレクト領域まで幅広いプランニング・企画立案を行う。
旅行・金融・人材・EC業種にてコミュニケーションプランニングを担当。2020年4月よりDisplay&Video 360担当も兼務。
▼趣味/特技
テニス観戦(四大大会夜更かしして見ています)/スペイン語(スペイン選手の言葉を通訳なしで何となく理解できます)
2019年株式会社アイレップへ入社。メディアプランナーとして...
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