国内月間利用者数は8,400万人を超え※1、圧倒的なリーチ力を誇るLINE。今や企業のSNS戦略には外すことのできないものとなっています。今回は、重要でありながら改善に悩む「Push通知」の効果的な運用方法をご紹介します。
※1:LINE Business Guide 2020年7月-12月期より
1.LINE公式アカウントにおけるユーザー導線についてのおさらい
ユーザーとの最初の接点は「Push通知」
LINE公式アカウントを運用するうえで「クリエイティブ」が重視されがちですが、Push通知は効果の最大化につながる要素のひとつです。ユーザーは、Push通知もしくはトーク一覧でのテキスト情報でメッセージの開封を判断するため、開封する人数はPush通知に左右されます。
(図1:LINE公式アカウントからメッセージ配信時のユーザーフロー)
LINE公式アカウント内のユーザーを分類すると3パターン
ユーザーは、「未開封ユーザー」「開封ユーザー」「クリックユーザー」の3つに分類されます。一般的にアカウント規模が大きくなるに比例して、「未開封ユーザー」の数が増加する傾向があります。
(図2:LINE公式アカウント内のユーザー分類のイメージ)
2.効果的なPush通知の作成方法・設定方法
Push通知に作成のポイントは、本のタイトルやニュースタイトルと同じ
Push通知配信で設定できる文字数は100文字程度です。ユーザーのスマホ通知欄は、さまざまなアプリ通知で埋め尽くされているため、他の通知と差別化することを意識しなければなりません。その差別化するポイントのひとつは、訴求内容を端的に表すことです。ニュースサイトに掲載された目を引くタイトルをイメージするとわかりやすいかもしれません。文字数にすると15文字以内でユーザーが開きたくなるようなPush通知が効果的です。
Push通知の運用のポイントは、ユーザーの表示方法を理解すること
Push通知はメッセージ配信のテキストやバナー設定の順番やタイトルの入力方法に応じて、表示する内容を調整することができるのですが、実際にPush通知まで意識して運用できている企業アカウントは少ない印象があります。
まず、Push通知の主な3パターンを理解して、運用改善してみましょう。Push通知のパターンは、最も多い「テキスト+URL型」、Push通知の重要性を理解しているアカウントに多い「記号・絵文字強調型」、まだ注力しているアカウントが少ない「テキスト一言型」の3つに分けられます。この3パターンの効果を見ていきましょう。
(図3:LINE公式アカウントPush通知の3パターン)
最も開封率が高かったのは「テキスト一言型」
当社では、上記3パターンのPush通知開封率の検証を実施してみました。結果は、「テキスト一言型」が最も高い開封率となりました。
「テキスト一言型」の開封率が最も高かった要因として、次の2点が考えられます。ひとつ目は、企業アカウントからのメッセージと認識されにくかった点です。コミュニケーションツールとして日常的に利用されるLINEにおいて、短文での送信はあたかも友人からのメッセージに似たテキストのように受け取られるため、開封される傾向が強いと考えられます。
ふたつ目は、Push通知だけではメッセージの内容が理解できない程度の情報量としていることです。Push通知の情報量を増やすとメッセージを開封せずとも内容が理解できてしまうため、Push通知からの開封率に影響します。
(図4:LINE公式アカウントPush通知のパターン別の開封率)
以上の話を踏まえて、効果的なPush通知の方法を考えてみましょう。
3.効果的なPush通知の検証方法
アカウントごとに効果的なPush通知は異なる
企業アカウントと友だちになっているユーザーの属性は、アカウントごとに傾向が異なっています。つまり、あるケースで効果的なPush通知が、必ずしも他のアカウントでも有効とは限りません。そこで「Push通知」の検証をおこない、アカウントにあったPush通知方法を探す必要があります。
Push通知の検証方法
アカウントによって異なる最適なPush通知の検証方法としては、改善要素での検証です。改善要素は、大きく「テキスト」と「絵文字」に分けることができ、テキストは文字数や訴求内容、「絵文字」は記号や絵文字などの要素が挙げられます。検証をおこなう際は、同じ条件のターゲットに対して、改善要素を訴求します。配信後、開封率に影響が表れるか、項目ごとに検証をおこなうことで、アカウントに最適なPush通知を見つけることができます。
(図5:LINE公式アカウントのユーザーステータス別の最終接点と改善要素)
4.まとめ
LINE公式アカウントで配信の効果を上げるうえで、実は重要なのが本記事で解説したPush通知です。通知の工夫ひとつで、メッセージ開封率に大きく影響します。今回は代表的な3パターンのPush通知を検証しました。アイレップではLINE公式アカウントの運用支援もおこなっております。お気軽にご相談ください。
この記事の著者
三田 賢太郎
2017年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社入社。入社当初よりLINE担当者として従事。3年間にわたり、LINE公式アカウント、旧LINE ビジネスコネクトなどのあらゆるLINE広告商品の提案、運用を担当し、広告主の課題解決に貢献。2018年よりアイレップに出向し、LINE公式アカウントを主軸としたCRM領域でのコンサルティング支援。飲料系メーカー様、化粧品企業様、IT企業様の施策立案から実行支援までを経験。
座右の銘:継続は力なり
最近はまっていること:ドローンを使った自然の空撮と動画編集
2017年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会...