マンガ・アニメとコラボレートしたデジタルファッションを開発。 ユーザー共創型のTOKYO AVATAR GATEとは

株式会社Hakuhodo DY ONEと株式会社 ARROVAは、日本のマンガ・アニメなどの公式作品とコラボレートしたバーチャル空間向けのデジタルファッションマーケットプレイス「TOKYO AVATAR GATE(トウキョウ アバターゲート)」の運営をスタートしました。
プロジェクト発足の経緯や、どのような未来を目指した事業なのか、中心メンバーとなる3人に話を聞きました。
※本記事は博報堂DYグループの「“生活者データ・ドリブン”マーケティング通信」より転載しています。
元記事:https://seikatsusha-ddm.com/article/15700/
砂田 和宏
Hakuhodo DY ONE
メディアソリューション本部本部長
河合 佑介
ARROVA 代表取締役社長
本間 悠暉
ARROVA プロダクトマネージャー
バーチャル空間内における衣服と、マンガ・アニメコンテンツの高い親和性に着目
-今回「TOKYO AVATAR GATE」の取り組みをはじめた経緯を教えてください
河合:ARROVAはもともとインゲーム広告というバーチャル空間内に広告枠を設置するビジネスからスタートし、Fortnite(フォートナイト)やROBLOX(ロブロックス)内のブランドゲーム制作なども手掛けてきました。
出版社をはじめ、さまざまなコンテンツホルダーと協業するなかで、バーチャル空間内における衣服とマンガやアニメコンテンツには非常に高い親和性があると感じました。
-TOKYO AVATAR GATEとはどのようなサービスなのでしょうか?
河合:大きく分けてふたつの事業があり、ひとつがマーケットプレイスの運営・管理、もうひとつがデジタルファッションの開発・製造です。日本のコンテンツホルダーと連携し、キャラクターや作品を活用した公式のデジタルファッションを製造、販売していくサービスになります。
-Hakuhodo DY ONEとしてこの事業に取り組む意義とは?
砂田:私たちはこれまでパブリッシャー向けのソリューション提供を続けてきましたが、お手伝いできる領域は広告領域に限られていました。IPコンテンツというもっとも重要な資産を活かした協業ができることは、大きな意義があると思っています。
もうひとつはバーチャル空間における生活者の消費行動や趣味嗜好を分析することで、オンライン・オフラインを超えたより深い生活者理解につなげられるという点です。
バーチャルというと一見遠い領域の話のように思いますが、実はHakuhodo DY ONEの事業とも深く関わっているのです。
将来的には、ここで得られたデータが、マンガやアニメ作品の制作に何らかの影響を与えるかもしれない…そう考えると非常にわくわくします。
実際の洋服もつくれるクオリティでVRChatのデジタルファッションを制作
-ユーザーは具体的にどのような楽しみ方ができるのでしょうか?
本間:バーチャル空間内でアバターに着せる衣服など、デジタルで活用するファッションを楽しむことができます。
ARROVAが初期に取り組むのが「VRChat」に対応するデジタルファッションです。
FortniteやROBLOXに比べ、ユーザー同士のコミュニケーションに特化したプラットフォームで、すでに多くのクリエイターがデジタルファッションの販売を行っています。
国内VRChatユーザーが多く利用している、とあるマーケットプレイスの3Dモデル取引高が、2023年から今年にかけて2倍になったという話もあるそうです。現在は個人のCGクリエイターを中心としたマーケットではありますが、このVRChat内に、出版社やアニメ制作会社など公式のコラボレーションした製品を展開するのが「TOKYO AVATAR GATE」です。
現在のβ版期間では現実世界の服としても着られるようなデザインを中心にしていますが、今後はキャラクターの衣装そのものを忠実に再現したデジタルファッションも企画予定です。コラボレーション第一弾として、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』とのコラボアイテム8点を販売。作品の象徴的なイラストやグラフィックをデザインに取り入れている。
-TOKYO AVATAR GATEならではの強みというのはほかにもありますか?
本間:リアルとバーチャルの境界を超えてファッションを製造していきたいという思いもあり、既存の3Dモデリングツールに加え、クロスシミュレーションという技術を使ってデジタルファッションを開発しています。現実世界での動き方もシミュレーションして作成しているので、このデータさえあれば実際の洋服も製作できるレベルです。
河合:ARROVAの事業はバーチャル空間とリアル空間の間の垣根をなくしたいという思いから生まれているので、そういった理念にもつながっていますね。
将来的にはバーチャル世界で人気のあったものをリアル化するということも視野に入れていますし、そうすることで製品を余分につくることも避けられる。今後はアパレル企業との協業も視野に、デジタルとリアルのいいとこ取りをしていきたいと考えています。
バーチャル空間でも「個を尊重」を。ユーザーの声を取り入れて成長させたい
-TOKYO AVATAR GATEを通じてどんな世界を目指していますか?
砂田:現実世界の推し活でも、バッジを付けたりTシャツを着たりするように、バーチャル空間における自己表現ができるアイテムとして活用していただきたいと考えています。
それをスマートにかっこよくできるのがTOKYO AVATAR GATEです。バーチャル空間でも個を尊重できる存在として推進していきたいと考えています。
またビジネスの視点としては、将来的にFortniteやROBLOXといったプラットフォームへの進出も視野に入れた事業です。日本から世界に発信したい企業とのコラボレートに取り組んでいきたいと思っていますので、ぜひ今後の活動にご期待ください。
-VRChatのユーザーにメッセージをお願いします。
河合:すでに多くのクリエイターによってマーケットが広がっているなかに私たちが参入させていただく形です。これまでVRChatの世界観をつくりあげてきた方にいかに楽しんでいただけるかが鍵となります。
TOKYO AVATAR GATEは共創型マーケットプレイスとしてユーザーさんの声を取り入れながらサービスをブラッシュアップするため、グランドオープンの2025年6月までベータ版のテスト参加者さまを募集しています。この作品とコラボレートしてほしい、このアバターの体型に合ったものがほしいといったさまざまな意見をいただきながら一緒にサービスをつくっていければと考えています。
シークレットセールへのご招待といった特典もありますので、ぜひ多くの方にご参加いただき、一緒に盛り上げていただければ嬉しいです!
公式ウェブサイト(β版のテスト参加事前登録ページ)はこちらから
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