本記事では、DV360が誇る配信面の豊富さに着目し、正しく理解するうえで押さえておくべき3つの特徴を紹介します。
ディスプレイ&ビデオ 360とは?
ディスプレイ&ビデオ 360とは、Googleマーケティングプラットフォームのひとつとして提供されるDSP(Demand Side Platform)※1です。通称DV360と呼ばれ、キャンペーンのプランニングからクリエイティブデザイン管理、オーディエンスデータの活用、広告枠の検索購入、キャンペーンの測定最適化までこのサービスひとつでおこなうことができます。
DV360の概要に関しては前回紹介記事「今更聞けない!Googleの注目DSPディスプレイ&ビデオ 360とは?」をご参照ください。今回はDV360の配信面について、掘り下げて解説していきます。
※1:DSPとは複数のアドエクスチェンジやアドネットワークに広告配信をおこなうプラットフォーム
ディスプレイ&ビデオ 360 配信面の3つのポイント
DV360の配信面は多岐に渡りますが、DV360ならではの特徴として以下の3つが挙げられます。
特徴(1)主要SSP(Supply Side Platform)※2面への配信網羅
特徴(2)YouTube面に出せる唯一のDSP
特徴(3)市場急成長中の注目度の高い面にも配信可能
これらの配信面を有効活用することで、ターゲットユーザーのあらゆるモーメントを逃すことなくアプローチすることが可能となります。
※2:SSPとは広告枠を提供しているメディア側のプラットフォーム
特徴(1)主要SSP面への配信網羅
DV360は、国内の主要SSP/エクスチェンジを網羅しており、Google 広告を超える在庫量を保有していると言われています。
(図1:配信可能な主要SSP/アドエクスチェンジ例)
また、優先取引(PMP)も充実しています。PMPを活用することで、プレミアムな面に対し、オークションよりも優先的に広告配信することができます。さらに、純広告で配信していたクリエイティブやデータをDV360経由でPMP配信することで、一律に配信・レポート管理できるなどのメリットがあります。
アイレップでは上記に加え、博報堂DYグループが所有する国内最大級のSSP「YIELDONE®」を活用し、低単価での配信やカスタムパッケージなどの特別調整が可能です。
(図2:PMP配信可能サイト例)
特徴(2)YouTube面に出せる唯一のDSP
YouTube面に対して、DV360経由で出稿することが可能です。他のDSPからは配信できないため、DV360の大きな特徴と言えます。後述するOTT(Over-the-top)面と配信を掛け合わせることで、YouTubeと横断で統合FQコントロールをかけた配信も可能となります。
(図3:FQの統合管理)
特徴(3)市場急成長中の注目度の高い面にも配信可能
Google 広告を含む主要SSP面以外にも、DV360経由では市場注目度の高い下記在庫への配信ができます。
■OTT(Over-the-top)面
OTT(Over-the-top)とは、TVerなどインターネット経由での動画コンテンツ配信を指しています。OTT広告は、その動画コンテンツ内への広告出稿となり、音有視聴、画面占有などTVCMと同様の特徴を持っていることから、高い認知効果が期待されています。DV360経由では、地上波各局のTVer面やAbemaTV、DAZNに対して配信が可能です。
(図4:配信可能なOTT面)
■音声広告
定額音楽配信サービスの普及や、在宅時間における「ながら聞き」の文化浸透により、音声メディア市場は急成長を遂げています。音声広告市場もユーザー数拡大の影響を受け、業界内で注目度を集める広告メニューとなっています。
ターゲティング手法もデジタルシフトが進み、これまでマス広告のように枠単位でのプランニングでしか買付できなかったラジオ広告も、radikoにてWebならではの高精度なデモグラベースのターゲティング配信が可能となっています。また、従来の音声広告といえばラジオ広告一択でしたが、近年はSpotifyやYouTube Musicなどのデジタル音声広告も登場しています。これらもradiko同様に、Webならではの高精度なターゲティングが可能です。
この音声広告も、DV360から買い付けることが可能です。音楽ストリーミングサービスやインターネットラジオなどへの配信により、通勤などのすきま時間のモーメントを逃さずにアプローチすることができます。2020年8月時点でSpotify、radiko、YouTube Musicへの配信に対応しています。DV360経由で配信することで、統合FQの管理※3やリッスンスルーCV※4の計測が可能となります。
※3:統合FQ管理はSpotify、radiko間のみで可能
※4:リッスンスルーCV計測にはCampaign Managerが必要です
(図5:配信可能な音声広告面)
■タクシー広告
ここ数年で急激に需要が高まっている、タクシー広告にも出稿が可能です。新型コロナウイルス感染症が流行りだした2020年以降、接触リスクの低いタクシーを利用するビジネスパーソンが急拡大しています。BtoB系の企業様からの出稿希望も殺到しており、枠販売開始タイミングからわずか数日で全日程満稿となる人気メニューとなりました。
DV360では、全国主要10都市に展開する日本最大のサイネージネットワークであるTokyo Primeへの配信が可能です。高画質・大画面・音声付きのリッチなフォーマットを活用し、タクシー利用者であるビジネス層や富裕層へのアプローチができます。DV360経由から配信することで、リアルタイムレポートが取得できるようになります。
(図6:配信可能なタクシー広告面)
■DOOH(Digital-Out-of-Home)
DOOH(Digital-Out-of-Home)とは、デジタル屋外広告を指します。元々屋外広告は印刷物での掲示が主流であり、Web広告と比較すると買付方法やクリエイティブの差し替え、計測等のレポーティング面で制限がありました。
このジレンマを解消できるのが、DOOHという仕組みです。屋外にある掲出場所をデジタルサイネージ化することにより、impベースでの買付、迅速なクリエイティブ差し替え、Web指標に合わせたレポーティングが可能となりました。この潮流を汲み、巷に溢れている屋外広告は、着々と印刷物からデジタルサイネージへと置き換わっています。
DOOHは、DV360からも出稿が可能です。他出稿面と同一の管理画面からimp単位での買付、クリエイティブの差し替え、配信コントロールをシームレスに操作することができ、業種や戦略ターゲットに即した出稿面のカスタマイズも可能です。
(図7:配信可能なDOOH広告面)
まとめ
主要SSP面はもちろんのこと、音声広告やタクシー広告、DOOHなどの多様な面に対してDV360からまとめて配信することが可能です。新規ユーザーの開拓や日常のすきま時間へのアプローチ手法として、DV360を是非活用していきましょう。
前回更新:2020.10.28
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この記事の著者
佐久間 くるみ
2019年株式会社アイレップへ入社。メディアプランナーとしてSNS領域を中心に認知領域からダイレクト領域まで幅広いプランニング・企画立案を行う。
旅行・金融・人材・EC業種にてコミュニケーションプランニングを担当。2020年4月よりDisplay&Video 360担当も兼務。
▼趣味/特技
テニス観戦(四大大会夜更かしして見ています)/スペイン語(スペイン選手の言葉を通訳なしで何となく理解できます)
2019年株式会社アイレップへ入社。メディアプランナーとして...